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会計事務所の休日出勤はどれくらい?ブラックな事務所の見分け方

小林雄一
会計事務所の休日出勤はどれくらい?ブラックな事務所の見分け方

会計事務所というと非常に忙しいイメージがあると思います。休日出勤や残業はどれくらいあるのでしょうか。また、どれくらい休日出勤や残業が多いとブラックな会計事務所ということになるのでしょうか。この記事では、休日出勤や残業の多さなどからブラックな会計事務所を見分ける方法について解説します。

会計事務所の繁忙期は

忙しいイメージのある会計事務所といっても、1年中そういうわけではありません。会計事務所には、繁忙期と閑散期がありそれはどの事務所でもほぼ同じです。業界そのものが同じように動いているのですから、当然といえば当然です。

1月から3月が超繁忙期

会計事務所は、例年11月頃から忙しくなり始めます。顧問先の企業から年末調整に関する業務の依頼が入ってきます。
年末調整業務のピークは12月から翌年の1月にかけてです。この業務が完了すると、区市町村に対して住民税額の確定のための給与支払い報告書を提出します。終わると息つく暇もなく、個人事業主から確定申告の業務依頼が入り始めます。特に最近はフリーランサーが増加しているせいか、この業務は増える一方のようです。

各個人事業主は、1年分の帳簿や領収夜書を一度に持ち込んでくるため、会計事務所の処理作業は一気に増加します。従業員の残業や休日出勤が当たり前のようになるのがこの時期です。作業内容は、領収書などの書類整理に始まり、会計ソフトへの入力作業、税務署への確定申告の代行作業と多岐にわたります。
確定申告の作業が終わると、法人税の納税手続に関する代行作業が始まります。日本の企業は3月が決算月の場合が多く、その場合は5月までに決算業務を終えて納税を行わなければなりません。

こうしてみると、会計事務所の繁忙期は例年11月から翌年の5月までといえるでしょう。とりわけ年末調整と確定申告業務が重なる1月から3月が繁忙期のピークといえます。
会計事務所の勤務体系は、規則的とはいえませんが、かといって不規則というわけでもありません。端的にいえば、半年単位で長時間労働の期間と短時間労働(通常の勤務体系)とが交互に繰り返されると考えておけばよいでしょう。

会計事務所の休日出勤や残業はどのくらい

繁忙期以外の会計事務所は、定時出社、定時退社が可能です。しかし、先に書いたように、繁忙期は残業や休日出勤が多くなります。超繁忙期となる1月から3月は、月に2,3日しか休めないという場合も珍しくありません。
残業時間は、少ない人でも月に数十時間、多い人だと100時間を超えるときもあります。

ブラック会計事務所を見分けるコツ

先に書いたように、会計事務所は繁忙期とそうでない時期がはっきりと分かれています。もし、繁忙期以外にも残業や休日出勤が常態化しているようでしたら、それは慢性的な人手不足が原因でしょう。そうなると、意図的に人件費を削減しているブラック会計事務所の可能性があります。
では、どうしたら就職・転職する前に見分けることができるのでしょうか。

繁忙期以外の残業や休日出勤を確認

基本的に繁忙期以外は、残業や休日出勤は生じないものですが、一時的に業務が増加することもあるでしょう。繁忙期以外の残業や休日出勤があるか、あるとしてどのくらいあるのかを確認しましょう。
ブラックな会計事務所は、ここを隠したりあいまいな返事をしたりする場合があります。

離職率を予想してみる

頻繁に求人情報で募集をしている場合は、離職率が高く慢性的に人手が足りない会計事務所の可能性があります。こういう会計事務所は、職場環境に何らかの問題をかかえているため、従業員が定着しないのです。
また、従業員の平均年齢が若い場合も要注意です。平均年齢が若いということは、短期のうちに離職している人が多い可能性があります。

給料面

残業や休日出勤とは直接関係ありませんが、チェックするべきポイントです。給与は求人情報にはっきりと記載されますから、しっかりと確認しましょう。

給与が「応相談」、「経験を考慮」となっている場合には特によく確認をする必要あります。その際に比較対象にするのがいいのが、自分の地域での平均的な給与です。
それと比較して提示された金額が明らかに低い場合は、その会計事務所は避けた方が無難でしょう。

資格取得の勉強は繁忙期を避ける

税理士などの資格取得を目指して、会計事務所で働いている人は多いです。資格取得を目指す人にとって、繁忙期に勉強時間が取りにくくなるのは悩ましいところです。

しかし、ここは繁忙期の勉強は最低限の時間を確保することにして、仕事に注力すると割り切ったほうがよいでしょう。幸いなことに、税理士の試験は毎年8月に行わるので繁忙期を避けることができます。

閑散期となる5月以降に勉強に本格的に取り組むスケジュールを立てるとよいでしょう。また、転職を考えている人も閑散期にするのがおすすめです。転職先でも繁忙期を迎えるまで時間的余裕があるため、比較的楽に業務を覚えることができます。

まとめ

会計事務所への転職をするときには、事前に求人情報をよくチェックし、面接時にもよく確認する必要があります。転職した後にその会計事務所がブラックだと気づいても遅いのです。

この記事を書いたライター

大学卒業後、専門商社(食品専門商社、電子機器専門商社)に19年間勤務。行政書士試験に合格し、現在は開業準備中の士業ライター。分野は受験・勉強法、法律関係を得意とする。
カテゴリ:転職・業界動向

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