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日商簿記1級は難しすぎ?何が難しい?簡単?難易度を解説!

Hupro Magazine編集部 剱持
日商簿記1級は難しすぎ?何が難しい?簡単?難易度を解説!

日商簿記1級は難しすぎるという声があります。その一方で簡単であるという声があります。

この記事では簿記1級の難易度・合格率や何が難しいか、勉強方法などについて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

日商簿記1級は難しすぎ?何が難しい?簡単?

日商簿記1級は難しすぎ?何が難しい?簡単?

簿記1級の合格率は近年の傾向を見ると10%ほどとなっています。こうした低い合格率が、日商簿記1級が難しすぎと言われる理由の一つになっています。

一方、簿記1級の合格率が低いことや、出題範囲が広く深いことは事実ですが、実は簿記1級の合格は公表されている合格率ほど難しくはないと考えられています。

その理由の筆頭は、正しい勉強方法で勉強をして試験に挑んでいる人が少ないためです。

反対に言えば、正しい勉強方法さえ知って、実践できていれば、簿記1級の合格はそれほど難しくはないといえるのです。

簿記1級の難易度は?

では簿記1級の難易度は実際どれくらいなのでしょうか?ここでは主に2級との比較で考えてみましょう

簿記2級から難易度が格段に上がる簿記1級

簿記2級は例年10%台のこともありますが20%台のこともあります。それに対し、簿記1級は少なくとも過去7回の中ではすべて10%台でした。

合格率の観点では、簿記2級よりも簿記1級のほうが明らかに難しいと言えるでしょう。

簿記1級と簿記2級統一試験の合格率

参考:受験者データ|商工会議所の検定試験

膨大な試験範囲の1級

さらに、試験内容を見ても、簿記2級に比べて簿記1級の難易度が上がっていることは簿記をある程度学んでいる人であれば、理解できるでしょう。

簿記2級においても試験範囲となっていた商業簿記工業簿記のほかにも、会計学原価計算という2つの科目が増え、合わせて4科目が試験対象となります。

また、それぞれの科目の範囲も広がり、より深い理解力が求められるのです。

2級に比べるとテキストのページ数は2倍~3倍にもなりますが、試験時間は合計180分。つまり、実際に学んだ事のごく一部しか出題されないということになります。

大企業の経理・財務担当者を対象にしているので、海外支店や子会社に関する論点や、設備投資や経営における意思決定など、大きな金額が動く際の論点などが加わっています。

簿記1級の合格基準

試験では4科目合計して70%以上の正答率がなければ合格にならず、更にそれぞれの科目で40%以上の正答率がないといけない、ハードな試験内容になっています。

つまり全体で70%以上正解したとしてもどれかの科目で40%を切ってしまうと不合格になってしまうのです。

さらに工業簿記や原価計算では、1問目の解答をもとにして以降の問題を解くかたちの出題方法のため、1問目の解答が間違っていればすべて不正解となってしまう恐れがあります。

つまり、簿記2級までは獲得できていた部分点は、簿記1級では通用しないということなのです。

もともと簿記1級を受験するという人は、公認会計士などを目指す人もしくは、簿記検定の2級を突破して来た人と考えると、全くの初心者ではありません。

ちゃんと知識を身につけているレベルの高い人が受験しているにも関わらず、この合格率ということは、簿記1級の難易度の高さが伺えます。

簿記1級の正しい勉強方法とは?

簿記1級の勉強方法、具体的には仕訳の暗記方法や理解の方法は、簿記2級までの勉強方法とそれほど変わりません。簿記1級から変わるのは、勉強に対する取り組み方です。

勉強時間をしっかりと確保する

簿記1級に限ったことではありませんが、**試験不合格となっている人は、ほとんどが勉強不足です。

**</span>社会人での受験はとにかく勉強時間の確保が難しいのですが、勉強時間を確保することが合格の必須条件とも言えるほど、1番重要なことです。ちなみに簿記1級に合格するためには、最低700時間の勉強時間が必要だとされています。

ただ、これもとりあえず700時間勉強をしたから合格するというものではありません。例えば、6ヶ月かけて勉強をするのであれば700時間でいいのですが、1年かけて勉強するのであれば1,000時間は必要だと考えておきましょう。

つまり、勉強期間を延ばせば、それだけ勉強すべき時間は増えるのです。そして、「大変だな、嫌だな、やりたくないな」と感じながら、ただ700時間勉強をしていても意味はありません。これだけは肝に銘じて簿記1級合格を目指しましょう。

毎日コツコツと勉強を継続する

社会人の受験生に多いのが、週末の時間を使ってまとめて勉強をするという勉強方法です。しかし、これも、ただ700時間勉強したから合格するものではない間違った勉強方法だといえます。

なぜなら、土日でたくさんの知識を身につけたとしても、平日に復習をしなければ、次の土日までその知識は頭に残ってはいないからです。

つまり、かなり非効率的な勉強をしていることになります。<span class=’highlight’>毎日少しの時間であっても、継続して簿記に触れておく</span>、これが重要になります。

資格スクールを利用する

簿記3級や簿記2級までは、独学でも合格することはそう難しくはありません。しかしながら、冒頭でもお話したように、簿記2級と簿記1級の難易度には大きな開きがあります。

より詳しくお伝えすると、簿記2級までは理解できなくても丸暗記をしておけば合格することもできるのですが、簿記1級になると正しい理解をしているかどうかが問われるのです。

簿記1級の試験内容はとても難しいです。そのため、独学で勉強をしていても、どうしても理解できない部分がでてきてしまいます。この部分をサポートしてくれるのが、資格スクールです。

お金を支払う必要はありますが、講師から解説を受けた方が、はるかに理解度は高く、学習時間も短縮できます。

簿記1級の勉強は独学でも不可能ではありませんが、資格スクールを活用した方がより効率的に勉強できるでしょう。

まとめ

簿記1級の合格率が低いことは確かです。また、簿記2級と簿記1級の難易度に大きな差があることも事実です。けれど、簿記1級が合格率10%といわれるほど難しい資格なのかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。

正しい勉強方法を毎日継続して行うことで、簿記1級への合格に近づいていきますので、ぜひ戦略的に学習方法を見直し、試験に挑んでいただきたいと思います。

さらに詳しく簿記1級の勉強法が知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:資格試験

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