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経理業務の基本!「出納業務」のうち「入出金管理」について詳しく解説

HUPRO 編集部
経理業務の基本!「出納業務」のうち「入出金管理」について詳しく解説

経理業務の基本は、企業のお金の流れを適切に把握・管理することです。そのうち受け取った現金や預金における「入出金」の管理は、その入金や支払いが適切であるかどうかを含めて管理する「出納業務」の基本となっています。本記事では、入出金管理について、具体的な業務内容を交えて詳しく説明いたします。

経理業務の3つの基本「出納業務」「記帳業務」「集計業務」

経理の仕事では様々な業務がありますが、大きく分けると次の3つの業務が基本となっています。

出納業務:日々の取引から生じる現金や預金の入金や出金、そして現金預金の残高を管理すること
記帳業務:入出金履歴を帳簿や伝票に正しく記帳すること
集計業務:記帳された内容を元に集計を行い、会計期末に決算書類作成を行うこと

出納業務とは?

「出納」とは出し入れという意味です。
出納業務では、現金や銀行口座における現金の出し入れを、毎営業日記録して、帳簿上の残高と実際の預金残高が一致していることを確認します。

それでは、次項から「入出金管理」といわれたら、どのような業務をすることになるのかを具体的に解説していきましょう。

現金による入出金管理

現金による入金の取引と記帳

まず、現金の入金とは、具体的に以下のような取引を差します。
商品を販売してその代金を受け取る(売上高)
会社の口座から現金を引き出して小口現金金庫に入れる(預金から現金への移動)
こうした取引があった際は、かならず仕訳を行い、帳簿あるいは経理システムや会計ソフトへの記入もしくは入力が必要です。

記入例①商品を販売して現金1,000円を受け取った。

(借方)現金 1,000円 (貸方)売上高1,000円 (摘要)(商品名)現金売上

記入例②会社の普通預金から現金を50000円引き出した

(借方)現金 50, 000円 (貸方)○○銀行普通預金 50, 000円 (摘要)○○銀行普通預金引出
※現金入金および現金出金のうち、現金と預金との取引は、二重仕訳とならないように、帳簿作成時おいてどちらかの取引のみを帳簿作成時に反映させる必要があります。

現金による出金の取引と記帳

次に、現金の出金についてですが、手元の現金が減少する取引が現金出金となります。
現金による仕入れ(商品仕入高)
経費や買掛金の支払い(消耗品、交通費、買掛金など)
手元の現金を預金へ預け入れた場合(現金から預金への移動)

記入例①50万円分仕入れを現金で行った場合

(借方)商品仕入高 500,000円 (貸方)現金500,000円 (摘要)(商品名)(仕入れ元名)

記入例②ボールペンなどの文具を1,000円分購入した

(借方)消耗品費 1,000円 (貸方)現金1,000円 (摘要)(店名)(文具名)購入

出金作業で気を付けたいことは、現金管理には「伝票や精算書または領収書と引き換えに現金を出金する。」という重要なルールがあります。このルールを徹底しないと、現金出納帳と現金残高の不一致が、かなりの確率で発生します。担当者は、現金出納業務でわりと多いのは、社員等の経費精算業務だと思います。現金と経費精算書を交換して、その内容を「これは会議費、これは接待交際費」などと記録していくことになります。(最近は預金口座への振込も増えています。)

預金における入出金管理

企業の銀行口座には、日々入出金が発生しますので、それらを正確に記帳していく必要があります。まずは預金口座に入金があった場合です。預金口座といっても、企業によっては口座は1つではなく複数設けられていることがほとんどです。
となると、経理システムや会計ソフトが口座の記録と連動していない場合は、銀行に直接出向いて通帳記帳をするという作業も必要になります。

預金における入金取引と記帳

預金入金は預金残高が増加する取引のことです。実務上では売掛金の入金や売上高の入金のほか、借入金の入金などがあります。
預金における入金については、事前に請求書を発行し売掛金として処理をしていたか、それとも売掛金を管理していなかったものが振り込まれてきたかで処理の仕方が変わりますので注意しましょう。

記入例①●●株式会社より売掛金としていた50万円振り込まれた場合

(借方)○○銀行普通預金 500,000円 (貸方)売掛金500,000円 (摘要)●●株式会社 売掛金

記入例②△△株式会社より、売掛金として管理していなかったお金が50万円振り込まれた場合

(借方)○○銀行普通預金 500,000円 (貸方)売上高500,000円 (摘要)△△株式会社売掛金

預金における出金取引と記帳

預金の出金は、預金の残高が減少する取引のことです。実務上では経費の支払いや、買掛金の支払いなどが該当します。

記入例① 電気代として70,000円が口座引去された場合

(借方)水道光熱費70,000円 (貸方)○○銀行普通預金70,000円 (摘要)○年●月分電気代

記入例②●●株式会社に商品の仕入代金として20万円振り込んだ場合

(借方)仕入 200,000円 (貸方)○○銀行普通預金200,000円 (摘要)●●株式会社 (商品名)仕入れ

※もし、この商品仕入れを買掛金として処理していた場合は以下のようになります。

(借方)買掛金 200,000円 (貸方)○○銀行普通預金金200,000円 (摘要)●●株式会社 (商品名)買掛金支払

入出金管理はお金の出入りに伴う必要書類のチェックを忘れずに

会社のお金の出入りを管理するということは、記録するだけでなくその根拠となる必要書類についてもきちんとチェックしなくてはなりません。
例えば、入金については、先方への請求書をチェックの上、振込みがなされなかったら、その督促を含めが業務までが入出金管理となる場合もあります。
また、支払いについては、振込み明細や請求書、経費立替の領収証や、そもそもの承認の手続きをきちんと踏んでいるかというプロセスチェックも必要です。
支払遅延の場合は、会社の信用問題にも関わります。取引先によって経理の締日などの請求スケジュールは異なりますので、請求書の内容を確認の上、スケジュールに沿った内容で振り込み手続きをする必要があります。

単なる通帳と仕訳伝票の記帳のみではなく、お金の出入りは会社に取っての重要業務。業務の幅は会社によって異なりますが、そのお金の出入りの根拠も含めて見られるようになっていくのが、経理のプロへの道筋と言えるのではないでしょうか。

この記事を書いたライター

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