士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

CFOと経理部長の違いは?企業での役割や仕事内容の差を解説

HUPRO 編集部
CFOと経理部長の違いは?企業での役割や仕事内容の差を解説

この記事では、CFOと経理部長の仕事内容の違いについて解説いたします。
実際の企業の組織図がどのようになっていることが多いか?といったことについても説明していますので、将来的に会計分野でキャリアアップしていくことを目指している方はぜひ参考にしてみてください。

CFOと経理部長の違い

CFOと経理部長とはよく似た意味で使われる言葉ですが、一般的にCFOは経理部長よりももう少し広い意味を持っていることが多いです。

会社の組織形態はさまざまですから、必ずこのようになっているということは言えませんが、一般的には以下のように整理することができるでしょう。

・CFO:会計部門全体の責任者
・経理部長:経理部(会計部門の一部)の責任者

CFOは経理部長よりも1つ上の役職となっていることもありますし、CFOと経理部長が同一の人物であることもありえます。

CFOと経理部長が同一人物となっている場合には、その経理部長には本職である経理に加えて、プラスアルファの役割を期待されていることが多いです。

具体的には、CFOは経理で作成する会計データを活用して経営戦略の策定に貢献したり、金融機関や証券市場からの資金調達の責任者となったりします。

一方で、経理部長は狭い意味での経理部門の責任者であることが多いです。

ただし、CFOや経理部長という職務は法律上厳密な定義があるわけではありませんので、それぞれの企業が担当者の仕事内容に応じて使い分けていると言うのが実際のところです。

そのため、経理部長の肩書きを持つ人が、実質的にはCFOの役割を担っていることもあります。

「経理」と「財務」の違い

上で見たように、会計部門の責任者であるCFOは、経理部長の仕事プラスアルファの仕事をしていることが多いです。

会計の仕事は一般的に経理と財務の2つに分かれますが、この「プラスアルファ」に該当する部分が財務の仕事と言えます。

経理と財務の仕事内容の違いについては、以下のようにまとめることができます。

・経理の仕事内容:日常的な会計処理を行い、決算や税務申告、投資家への報告を行うこと
・財務の仕事内容:経理が作成する会計資料を活用して、経営に貢献するさまざまな活動を行うこと

経理と財務の仕事内容の具体的な違いについて、次の項目でくわしく見ていきましょう。

経理は会計資料を作成し、財務がそれを活用する

経理の仕事は、会社の日常の会計処理を行い、一年に一度決算を行うことで財務諸表を作成し、納税を行うとともに投資家への説明資料を作成することです。

(四半期や半期のように、一年に一回よりも早いスパンで決算を行う企業も多くあります)

経理部が作成する会計資料は、経営の様々な場面で活用されます。

例えば、経営者は前年度の業績に基づいて当期の経営計画や予算を作成しますが、これらは前事業年度の会計資料がなくてはできないことです。

また、多くの企業は銀行などの金融機関から融資を受けていますから、定期的に自社の経営状況について報告を行なわなくてはなりません。

その時にも報告の根拠となるのが経理の作成する会計資料です。

金融機関からの融資が継続できなければ、最悪の場合では会社は倒産してしまいますから、経理や財務は非常に重要な役割を持った仕事と言えます。

さらに、資金調達は金融機関を介さず、証券市場から直接的に行われることもあります。(株式公開や社債の発行などが該当します)

金融機関からの資金調達を間接金融、証券市場からの資金調達を直接金融と呼びます。

このように、CFOは間接金融や直接金融の両方を駆使して、会社の経営を支援するのがもっとも重要な仕事と言えます。

経理部長と財務部長とCFOの関係

ある程度の規模以上の企業においては、経理と財務は会社の組織として分離しているのが一般的です。

(逆にいうと、中小企業においては経理部長の肩書を持つ人が、1人で会社の会計全般に関わる仕事をしていることが多いです)

経理の仕事については経理部長が責任者となり、財務の仕事については財務部長が責任者となっているといった具合です。

そして、経理部長と財務部長のさらに1つ上の役職としてCFOを置くか、経理部長と財務部長の両方の役割を兼ねる職務としてCFOを置いているケースが多いです。

(後者の場合、部長職としてCFOを置き、その下に課長職の経理職や財務職を置くことが考えられます)

なお、財務は「経営企画」などの名称で呼ばれることもあります。

この場合の財務には会計分野に限らず、事業戦略の策定その他の経営に関するより多岐にわたる役割が期待されていることが多いでしょう。

経理や財務に関する組織構成がどのようになっているかを見ることは、その会社の会計に関する役割へのスタンスをうかがうことができるので、参考になります。

まとめ

今回は、CFOと経理部長の仕事内容の違いについて解説いたしました。

これらの言葉は厳密に使い分けられているわけではありませんが、CFOは経理部長の仕事に財務の仕事をプラスした役割を期待されていることが多いでしょう。

会計の仕事は、会社の経営を直接的に左右する重要な役割を持っていますから、CFOや経理部長は経営者の右腕的な存在の人が就任することが多いです。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:コラム・学び

おすすめの記事