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法人税とは?計算方法、税率から納税方式までの基礎知識を解説

HUPRO 編集部2019.11.08

会社を設立して、初めての決算も無事に終えたら一息つきたいところです。しかし、急いで法人税の申告と納税をしなければなりません。法人化したほうが税金は安く済むというメリットがありますが、法人税はやや複雑なため理解するのに苦労するケースが多いようです。そこでこの記事では、法人税の基礎知識について詳しく解説します。

法人税とは

主に会社などの法人が、その活動によって得た所得にかかってくる税金のことを指しており、法人税は、消費税、所得税とならんで重要な国税の一つとされています。
個人の所得は、所得税を税務署に申告した上で納税しますが、法人の場合は、法人税を税務署に申告し上で納税します。

法人税の特徴

法人税は、直接税の一つです。直接税は、「納税者」(税金を納める人)と「担税者」(税の負担者)が同じであるのが特徴です。直接税の反対が間接税で、「納税者」と「担税者」が異なるのが特徴です。消費税がその例です。また、先に書いたように、法人税は法人が申告した上で納税しますが、この方式を申告納税方式といいます。

法人税の種類

法人税は、法人の形態によって課される種類が異なります。

各事業年度の所得に対する法人税

「各事業年度の所得に対する法人税」は、事業年度中に法人が得た所得に対して課されます。例えば、事業年度が定款で4月から翌年3月までと定められていれば、この期間中に得た所得に対して税金が課されます。通常、法人税といえばこの「各事業年度の所得に対する法人税」のことを指します。

各連結事業年度の連結所得に対する法人税

「各連結事業年度の連結所得に対する法人税」とは、親会社と子会社のような企業グループを1つの納税単位として「連結納税制度」を用いて所得を計算し法人税を決定する方法です。
この方式を適用するかどうかは、各法人の自由ですが適用する場合は全ての子会社が対象になります。親会社が申告・納税を行い、子会社は連結所得の個別帰属額などを記載した書類を税務署に提出します。

特定信託の各計算期間の所得に対する法人税

「特定信託の各計算期間の所得に対する法人税」とは、特定の資産運用に対する信託へ課される法人税です。

退職年金等積立金に対する法人税

「退職年金等積立金に対する法人税」は、信託会社や保険会社などの退職金業務等を営む法人が対象となる法人税です。本来は、会社が信託会社や保険会社に従業員の退職金を払い込んだ際に計上され課税されるはずです。しかし実際に課税されるのは、従業員が退職して退職金が支払われたときに課税されますので、遅延利息の性質をもっています。

納税の対象となる法人

法人税法上納税の対象となる法人とは、国内に本社、またはおもな事業所を持つ「内国法人」のことです。さらにその法人も種類によって、法人税の課税対象になる法人とそうでない法人に分かれます。

課税対象になる法人

普通法人の代表的なものとしては、株式会社、合同会社などです。日本国内に本拠地があれば、国内で得た所得のほか海外にある現地の拠点が得た所得に対しても法人税が課されます。協同組合等には、農業協同組合や信用金庫などがあります。税率は普通法人より軽減されています。
主な普通法人と協同組合等の一覧です。

課税対象にならない法人

公益法人は、株式会社などの営利追求を目的とする法人とは異なり、学術や慈善などの公益を目的とした法人です。そのため、法人税は原則として課されませんが、収益事業を行って収益が出た場合には課税の対象となります。人格のない社団とは、PTAや学校のサークルなどです。営利追求を目的としていないので、原則的には非課税ですが、収益事業により収益がでたときには、課税対象になります。公共法人は、国や地方公共団体によって運営されており、法人税の課税対象外です。
公共法人、人格のない社団、公共法人の一覧です。

法人税の計算方法

法人税の計算方法は次のとおりです。
【法人税額=課税所得×法人税率-控除額】
先に書いたように、法人税は所得に対して課されます。利益に課されるものでないことに注意が必要です。益金から損金を差し引いたものが所得になります。

法人税の税率

法人の税率は法人の種類と規模によって決められます。ここが累進課税のである所得税と違うところです。
法人税の税率の一覧です。

法人税の節税方法

法人税も税法上の規定にのっとって節税することが可能です。

損金に算入されるものを増やす

先に書いたように、益金から損金を差し引いたものが課税所得となります。
そのため、損金算入されるものが増えれば、その分所得が減るので、税額が減ります。
・赤字にする
青色申告の承認を受けている場合、赤字の事業年度と黒字の事業年度の所得を相殺することが可能です。
・生命保険料を損金に計上
生命保険料や中小企業倒産防止共済に加入すると、全額もしくは一部を損金として計上できます。
それ以外にも、在庫処理や一定の条件の下、賞与を未払い費用として計上するといった方法があります。

益金を減らす

所得を減らすために、益金に算入される金額を減らす方法も考えられます。
売上げの計上時期を翌事業年度にずらせば、益金を減らすことができます。
売上げの計上基準の変更が可能かどう検討するとよいでしょう。

特別控除を利用する

雇用促進税制や中小企業投資促進税制など法人税の優遇措置を受けることができる特別控除の活用により、節税が可能になります。

法人税の納付方法

法人税の納付期限は、事業年度が終了した日の翌日から2ヵ月以内です。納期に遅れると、延滞税が課せられたり、青色申告の承認取り消しといったペナルティが課されるので注意が必要です。
・現金で納付
・電子納税を利用する
・クレジットカードを利用して納付する

現金で納付

税務署から送られてくる納付書に現金を添えて納付します、金融機関や税務署などで納付が可能です。また、納付額が30万円以下の場合に限りコンビニエンスストアでの納付が可能です。

電子納税を利用する

電子納税には、e-Taxによる「ダイレクト納付」のほか、インターネットバンキングなどで納付する方法があります。

クレジットカードを利用して納付する

国税の納付の立て替え払いを、国税庁指定の納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)に委託して納税を行います。

まとめ

会社を設立したら、法人税の処理は必須となります。申告漏れにはペナルティが課されます。不明な点は税理士に相談するなどして解決しましょう。

カテゴリ:コラム・学び

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