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税理士の就職と学歴の関係は?高卒でも会計事務所で働ける?

HUPRO 編集部
税理士の就職と学歴の関係は?高卒でも会計事務所で働ける?

税理士として働くことを目指している方の中には、「税理士の就職に学歴がどのように影響するのか」に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、税理士の就職と学歴の関係について解説します。
会計事務所で収入を上げるにはどうしたらいいのか?についても解説していますので、参考にしてみてください。

税理士の就職先と学歴の関係

税理士の資格を持つ人が知識を生かして働くことを考える場合、就職先としては大きく分けて以下の2つが考えられます。

・会計事務所(税理士が開業している事務所。税理士法人も同じです)
・一般的な企業の経理財務職

将来的に税理士として独立開業を目指している人の場合は、会計事務所で働くことを選択することが多いでしょう。

会計事務所への就職活動では、学歴が問題となることは基本的にないと考えて良いと思います。

ほとんどの会計事務所では、大卒者であれば有名大学の卒業であるか否かは重要視されませんし、高卒の学歴の人であっても、会計事務所で正社員として働いている人はたくさんいます。

ただし、会計事務所というのは従業員数名〜数十名程度の小さな組織である場合がほとんどです。

そのため、良くも悪くも採用の意思決定を行う開業税理士自身の考え方で従業員の採否が決まる部分があります。

開業税理士の考え方によっては、大卒者に限定して採用していたり、有名大卒者だけを採用したりといったこともありえるでしょう。

会計事務所では大卒学歴の人が多い

実際には、会計事務所の正社員職員には大学卒業の学歴の人が多いです。(経済学部や経営学部、商学部卒業の人が多いです)
というのも、会計事務所で働く人の多くが税理士試験の受験生だからです。

税理士試験は受験資格として経済学や法律学に関する単位取得が必要ですから、必然的にこれらの学部で大学を卒業している人が多いのです。

もっとも、日商簿記検定1級の資格取得によって税理士試験の受験資格を得ている人もいます。
商業高校を卒業された方は学校授業の一環として簿記検定を取得している人が多いですから、高卒者であっても会計事務所に就職する人は少なくありません。

一般企業に就職する場合

税理士資格を履歴書のアピール材料として、一般企業の経理財務職を目指すという方もいらっしゃるかもしれません。
この場合は、一般的な就職採用における学歴の扱いと大きな差はないと思われます。

つまり、誰もが名前を知るような大手企業の新卒採用では、有名大学卒であることが有利です。(高卒学歴の場合は残念ながら採用される可能性は極めて低くなるかと思います)

一方で、中小規模の企業においては、有名な大学を卒業しているか、あるいは高卒であるか大卒であるかはあまり重要視されない傾向があります。
高卒者であっても税理士試験に合格していることは非常に高い評価の根拠となるでしょう。

ただし、一般企業の就職においては、税理士試験の科目合格についてはそもそも評価対象にならない可能性もあります。(税理士試験の科目合格というものがどの程度の難易度なのかと言ったことについて知識のない人が多い印象です。)

税理士として重要なのは実力

ここまで、税理士を目指す人向けに就職活動の実態について解説してきました。

会計事務所で働く場合には、現実には大卒者の同僚が多くなると思いますが、高卒であっても採用される可能性はありますし、大卒者と同じ条件で働くことは可能です。

理解しておいていただきたいことは、税理士として活躍するためには実務能力が学歴よりも圧倒的に重要だということです。

採用後に、先輩や同僚に同じ大学卒の人がいたら親近感を持ってもらえて多少は働きやすい、というようなことはあると思いますが、仕事をしていく上で学歴が問題になるようなことはまずありません。

学歴よりも税理士試験の進捗状況の方が重要

会計事務所で働く場合、実際には学歴よりも税理士試験の進捗状況が問われる場面の方が多くなるでしょう。

具体的には、税理士試験5科目に合格しているか、科目合格があるなら何科目か、そしてどの科目に合格しているかが問題となります。

なぜかというと、これらの試験勉強がどのぐらい進んでいるかによって、会計事務所職員の仕事のパフォーマンスは大きく変わってくるからです。

会計事務所で3年程度の経験を積めば、税理士試験に合格していなくても、法人税や消費税の申告、所得税の申告(確定申告)や年末調整といった基本的な業務はこなせるようになります。

しかし、仕事をしていく上では複雑な税法の解釈が必要になることもあり、こうした場面で頼りにされるのはやはり税理士試験(あるいは該当の税法科目)の合格者です。

税理士という仕事は日常的に税法の勉強を継続していくことがとても重要な仕事ですから、税理士試験に合格している人は、それだけでも一定の評価を受けられます。

会計事務所で働くなら、少しでも早いタイミングでの税理士試験の合格を目指すのが良いでしょう。

関連記事:税理士科目合格者は転職価値がアップ!

年収に直結するのは学歴や税理士試験合格よりも実務能力

学歴よりも税理士試験の進捗状況の方が重要、という話をしました。
しかし、会計事務所で働きながら、よりたくさんのお給料をもらいたいのであれば、税理士としての実務能力を磨くことがさらに重要です。

税理士としての実務能力とは、会計や税金の計算、申告書の作成ができることだけで評価されるものではありません。
収益に直結するような新規顧問先の開拓(既存顧客からの紹介ということもあります)や、自分が所属する会計事務所に手数料収入が入る節税対策の提案(生命保険への加入など)ができる人は、高卒者であろうが税理士無資格者であろうが、会計事務所では優秀な人材として評価されます。

会計事務所は顧客である中小企業経営者から信頼され、多くの顧問料を払ってくれる関係を築けなければ収益をあげることはできないからです。
将来的に税理士として独立することを目指す人にとっては、独立後はこうした収益獲得のための活動を自分自身で行なっていくことになります。

会計事務所で働くのであれば、自分のキャリアアップのために税理士試験の合格を目指すのももちろん大切ですが、自分の勤務先に利益をもたらすにはどうしたらいいか?を考えながら働くことはより大切なことと言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。税理士の就職先は会計事務所と一般事業会社の経理財務に大きく分かれます。有名大学を卒業している必要がある、高卒でも可などはその開業税理士や企業の考え方・風土によりますので、自分に合った就職先を探すことが重要です。

また、税理士として一番評価されるのは実力です。クライアントがどうしたらより良い経営が行えるのかを考えて行動することで、よい評価に繋がります。税理士受験生においては、勉強の進捗度がどれくらいなのか、合格できそうなのかによって評価が変わってきます。
学歴があろうとなかろうと「働けない」ということはありませんが、より良い評価をもらうためには実力をつけることを意識して動くことが大切です。

会計事務所への転職事情については下記のコラムでも詳しく紹介していますので、是非チェックしてみてください。

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この記事を書いたライター

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