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第二新卒での会計事務所への転職はお早めに

ヒュープロ編集部 川辺
第二新卒での会計事務所への転職はお早めに

会計事務所への転職を検討している第二新卒の方が増えています。しかし、資格を先に取るべきかと、転職をためらっている方も少なくないのではないでしょうか。実は第二新卒の転職では、早めに実務に携わろうという姿勢の方が評価される場合があります。
今回は第二新卒での会計事務所への転職について、解説していきます。
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会計事務所の仕事内容について

会計事務所の仕事には、会計に関する仕事と税務に関する仕事があります。未経験から会計事務所に入社した場合は、パソコンへのデータ入力や書類の作成など、税理士補助としてこれらの業務を行います。これらは必ずしも簿記などの資格を取得してからでないとできないものばかりではありません

会計事務所の仕事内容については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

第二新卒に残された時間は少ない

一般的に転職市場において「第二新卒」と呼ばれるのは、年齢的にはおおむね25歳頃までです。4年制の大学を卒業して1~3年ほどまでが目安になります。

第二新卒は未経験からでも転職しやすい年齢層です。なぜなら、経験やスキルより潜在能力や今後の将来性などを見込んで採用を進めていく、ポテンシャル採用を行っている事務所は基本的に第二新卒などの20代をターゲットとしているからです。さらに社会人経験が3年程度だと、それまでの異業界での経験で顕著な差別化が図れないため、第二新卒がより未経験には有利といえます。

26歳~29歳でもポテンシャル採用によって採用されるケースもあるものの、社会人経験が5年前後となりますので、そこでの実績や経験が重視される可能性があります。
つまり年齢だけでいうと、第二新卒と呼ばれる3年前後が最も転職すべきタイミングといえます。ということは、あまり迷っている時間的猶予は無いのです。ことわざでは「急がば回れ」といいますが、第2新卒での転職の場合は「回らず急げ」のほうがうまくいく可能性が高いです。

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日商簿記2級を取るか、転職活動を始めるか

会計事務所の求人の多くが、日商簿記2級歓迎資格もしくは必須資格としています
正直、実際に会計事務所で働くとなりますと、やはり日商簿記2級ぐらいまでは事前に取得しておけると、スムーズに実務に入れます。会計事務所の現場で実務を担うには、新人とはいえ、どうしても最低限の知識が必要になるからです。

一般に日商簿記3級は1~2ヶ月、日商簿記2級は2~4ヶ月が合格までの勉強期間の目安といわれています。日商簿記2級は基本的な資格ではありますが、商業簿記と工業簿記があり、合格するまでにはそこそこの勉強時間を要します。
簿記の試験は年3回行われますが、確実に合格できるとはかぎりません。また、資格を取得しようとしているうちにいつしか転職のタイミングを逃し、第二新卒としてのタイムリミットを過ぎてしまうおそれがあります。

そうなるくらいなら、「資格不問」かつ「未経験者応募可能」の求人を探して応募を始めるというのも一つの手段です。日商簿記2級を持っていなくても、日商簿記3級や全商簿記1級などを既に持っている場合は、「日商簿記2級歓迎」の求人についても応募してみることをオススメします。
資格の勉強をしても、その知識のすべてを実務で使うとは限りません。それに対して、実務をやれば、それはすべて実践知識やノウハウとして自分の中に蓄えられます。実務をこなしながら成長するイメージです。

勉強など事前準備をしたり資格を取得したりすることも大切ですし、できればそれをしてからのほうが万全であることは言うまでもありません。しかし、第二新卒の優位性を活かして思い切って転職してみることを考えてみても良いでしょう。
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転職する時期には注意しよう!

第二新卒の未経験からの転職はなるべく早めにされるのがおすすめですが、会計事務所への転職に関して、ここでひとつだけ留意点を挙げておきます。

それは、転職活動の時期を士業業界の繁忙期と被せてはならないということです。
多くの会計事務所の業務サイクルには繁忙期が存在します。一般的に会計事務所の繫忙期は12月~5月頃であり、年末調整から始まって、年明けから3月頃が確定申告、その後5月末頃までクライアント企業の決算と税務申告があります。

繁忙期に転職活動をオススメしない理由はいくつあります。順に見ていきましょう。

未経験者の選考倍率が高い

繁忙期の士業業界は、多くの事務所が未経験の採用に手を割く暇がなく、膨大な業務を最優先でこなします。一方で、その膨大な業務に対応できる業務経験者は忙しさを解消する切り札として、積極的に採用される傾向にあります。
つまり、未経験の採用や教育に時間を割ける比較的大規模な会計事務所などでない限りは、第二新卒であってもかなり転職成功は難しい状況なのです。未経験採用が行われていたとしても、高学歴有利な資格を持っている方などが優先される可能性があります。

教育や研修がおろそかになる可能性がある

なんとか繁忙期中に入社できたとしても、教育や研修が行き届かないケースもあります。これはその事務所の制度が整っているかどうかはあまり関係ありません。どんなに制度設計がされていても、申告書作成などの業務に対応しなくてはならない先輩社員たちが、教える時間が無い可能性があるからです。
逆に閑散期(繁忙期ではない時期のこと)のタイミングで入社すれば、業務量が多くない為、落ち着いて教育や研修をしてもらえるでしょう。未経験を採用している事務所なら、ある程度の教育環境は整えていると見られます。
「未経験で不安だからしっかり教えてもらいたい」という方は、事務所の教育環境をつぶさに調べるよりも、閑散期に応募する方が近道かも知れません。

入社してすぐ業務量が多くなる可能性がある

繁忙期に入社すると、未経験だとしても出来る業務からどんどんこなしつつ、習得していく必要がある場合があります。即戦力人材を採用する経験者採用と同じく、未経験とはいえある程度戦力になることが求められるのです。このポイントに関しては、短期間での成長を目指す方にとってはメリットと捉えられるでしょう。ただ、多くの未経験者はしっかり教育を施される環境で働きたいと考えているので、オススメとは言えません。

会計事務所で求められる能力とは

会計事務所への転職では、基本的な実務能力性格面について判断されることが多いです。

基本的な実務能力とは、数学がきちんとできること、パソコン操作ができることなどです。数学力といっても、小学校で習うような計算がきちんとできるレベルでとりあえずは十分です。暗算を使う場面もほぼありません。
簿記ではどの勘定科目に分類され、どのように仕訳するかなどの意味を理解して処理することが重要で、計算処理自体はそこまで複雑なものではないからです。ただし、数字に抵抗感がある方はさすがに向いていません。

パソコン操作では、各種データ入力をしたり会計ソフトを使いこなしたりなどに対応できる基本的なITリテラシーがあれば問題ないでしょう。

性格面では、集中力や根気強さ、几帳面さがあるかどうかが、採用の際に重視される傾向があります。お金を扱う仕事なので、誠実な人柄であることは大前提です。

まとめ

第二新卒での会計事務所への転職について、解説してきました。
第二新卒の転職では、なるべく早めのタイミングで転職し、実務を通じてスキルを身につけて行くほうがおすすめです。
会計事務所は人手不足でもあり、若手人材を求めている状況です。会計キャリアに興味があるなら、思い切って転職されてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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