昨今ワークライフバランスという言葉をよく耳にします。会計事務所に勤めている税理士にとっても仕事と私生活をいかにして両立させるかは大きな課題です。
ワークライフバランスを重視して転職を考える人も多いのではないでしょうか?今回は、ワークライフバランスを充実させるために転職する際のポイントについて解説していきたいと思います。
ワークライフバランスとはそもそも何を指すのでしょうか。ワークライフバランスは英語だと“work-life balance”と表記されます。和製英語のようにも見えますが、れっきとした英語です。
この言葉の意味を一言でいうと、仕事とプライベートは相反するものではなく両方が上手くいくことで相乗効果が期待できるということです。
一言にワークライフバランスと言っても人によって重視していることは違うでしょう。趣味の時間を取りたいから残業を少なくしてほしい人、子育て中や介護中だから時短勤務や在宅勤務(リモートワーク)、時差出勤(フレックスタイム制)で働きたい人など、様々だと思います。
ですので、自分なりのワークライフバランスをしっかりイメージする必要があります。
2020年からのコロナウイルスのまん延によって、リモートワークやフレックスタイム制という働き方の認知度や導入企業数は、大きく増加しました。アフターコロナとなり、定時に職場へ出社するという元通りの働き方が可能になった一方で、先述のような柔軟な働き方ができる職場に勤めたいという希望を持つ方は増えているというのが現状です。
会計事務所=激務というイメージは今も根強く残っています。実際、繁忙期の中でも12月から3月の時期は残業が多くなったり、土日の出勤が必要になったりする事務所が今も存在しています。
一方、働き方改革が急速に進められている日本において、会計事務所などの士業業界も働き方改革が求められています。また、士業の転職市場は慢性的な売り手市場となっており、より良い人材を採用すべく、ワークライフバランスの実現が可能な環境を整える事務所が増えているのです。
そんな士業業界において具体的にどんな形でワークライフバランスを実現することができるのか、2つの例を紹介していきます。
将来の結婚や出産を考えている女性にとって、勤めている会計事務所がワークライフバランスに対してどれだけの理解があるかは大事な点です。中には結婚を機にワークライフバランスに対して理解のある会計事務所への転職を考える女性もいます。
先ほど紹介した、働き方改革などの導入により労働環境に無頓着だった会計事務所も徐々に改善を図る傾向が見られており、女性が働きやすい環境がある事務所も多くあります。
具体的には下記のような働き方や福利厚生があると働きやすいと言えるでしょう。
産休や育休の福利厚生が導入されていると、産前産後の収入面でも安心できますし、職場復帰後のサポートも手厚い傾向にあるため、休暇前と同じような仕事ができるか、という懸念も払しょくしやすくなります。
また産後も子育てが続いていくわけですが、子育てしながら仕事をする際、特にネックになってくるのが保育園などへの送り迎えです。その際も時短勤務やフレックスタイム制があると、送迎の時間に合わせて勤務時間を調節できるのです。
もちろん家での子育てが必要になるケースも多いと思いますので、子どもを見守りながら仕事ができる、リモートワークがあるとありがたいという方も多いです。
今後も働き方改革の流れが続き、子育て中の女性が働きやすくなる環境はますます整備されていくでしょう。
会計事務所では、税理士になるために税理士試験の勉強をする方も多いですが、そのような方にとって良い環境と言える働き方や福利厚生は下記が挙げられます。
税理士は難関国家資格であるため、膨大な勉強時間を確保する必要があります。会計事務所に勤めながら税理士を目指すことによって、実務を通じて知識を習得できるというメリットはあるものの、仕事以外の時間での学習も欠かせないため、残業時間が少なく終業後の勉強が可能な環境であるとよいでしょう。
また、独学で合格を目指す方は少なく、予備校や専門学校に通うのが一般的です。働きながら学校に通う方は主に夜間の授業を受けるので、通学する時だけ時短勤務やフレックスタイム制を利用するという選択ができる事務所だと働きやすいといえます。
資格手当については、一科目ごとに加算される事務所も多くあります。全ての科目を取り終わるまで数年かかるケースが多い税理士試験において、科目ごとに昇給していくというのは、予備校への学費なども払わなければならない受験生にとっては、安心できる環境と言えるでしょう。
大手事務所と個人事務所のどちらがワークライフバランス面で充実しているのでしょうか。
Big4税理士法人などの大手会計事務所は、上場企業を初めとする大きなクライアントを多数抱えています。そのため求められるクオリティが高く納期も厳しくなりがちです。収入面で厚遇されるのと引き換えに、繁忙期は長時間労働を強いられ肉体的・精神的な不調を抱えながら仕事をしているケースもあります。
一方で大手会計事務所は福利厚生や休暇制度がしっかりと整備されていることが多いです。しかしこれも事務所によって異なるので下調べが必要です。
個人事務所の場合、所長が全ての事項について決裁権を持っています。もし所長がワークライフバランスに理解があれば、就業条件についてかなり柔軟に対応してもらえるかもしれません。
「時短勤務」、「週3日勤務」などに応じてくれる可能性もあるわけです。
優良な個人会計事務所に出会えれば、自分の理想とするワークライフバランスを手に入れることができるかもしれません。
ここでは、税理士がワークライフバランスを充実できる環境が整っている事務所として、税理士法人TOMOをご紹介します!
税理士法人TOMOは東京都港区に本社を、神奈川県川崎市に支店を構える税理士法人で、「クライアントと共に」を基本理念としています。法人顧問業務や事業承継コンサルティング、相続対策コンサルティング・相続税申告、M&Aサポートなどを行っています。
働く環境としましては、リモートワーク週3日ほど(制限なし)、フレックスタイム制(コアタイム/11時~16時)が利用可能となっております。また休暇につきましても完全週休二日制であり、産休や育休、試験休暇の取得も可能です。
ですので税理士の方にはもちろん、税理士試験の勉強中の方にもオススメの求人であり、複数名の所属スタッフが勉強しながら働いていらっしゃいます。税理士法人TOMOについてもっと知りたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
事業会社は、福利厚生面が会計事務所に比べて充実しているといわれています。また、特に大手企業となると残業時間があまり多くなかったりなど、各種制度も充実している傾向があります。そのため、税理士の資格を持っていてもあえて会計事務所ではなく一般企業に就職する人もいます。
ただし注意しなければならない点もあります。それは福利厚生が充実しているということとワークライフバランスが充実していることは一致しないということです。税理士の資格を持っていることから、責任のある立場にたち業務量が増えるのでどうしても残業が多くなります。
ワークライフバランスと業務時間の関係は切り離せないことを考えると本末転倒になってしまう恐れもあるのです。
また事業会社に転職する場合、会計事務所の場合と比べてどのような仕事内容なのかを注意深くチェックする必要があります。自分の今までの専門を経理職で活かせないケースも多いためです。
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会計事務所や事業会社の労働環境も自分で調べるだけではよく分からないことも多く、自分で転職先を探すのは時間的にも難しいという人もいると思います。そういった方は転職エージェントを利用するのも方法の一つです。
しかしその際に注意しなければならない点があります。冒頭にも書きましたが、ワークライフバランスの定義は人によって異なります。
そのため、自分なりのワークライフバランスをイメージしておく必要があります。そして、それをしっかり人に言葉で伝えられるようにしなければなりません。転職エージェントを利用するにしても、自分の希望をきちんと相手に伝えることができなければ理想の会社に転職することは難しくなってしまいます。
自分が何を重視して、どのようなところに転職したいのか、言語化した上でエージェントに相談してみましょう。