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外資系の経理は内資系とどう違う?外資系の経理へ挑戦するにあたっての心構え

HUPRO 編集部
外資系の経理は内資系とどう違う?外資系の経理へ挑戦するにあたっての心構え

経済のグローバル化に伴い、就職や転職において経理業でも内資系企業だけでなく、外資系企業へも視野に入れる頻度は増えています。では、外資系企業において経理業に就くには内資系と異なる点はあるのでしょうか。今回は、外資系企業での経理について考えていきます。

外資系と内資系の違い

経済産業省の「外資系企業動向調査」では、資本の3分の1以上が外国法人・外国人による出資である企業を「外資系企業」と定義しています。その数は3,217社とされています。(経済産業省「平成29年外資系企業動向調査より)
日本国内の外資系企業を業種別にみた場合、一番多いのがメーカーで全体の40%近くに昇ります。ついでサービス業約15%、情報通信業約11%と続きます。これら3業種だけでも全体の3分の2を占めます。

では、外資系企業と内資系企業の違いは何でしょうか。主に異なる点を3点あげます。

①「UPorOUT」の考え方

専門性を極め昇格を目指していくか、もしくは退職するか、という考え方です。内資系企業では長く勤める年功序列型が一般的ですが、外資系企業では成果を追い求め続けること、価値をアウトプットし続けることが求められます。そのため、どんどん上を目指していくか
外に出ていくかというシビアな考え方が浸透しています。企業が成長していくために社員に求められる姿勢がそのまま表れている一言といえます。

②主体性

外資系企業は内資系企業と比較し、グローバルな場です。つまり働く人の国籍も様々でダイバーシティと言えます。そのため、内資系企業特有の忖度は通じません。以下に主体性を持って意見をし、自身を確立させていくのかが問われます。そのため、より根拠を持って仕事に臨む姿勢が問われますので、数値や根拠に基づいてロジカルに仕事を進める方法が身に付きます。

③成果と個人主義

①②に連動しますが、上記の考え方から、評価の指標がシンプルに成果に紐づきます。様々な人が集まる外資系企業では成果が一番わかりやすい評価軸となるためです。また、個々の価値提供がどうあるかを重要視されるため、チームというより個のほうがクローズアップされやすいです。

## 基本的に求められる経理スキルは変わらない
外資系企業とはいえ、基本的な経理スキルが大きく異なるということはありません。一般的な商業簿記スキルを持ち合わせていれば、あとは外資系企業特有のグローバルな財務諸表、表記、英語(もしくはその本国の言語)に順応するだけで対応は可能と言えます。仮に、内資系企業で経理を経験していたとして、外資系企業が不可かといわれるとそうではありません。基礎的に求められるスキルは同じなので、しっかりその経験を活かし、あとはその外資系企業特有の文化や表記等に対応していけば、十分に通用することができます。

外資系企業特有で求められる経理においてのスキルとは

では内資系企業とは異なり、外資系企業で求められる経理のスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。主に3点に分類することができます。

①ビジネス英語(英語表記えの勘定科目や財務表記)

外資系企業ですので、本国でのやり取り等に英語が発生する頻度が高いです。そのため、英文メールの作成や、英語での電話対応、英語での勘定科目や財務諸表表記が存在します。そのため、一定程度のビジネス英語は持ち合わせておくことがベストといえます。また、役職が上がってくると英語での電話会議等も増えてきます。まずは文面上でのビジネス英語に慣れ、コミュニケーションとしての英語スキルを持ち合わせておくことが良いといえるでしょう。

また、最近では、会計の英語力とIFRSに準拠した簿記を理解しているかを認定する国際会計検定(BATIC)という試験もあります。また、さらに難易度は高いですが「英語+会計」の資格としては米国公認会計士(以下、USCPA)などがあります。これらのグローバル基準の資格試験を受験しておくことで、求められるスキルを取得し、よりグローバルに活躍するチャンスを得ることができます。

②外資系企業特有の文化

1で外資系企業と内資系企業の違いを述べました。それらのような外資系企業特有の文化に慣れ、外資系企業特有の文化の基での経営判断、経営指標に基づいて経理の役割を果たすことは避けられません。より一層、成果が求められる分、経営的数値を扱う経理の役割は大きいと言えます。現場のコスト削減や改善に大きく影響する経理として、財務力もつけて活躍することは、今後のグローバル社会における経理の役割として最も重要と言えるでしょう。

③Excelスキル

意外かもしれませんが、外資企業の経理ではエクセルを使用する頻度はとても多いです。計算シートを作成し、数値について専門的に扱うため、Excelは必須スキルになる、日常業務で避けられないといっても過言ではないでしょう。

外資、内資に大きくこだわる必要はありませんが、外資系企業での経理にチャレンジするというのも、今後のキャリアにおいて果たす影響は大きいです。一度、一つの選択肢として動いてみるのも価値があると言えるでしょう。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:転職・業界動向

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