士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

税理士・社労士ダブルライセンス取得の実務でのメリットを解説!

HUPRO 編集部
税理士・社労士ダブルライセンス取得の実務でのメリットを解説!

今回は、税理士と社労士の資格をダブルライセンスで取得することのメリットについて解説いたします。実務上のメリットに重点を置きながら解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
これらの資格取得のために学習する知識は、お互いに密接な関連性がありますので、ダブルライセンスには大きなメリットがあるといえます。

税理士と社労士のダブルライセンス取得のメリット

結論から言うと、税理士と社会保険労務士の両方を取得することには、実務上大きなメリットがあります。というのも、それぞれの資格には業務独占範囲が法律で定められているからです。

実務上も、会計事務所で働く税理士は顧問先から社会保険に関する相談を受けることが非常に多いです。特に、建設業などの事業者を顧問先に持つ会計事務所にとって、労働保険の申告業務への対応は重要な業務の一つです。

この労働保険の申告は、社会保険労務士の独占業務となりますので、申告書作成の代行を行うためには社労士資格が必要となります。

顧問先事業者が自分で作成する申告書について一般的なアドバイスを行うことは社労士資格がなくてもできますが、申告の代行まで一括で受注する場合には社労士資格がないとなりません。

このような事情から、社労士資格を持っている人は税理士の事務所からもニーズがありますし、独立して自分で事務所を構える場合にもこれらの業務まで受注できることは強みになるでしょう。

社会保険労務士の独占業務は税理士の活動にも役立つ

近年、政府の「働き方改革」の影響もあり、企業が構築する福利厚生制度や人事評価の制度に対しては社会から厳しい目が向けられつつあります。

具体的には、有給休暇の取得に関する制度構築や、契約社員等の非正規雇用者と正規雇用者との待遇の違いについて、法律上の要件を満たした福利厚生制度を設けることの必要性が高まっていると言えます。

いうまでもなく、企業側からのこうしたニーズに応える業務は、社会保険労務士の独占業務となっています。

具体的には、以下のような業務は社会保険労務士の資格を持つ人でないと依頼者に代わって手続きを行うことはできません。

・時間外労働や休日労働に関する協定書の作成(いわゆる36協定届の作成代行)
・従業員雇用時の労働保険関係の成立届作成や労働保険料の申告業務
・健康保険や厚生年金保険の加入に関する手続きの代行業務

また、人事労務に関するアドバイス業務は社労士の独占業務ではありませんが、これらの助言を行うためには労働法に関する深い実務知識が求められますから、社会保険労務士資格を持っていることは大きなアドバンテージとなるでしょう。

社会保険労務士として独立して事務所を設ける人は、税理士に比べるとかなり少ないのが実情ですが、今後は社労士に対しての業務ニーズは高まっていくものと思われます。

税理士・社労士のダブルライセンスの取得は転職活動や独立企業において大きなメリットがあると言えます。

社会保険労務士の独占業務は税理士の活動にも役立つ

税理士・社労士資格取得のために必要な勉強時間

社労士資格は、税理士資格に比べると難易度はやや下がると言えます。

一般的な資格スクールが公表している内容によると、これらの資格取得に必要な勉強時間は以下のようになっています。

・税理士資格取得に必要な勉強時間:2000時間
・社労士資格取得に必要な勉強時間:1000時間

ただし、税理士試験はどの試験科目を選択するかによって難易度がかなり変わる試験です。

また、社労士試験は受験年度によって合格率が大きく上下することで知られています。

平成30年度の社労士試験の合格率は6.3%、合格者数は2413名でしたが、3年度前の平成27年度試験では合格率はわずか2.6%、合格者数は1051名でした。

社労士試験の方が難易度は低いからと言う理由で、「まずは社労士から…」というかたちで受験計画を立てるのはやや短絡的といえます。
長期的な学習プランを考える場合には、注意しておきましょう。

働きながら試験合格を目指そう

税理士や社労士といった試験は、長期間にわたって計画的に勉強を進めていくことが求められます資格試験です。

学生の方など、学習に専念できる環境の方ならば大きな問題は生じないですが、社会人の人は「働きながら合格を目指す」のが基本となるでしょう。

税理士試験は科目合格制度を利用できますから、1年に1科目などのかたちであれば、働きながらであっても現実的な受験計画を立てることは可能です。その際、受験する試験科目と、実務とをリンクさせながら学ぶことができれば効率的です。

会計事務所(税理士事務所)での仕事では、税理士や社労士試験の受験科目を実務として体験することが可能となりますので、試験のために勉強する内容についても深く理解することができるでしょう。

また、受験勉強が進むほどに実務能力が向上していくことも期待できますから、仕事をしながら勉強をすることには大きなメリットがあります。

これから税理士や社労士の資格取得を目指す人は、会計事務所や社労士事務所で働きながら試験勉強を進めていくこともぜひ検討してみてください。

まとめ

今回は、税理士と社労士の資格をダブルライセンスで取得することのメリットについて解説いたしました。これらの資格は、求められる実務知識が非常に関連していますから、ダブルライセンスを目指して勉強を進めることには大きなメリットがあるといえます。

一方で、いずれの資格も難関レベルの試験となりますから、長期間にわたって計画的に勉強を進めていくことが求められることに注意しておきましょう。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:資格試験

おすすめの記事