士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

公認会計士試験-二次試験(論文式試験)の合格率と対策は?

HUPRO 編集部
公認会計士試験-二次試験(論文式試験)の合格率と対策は?

公認会計士試験は難関な国家試験ですが、その試験も1回のみではありません。一次試験、二次試験とその他前提条件等々、様々な試験や条件をクリアして初めて取得できる資格です。では、その中で最初の難関である一次試験(短答式試験)をクリアした後に待ち受ける二次試験(論文式試験)はどういった対策が必要なのでしょうか。今回はそちらに焦点をあてて考えます。

《関連記事》

公認会計士試験の内容

公認会計士試験は年2回の一次試験(短答式試験)、年1回の二次試験(論文式試験)、それらを合格後に「終了考査(三次試験と呼ぶこともある)」があります。晴れて正式に公認会計士として国へ登録することができます。一連の流れとしては以下です。

公認会計士の資格を取得するまで

<公認会計士試験>

一次試験:短答式試験(4科目)※年2回実施(5月と12月)
二次試験:論文式試験(5科目)※年1回実施(8月)

一次試験(短答式試験)を合格した者は、その後二年間は一次試験(短答式試験)を免除されます。
また、二次試験(論文式試験)は科目合格制が導入されており、合格した科目について二年間免除が受けられます。

<実務試験>
実務経験:2年以上の業務補助等の期間(会計関連の職場や監査法人などに従事)
実務補修:一般財団法人会計教育研修機構が実施する実務補習を受け、単位を取得する
終了考査:日本公認会計士協会による修了考査(2日間に渡って朝の10:00~18:30まで)

⒈会計に関する理論および実務 3時間 300点
⒉監査に関する理論および実務 3時間 300点
⒊税に関する理論および実務 3時間 300点
⒋経営に関する理論および実務(コンピューター関連理論含む)2時間 200点
⒌公認会計士の業務に関する法規および職業倫理 1時間 100点

これらの総点数が60%を基準として、いわゆる足切りの可能性がある数値を40%としています。

上記の公認会計士試験及び実務試験を経て内閣総理大臣の確認を受けた者は、公認会計士となる資格が与えられ晴れて公認会計士として働くことが可能となります。

二次試験(論文式試験)の内容は?

公認会計士試験の第一関門を乗り越え、次は年1回しかない二次試験(論文式試験)となります。そこでは何を問われるのかでしょうか。

マークシートで選択式である一次試験(短答式試験)とは異なり、二次試験(論文式試験)は記述式であるため、とにかく選択で埋めることのできるマークシートは全く異なります。

また、一次試験(短答式試験)と同様に足切りが設定されており、一次試験(短答式試験)と同様の40%の基準が存在しています。一科目でもその足切りに引っかかると基準を満たさず不合格となります。

ただ一方、二次試験(論文式試験)は偏差値で合否が決定し、偏差値52が合格ラインとなっています。つまり、高得点を取る必要はなく、地道に点数を重ね全ての科目で平均点を獲得できれば、ほぼ合格となります。このような試験の特徴をつかんだ上で、全体的に満遍なく平均をキープできるようにすること、それが二次試験(論文式試験)で求められることになります。

<試験内容>
必須科目:財務会計論(簿記・財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法、租税法
選択科目:経営学、経済学、民法、統計学 ※この科目から1つ選択

</div>

二次試験(論文式試験)の合格率と対策は?

二次試験(論文式試験)の合格率は35%であり、一次試験(短答式試験)が12%前後であることと比較すると率は高いように見えます。しかし、これにはからくりがあり、短答式試験に受かった同じ年に論文式試験を受けず、1~2年の期間、論文式試験の勉強に専念してから受験をする人が多いからです。単に二次試験(論文式試験)が一次試験(短答式試験)と比べて受かりやすいというわけではないのです。逆にマークシート方式ではなく、しっかりしたアウトプットを求められる記述式ですので、難易度は増すといったほうが良いでしょう。中には短答式に合格したものの、論文式合格に何年もかけている人もいるようですから、その事実からも難易度の高さは伺えます。

試験全体の合格率としては、5%前後(短答式合格率 × 論文式合格率)。
**公認会計士が三大難関国家資格といわれる理由がよく分かる数値です。 **

二次試験(論文式試験)で求められるもの、対策として必要なことは以下の2点に集約できます。

①タイムマネジメント
②丸暗記ではない理解力

①タイムマネジメント

①のタイムマネジメントは試験ですので当然、時間制限が設けられています。一科目あたりの大問数が多いわけではないのですが、記述式ですのでマークシート式のような選択制ができません。

限られた時間内に記載が答えられるよう、ここは地道にトレーニングを重ねるしかありません。あくまで自身のアウトプット能力が試されるため、身体に覚えさせる必要があるのです。

しかし一方、満点である必要はないので、大量の中から基本的な項目は必ずマスターし、記述式で答えられるレベルには達するように準備しましょう。

また、以下に記載の通り、二次試験(論文式試験)は3日間に渡って実施されます。体調管理もキーとなります。

第1日目
監査論(100点満点) 大問2問 120分 10:30-12:30
租税法(100点満点) 大問2問 120分 14:30-16:30

第2日目
会計学(管理会計論)(300点満点) 大問5問 120分 10:30-12:30
会計学(財務会計論)(300点満点) 大問5問 180分 14:30-17:30

第3日目
企業法 (100点満点) 大問2問 120分 10:30-12:30
選択科目(100点満点) 大問2問 120分 14:30-16:30

</div>

②丸暗記ではない理解力

記述式の厄介な点は、丸暗記では太刀打ちできない、という点です。問題はあくまで回答者がしっかり理解しているかを問うてきます。そのため、丸暗記では点数を稼ぐことはできません。基礎的な面に立ち返り、どのような形で出題されたとしても本質を回答できる、それが二次試験(論文式試験)で求められる力となります。

一次試験(短答式試験)が終えた段階から、しっかりと記述式で答えられるよう回答方式を切り替え、時間を意識しながらアウトプットを繰り返し、二次試験(論文式試験)を突破できる力を備えてください。

まとめ

公認会計士2次試験である論文試験は単なる暗記ではなく、本質的な理解ができているのかを等試験です。難易度も短答式より難しいと考えて良いでしょう。
タイムマネジメント・本質的な知識の理解この二つを確実に行い、試験突破を目指しましょう。また公認会計士試験に合格したら実務を得られる環境に飛び込むことも大事です。エージェントや就職支援サイトで求人を探してみましょう!

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:資格試験
    タグ:

おすすめの記事