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公認会計士とはどんな仕事内容?就職や資格取得について解説

HUPRO 編集部
公認会計士とはどんな仕事内容?就職や資格取得について解説

会計士とは、簡単に言うと「会計に関するプロフェッショナル」として仕事をしている人のことです。正式名称は公認会計士です。
この記事では、公認会計士の仕事内容や就職・資格取得の勉強などについて簡単にわかりやすく解説します。将来的に会計に関わる仕事をしてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

会計士の仕事内容を簡単にいうと?

会計士は「企業が作った決算書の内容が正しいかどうか、チェックする仕事」を行っている人たちです。

これを難しい言葉で言うと会計監査といいます。

企業は1年に1回以上は決算書を作成して、活動期間中に「どのようにお金を使ったのか?」を投資家に対して報告しなくてはなりません。

決算書の内容は、法律のルールに従ったものでなくてはなりませんから、そのチェック作業が必要ですが、きちんとチェックするためには会計に関する深い知識が必要になります。

このチェックをするのが、会計のプロフェッショナルである会計士というわけです。

会計士は仕事上、非常に高度な会計のルールを理解していなくてはなりませんから、とても難しいレベルの資格試験が実施されています。

医者・弁護士・会計士といわれるように、会計士の試験は日本で最難関の試験と言われています。

なぜ、会計士の会計監査が必要なのか?

会計士が行う会計監査は、企業が作成する決算書の内容が正しいことを保証することになります。決算書は、投資家が投資判断を行う際の重要な判断基準となります。

ですから、決算書の内容が法律のルールに従った正しいものであることが保証されていないと、投資家は恐ろしくて企業にお金を出すことができなくなってしまいます。

そんな事態を避けるために、会計士は「この企業が作成した決算書の内容は正しいです」と、投資家に対して保証を行っているのです。

会計士は非常に高度な会計の知識を持って人たちですから、投資家は「会計士がそういうなら間違いない」ということで、企業の決算書を信じて投資判断を行えるようになります。

投資家にとって決算書の内容は決定的に重要

日本や世界の企業は、投資家と言われる人たちからお金を出してもらい、そのお金を使ってさまざまな活動を行います。

さまざまな活動を行った結果、最初に投資家に出してもらったお金を増やすことができたら、その増えた分を配当金として投資家に分けます。

ただ、投資家の人たちにとっては、自分が出したお金がちゃんと使われているのか、とても心配なことです。
お金を渡した企業が、そのお金を遊ぶことに使ったり、無駄な使い方をしたりしないとは言い切れないからです。

こうしたことが起きていないかをチェックするために、投資家は企業に対して決算書を作成することを求めます。
企業は、投資家に対して「当期の活動はこのように行いました。結果としてお金がこれだけ増えました」ということを決算書の数値を通して報告するというわけです。

会計士のお客さんは主に上場企業

会計士は、「企業が作成する決算書の内容が、法律のルールに従ったものになっているかどうかをチェックする仕事」と説明しました。

しかし、日本にはものすごくたくさんの会社がありますから、すべての会社が作成する決算書を、会計士がチェックすることはできません。

そこで、実際には「上場企業」といわれる大手企業についてのみ、会計士による会計監査が必要という扱いになっています。

上場企業というのは、東京証券取引所とか、大阪証券取引所とかいった「証券取引所」に登録されている企業のことをいいます。
証券取引所に登録することができれば、企業は日本全国の投資家からお金を出してもらうことが可能となります。

そのため、ほとんどの企業が「いつかは証券取引所に上場すること」を目標として活動を行っています。
逆に言えば、証券取引所に上場している企業(上場企業)は、日本を代表するような大手企業ということができます。

会計士は、こうした大手企業が作成する決算書を会計監査としてチェックする仕事をしていますから、必然的に会計士のお客さんは大手企業ということになります。

大手企業にはたくさんの従業員がいて、会計に関する仕事をしているスタッフも大勢います。そんな人たちが協力して作成する決算書をチェックするのが会計士の仕事ですから、非常に高い能力が求められることはいうまでもありません。

会計士の年収はどのぐらい?

会計士の年収はどのぐらい?

会計士は、いわば会計に関してもっとも難しい仕事をしている人たちですから、平均年収も非常に高いです。

公認会計士の試験に合格した人の多くが「監査法人」という会社でキャリアをスタートしますが、初年度の年収でも500万円〜600万円からスタートというのが相場です。

(監査法人は、公認会計士が集まって作る職業グループのような組織です)

すべての会計士の平均年収で見るとどうでしょうか。

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」という統計情報によると、公認会計士の平均年収はおよそ1000万円となっています。

全職業の平均年収はおよそ500万円ですから、平均で見ても倍以上の年収を稼いでいることになります。

公認会計士に合格した人は、会計分野ではエリートとしての道を歩むことができます。

日本最難関と言われるほどの難関国家資格ですが、勉強に自身のある方は目指してみる価値は十分にあるでしょう。

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会計士と税理士はどう違う?

会計士とよく比較される職業として、「税理士」という仕事があります。
税理士も会計に関する難関資格なのですが、会計士とは仕事のフィールドがかなり異なります。

上でもみたように、会計士は主に上場企業を顧客として仕事をしていますが、税理士の多くはいわゆる「中小企業」を相手に仕事をしています。
中小企業とは言っても、従業員が何百人もいるような企業であることもあります。一方で、商店街の八百屋さんやクリーニング屋さんも中小企業に含まれます。

中小企業であるか、大手企業であるかにかかわらず、すべての企業は1年に1回は決算書を作成し、税金を計算して納税しなくてはなりません。
しかし、中小企業においては必ずしも自社内のスタッフだけでこの税金計算までの業務を完了できる企業ばかりではありません。

日本の税金計算の仕組みは「世界で一番ややこしい」といわれるぐらいに難しい法律知識が求められますから、会計に関する専門スタッフがいない場合には税金の計算を自力で行えない…という企業も少なくないのです。

税理士は、こうした企業から依頼を受けて、税金の計算業務をサポートするのがメインの仕事です。必然的に、税理士のメイン顧客は中小企業の経営者ということになります。

会計士と税理士ではどちらが上?

会計士と税理士とでは仕事のフィールドがまったく違いますので、「どちらが上」ということはありません。

会計士としての経験を積んでから、税理士の仕事をしている会計士もたくさんいますし、逆に、税理士の仕事を経験してから会計士に転職する税理士もたくさんいます。

さらにいえば、会計士よりもたくさんの年収を稼いでいる税理士はたくさんいますし、逆もまた然りです。
ただし、公認会計士試験に合格した人は、無試験で税理士資格を取得することができます。

一方で、税理士の資格を持つ人は、公認会計士の試験科目を一部免除してもらえるにとどまりますから、試験の難易度的には会計士にやや軍配が上がるかもしれません。
公認会計士試験に合格するためには、最低でも4000時間以上の勉強時間が必要と言われています。

多くの人が、大学生として勉強に専念できる時期から勉強を始めて、3年間〜5年程度かけて合格を目指します。
なお、2003年以降は「会計大学院」という特別な専門職大学院を卒業した人は、公認会計士試験の一部科目が免除されることになっています。

まとめ

今回は、会計士の仕事内容について簡単に解説いたしました。

会計士になるためには公認会計士試験に合格せねばならず、非常に厳しいハードルがあるのが現実ですが、このハードルを超えることができれば非常に魅力的なキャリアが待っていると言えます。

簡単な道ではありませんが、会計分野でトップクラスのキャリアをめざす熱意があり、勉強にも自身があるという方はぜひ挑戦してみてください。

この記事を書いたライター

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