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税理士試験における相続税法の難易度や勉強時間を徹底解説!

HUPRO 編集部
税理士試験における相続税法の難易度や勉強時間を徹底解説!

税理士試験は簿記論と財務諸表論に加えて様々な税法科目が存在します。その税法科目の一つが相続税法となり、他の税法科目と若干毛色が異なる科目と言えます。
そこで、今回は税理士試験における相続税法について現役税理士が解説します。

相続税法(税理士試験)とは

相続税法は、税理士試験における選択科目のうちの一つです。

税理士試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。
なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。

そして、合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります

相続税法試験において計算と理論は半々程度となりますので、バランスの良い勉強方法が必要となります。法人税法は簿記論や税法など、住民税は所得税法などと関連があるのに対して、相続税法は他の科目とそれほど関連が無いのが特徴です。

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相続税法(税理士試験)の勉強時間は?

相続税法の勉強時間は予備校やインターネットの情報によって様々ですが、400~500時間程度と言われています。法人税法が600時間程度と言われていることからも3分の2程度の勉強時間ということで、必須の法人税法又は所得税法に次ぐボリュームのある税法であると言えます。

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相続税法(税理士試験)の難易度は?

先述した通り、合格ラインに達する最低時間が400時間程度であるとすれば、1日2時間の勉強でも200日間かかる計算となります。確実に合格するためには他の受験生よりも時間をかける必要があり、特に仕事をしながら勉強する場合は勉強時間の確保ができる仕事に就かないと辛いものとなります。

また、相続税法は実務上とても使える科目であることから、比較的高いレベルの受験生も集まりやすいと言えます。
よって時間数で600時間と言われていても、この何倍も勉強をして挑んでくる受験生も多いことを念頭に置いて、時間を使うか効率性を上げるかを考えて勉強する必要があります。

過去の相続税法の合格率は以下の通りです。

2023年(令和5年) 11.6%
2022年(令和4年) 14.2%
2021年(令和3年) 12.8%
2020年(令和2年) 10.6%
2019年(令和元年) 11.7%
2018年(平成30年) 11.8%
2017年(平成29年) 12.1%
2016年(平成28年) 12.5%
2015年(平成27年) 13.4%
2014年(平成26年) 12.9%

2023年における相続税法の合格率は11.6%と、11科目の中で最も合格率が低いです。

ここ数年は10~14%程度で推移していていますが、少しずつ合格率が下がってきていることから、今後はどのようになるかは未知数と言えます。

相続税法(税理士試験)に向いている人

先述した通り、相続税法は計算と理論が半々の税法科目です。ただ、計算といっても割と暗記をしておくべき事項も多いことから、バランスの良い勉強方法が求められます。しかし、他の科目よりも身近な事項も多いことから、受験生によっては取り掛かりやすいという方も多いことが特徴となります。

また、計算問題は各項目が横断的に出題される傾向にあるため、こまめに取りこぼしの無いように解答をする必要があります。また、相続人の判定、というスタートでつまずいてしまうとかなりのロスとなってしまうことから、全体的に理論を覚えることも大事ですが、ケアレスミスをあまりしないような人が相続税法に向いていると言えるでしょう。

相続税法(税理士試験)の勉強方法は?

では、相続税法の勉強方法はどのようにすると良いのでしょうか。理論と計算問題のうち、まずは理論をどれだけ回せるかが大事となります。先にお話しましたが、計算問題は理論がわかっていないと解けない問題が多いためです。

理論をある程度回せたら計算問題も1日1回は入れるようにして、自身の弱点の論点をつぶしていくようにすると良いでしょう。相続税の計算問題は、総合問題でなし崩し的に間違えるリスクがあるので、総合問題も勉強の中に必ず組み込むようにしましょう。

相続税法は実務で使える?

実務において相続税法は頻繁に使うわけではありませんが、相続専門の会計事務所では知識は必須と言えます。また、自身で独立した場合も相続税は単価の高い仕事となりますので、取りこぼしの無いようにするためには相続税の知識は必要になってくるでしょう。

また、法人税や所得税については実務の中で覚えられることも多いですが、相続税は理論と実務での体験の両輪でしかレベルアップをすることはできません
よって、実務上相続税法を使う可能性がある場合、相続税の合格はとても大きいものと言えます。

現在は事業承継税制や相続税の対象者の増加などにより、とても注目されている税法の一つです。よって、相続税法の合格は自身のキャリアを考えるうえで、将来性も含めてとても有用であると言えるでしょう。

まとめ

相続税法は一つ一つ丁寧に解いていくことが重要な科目です。また、相続税法に合格していると実務にもかなり活かせるので、自身のキャリアにとてもプラスに働く科目と言えます。勉強時間に余裕があったり、実務に活かしたいという意欲がある場合は、是非ともチャレンジしてほしい科目です。

記事を監修していただいた税理士法人

本記事は、税理士法人いわみ会計事務所様に監修していただきました。

税理士法人いわみ会計事務所は千葉市中央区にある、相続税に特化した会計事務所です。
相続税シミュレーションや相続税の節税対策、財産の生前贈与といった相続開始前のサービスから、相続税の申告や相続税の還付手続き、遺産の整理・財産目録の作成といった相続開始後のサービスまで幅広く提供しています。

相続税法の知識を活かした業務が行える会計事務所としてオススメできるのはもちろん、残業はほとんど無く子育てや家事と仕事の両立に理解がある環境であることもポイントといえます。
主婦・主夫が活躍しており、保育園の送迎や学校行事に合わせての勤務調整が可能なことからも、その働きやすさがお分かりいただけるのではないでしょうか。

税理士法人いわみ会計事務所について、詳しい会社情報を確認されたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士法人いわみ会計事務所│HP

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