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預金管理とはどんな仕事?経理が知っておくべき業務のポイント

HUPRO 編集部
預金管理とはどんな仕事?経理が知っておくべき業務のポイント

預金管理は、経理スタッフが担当する業務の中でも非常に重要な業務の一つです。この記事では、経理スタッフが知っておくべき預金管理業務のポイントについて、具体的な事例をあげながら解説していきます。これから経理担当者としてキャリアを築いていきたい方はぜひ参考にしてみてください。

預金管理とはどんな業務?

預金管理とは、その名の通り会社が持っている銀行預金を管理する仕事です。
具体的には、以下のような業務を指します。

・会社の実際の預金残高と、帳簿上の預金残高があっているかをチェックする
・取引先からの売上入金や仕入れの経費支払いを預金から行う
・手形や小切手などの管理を行う
・預金残高の常に把握し、将来的に不足が生じないように資金繰りを管理する

つまり、預金管理とは「会社には今、どのぐらいのキャッシュがあるのか?」を管理することを指します。支払いに必要なキャッシュが無くなることは、すなわち会社の倒産を意味しますから、経理の仕事として非常に重要なものと言えます。

インターネットバンキングを使った総合振込や給与振込

近年では預金管理業務はインターネットバンキング(インターネットを介した銀行取引)なしには成り立たなくなっていると言えます。インターネットバンキングを使えば、事前に指定した日に総合振込(複数の支払いを1回の処理で行える操作)や給与振込を行うことも非常に簡単に処理することができます。

処理方法が単純になっている分、処理に関わる人の操作ミスによって大きな金額の処理間違いが生じる可能性もあります。そのため、多くの企業ではインターネットバンキングの利用については経理スタッフの処理に対して経理部門の管理者が電子的な手段を用いて処理の承認を与えるという2段階・3段階のチェック体制を導入しています。
インターネットバンキングによって預金管理業務は非常にスムーズになっていますが、実際に会社の現預金を動かす行為では間違いが許されませんから、複数人の管理体制のもとに処理を行っている企業が多いというわけです。

手形・小切手の管理

広い意味での預金管理業務には、手形や小切手を管理する業務も含まれます。手形や小切手は、近い将来に預金への受払という形で決済されますので、預金管理の業務と合わせて処理するのが効率的だからです。

具体的には、手元にある手形や小切手の取立て等を適時に行い、その都度帳簿へと記録することが経理の担当業務となります。手形や小切手が支払日において預金からの引き落としができない事態のことを「不渡り」と呼びますが、1つの企業が不渡りを2回出してしまうと、金融機関との取引が強制的に停止されてしまいます。

不渡りを出すことはその企業の対外的な信頼を決定的に傷付けることになります。多くの企業にとって、不渡りを出すことは実質的な倒産を意味しますから、経理担当者はこうした事態が生じないように常に気を配っておく必要があります。

簿記検定の勉強内容等では約束手形と為替手形の2種類を学びますが、日本国内では為替手形が利用されることは滅多にありません。そのため、日本国内の取引で単に「手形」といった場合には、通常は約束手形のことを指します。もっとも、国外企業との輸出入取引では為替手形を用いることもありますから、その基本的な仕組みについて理解しておくことは大切です。

預金管理業務の今後

上で見たように、近年においてはインターネットバンキングが非常に発達しています。こうした最新の決済手段と比べると、手形や小切手は有価証券の現物を扱わないといけない分だけ管理にリスクが伴います。
そのため、手形や小切手といった支払い手段は使用頻度が少なくなっており、今後ますます減少していくのは間違い無いでしょう。実際、近年では「手形や小切手の現物を見たことがない」という経理担当者の方も少なくないです。
さらに、今後は仮想通貨やICカードを用いた電子決済手段の流通が加速していくものと思われますので、経理担当者は最新のサービス動向について理解しておかなくてはなりません。

預金出納帳

預金管理に関する取引は、預金出納帳という補助帳簿に記録されます。預金出納帳は、取引金融機関ごとに預金取引の内容を記録した帳簿です。例えば、取引銀行として銀行A・銀行B・銀行Cと3社があったとしたら、預金出納帳も3つ作成することになります。

なお、預金出納帳は、通常は会計ソフトの1つの機能としてデータが自動的に作成されます。預金出納帳を見ると、一定期間における預金の出入りが一目瞭然にわかりますので、使途が不明瞭な出入金が生じないように常にチェックするのに活用できます。

また、出入金の予定日を合わせて会計ソフトに入力しておけば、近い将来に資金不足が生じないかどうかを管理するのにも役立ちます。資金繰りを予想し、経営者に対して適時に情報を提供することは経理にとってもっとも重要な仕事の1つといえます。資金繰りの不足が生じる可能性がある場合には、金融機関からの融資を受けることも検討しなくてはなりませんから、常に緊張感を要する業務と言えます。

まとめ

今回は、経理担当者の預金管理に関わる業務について解説しました。預金管理は会社の資金繰りに関わる重要な仕事といえます。多くの企業では複数人の関与とチェック体制のもとに業務を処理していますが、間違いが生じないように常に慎重な処理を行うようにしましょう。これから経理に関わる仕事に携わる予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いたライター

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