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デリバティブ取引とは?3つの種類とメリット・デメリットを解説

HUPRO 編集部
デリバティブ取引とは?3つの種類とメリット・デメリットを解説

現在は自己責任の時代になっており、的確に金融商品を選ぶことが必要になっています。一方、個人向けの金融商品としても新しいデリバティブ取引が登場してきています。今回はデリバティブ取引とは何か、またデリバティブ取引の種類について解説していきます。

デリバティブ取引とは?

金融商品としては株式、預貯金、外国為替、債権などがありますが、このような金融商品のリスクを少なくしたり、高い儲けをリスクを覚悟して追及したりする方法として考えられたのがデリバティブ取引です。

デリバティブ取引としては、基本的に、ベースになる金融商品について、前もって将来取引することを約束する先物取引、前もって将来取引する権利を売買するオプション取引などがあり、さらにこのようなものを組み合わせたいろいろな取引があります。

デリバティブ取引はそれぞれのベースになっている金融商品と関係が強いので、デリバティブ取引は、一般的に金融派生商品などといわれています。

対象の商品によって、債券デリバティブ取引という債券価格と関係があるもの、金利デリバティブ取引という金利のレベルと関係があるものなど、金融デリバティブ取引のオーソドックスなものから、最近は、新しい降雨量や気温に関係する天候デリバティブ取引のようなものも登場しています。

日本ではデリバティブ取引の取引高は横ばい状態ですが、海外ではデリバティブ取引市場は拡大しています。まず取引される商品の種類が増えたこと、取引の国際化が進んでいること、さらにIT技術発展により取引の利便性が上がったことなどが取引拡大の要因として挙げられます。

デリバティブ取引の種類とは?

デリバティブ取引は、オプション取引や先物取引などが代表的なものですが、ユーザーのいろいろなニーズに対応するために、さまざま考案されており、資産の効率的運用やリスクヘッジなどの方法として幅広く利用されています。
デリバティブの種類は、先物取引スワップ取引オプション取引に分類されます。

先物取引

先物取引というのは、一つの商品について、現時点においていくらで将来の一定期間後に取引するかを約束するものです。農産物のように価格が豊作・不作や天候によって変わりやすい取引からもともとはスタートし、現在も、先物取引はいろいろな農産物で行われています。

また、金融先物取引という金融商品が対象のものもあります。通貨先物というある国の通貨を他の国の通貨に換えるときの為替相場が対象のもの、債権先物取引という債券が対象のもの、株価指数先物取引という日経平均のような指数が対象のものなどがあります。

スワップ取引

スワップというのは換えるという意味で、デリバティブ取引としてのスワップ取引は違った性質の支払い義務などを換えるものです。代表的なスワップ取引としては、金利スワップ取引という金利が対象のもの、通貨スワップ取引という為替相場が対象のものなどがあります。

例えば、A社とB社が金融機関から融資を受けているとしましょう。金融機関にA社が支払うのは固定金利で、B社が支払うのは変動金利です。また、A社は「金利はこれから間違いなく下がる」と考えており、B社は「金利がいつまでも同じ方が安心である」と考えています。金利スワップ取引は、このようなときに利用します。B社の代わりにA社が変動金利を、A社の代わりにB社が固定金利を支払うという契約をします。

オプション取引

オプション取引は先物取引と同じようなものですが、一つの原資産に関して、ある価格で将来の一定期間後に取引できる権利を売買するものです。

先物取引と同じように、通貨オプション取引という為替相場が対象のもの、債券オプション取引という債券が対象のもの、株価指数オプション取引という株価指数が対象のものなどがあります。一定のオプション料を支払うと権利を購入することができます。基本的に、権利を売買するため放棄することもできますが、オプション料は戻ってきません。不動産契約などの手付け金と同じような考え方です。

具体的なケースで説明します。
貿易業者として1万ドルの代金を3ヶ月後に受け取るとしましょう。現在の為替相場は1ドルが100円ですが、相当激しく変動して先行きがわからないときに、オプション取引を通貨を対象にして利用します。

例えば、取引としては「今から3ヶ月後に、ドルを1ドルが100円で売却して円が購入できる権利」を買うようなものです。
もし実際の相場が3ヶ月後に1ドルが90円になれば、権利を行使する方がお得です。
1ドルが100円で1万ドルを売った場合、100万円が入手できます。また、1ドルが110円になったときは、権利を放棄する方がお得です。1ドルが110円で1万ドルを売ると、110万円が入手できます。
しかし、支払った手数料はこのときは無駄になります。

手数料や相場の動きを見比べて、権利をお得になるときのみ行使して、権利を損するときは放棄できることが大きなオプション取引のメリットです。ここでは、原資産の価格が変わるリスクを避けるためのデリバティブ取引についてご紹介しましたが、クレジットデリバティブ取引という会社が経営破綻するリスクが対象のもの、天候デリバティブ取引という天候の不確実性が対象のものなどがあります。

デリバティブ取引のメリット・デメリット

デリバティブ取引のメリットとして3つ挙げられます。まず、将来相場が変動するリスクを避けられる点は大きな魅力でしょう。株式相場が下落した場合でも、先物取引によって下落のリスクを免れることができます。

また、デリバティブ取引は、先物取引の場合は証拠金、スワップ取引であれば金利のみ、オプション取引ではオプション料という形で元本の全てを払う必要はありません。そのため、少ない資金で多額の取引ができます。さらにデリバティブ取引によって上記のような多様な取引を実現しているのもメリットと言えるでしょう。今後の市場、顧客のニーズに応じて金融商品の種類は増加されることが予想されます。

一方でデメリットとしては、メリットの裏返しになりますが、デリバティブ取引はレバレッジを効かせ、実際の資金より多くの額を取り扱うことができるため、その分株価変動時のリスクもあります。また、取引の複雑化や高度化により一般投資家にとっては理解が難しい部分も多くあると言えるでしょう。

まとめ

以上、デリバティブ取引について説明しました。デリバティブ取引は、先物取引、スワップ取引、オプション取引の3つに分類されます。それぞれきちんと理解できましたでしょうか。デリバティブ取引はリスクも当然ありますので、まずはきちんと概要を理解することから始めてみましょう。

この記事を書いたライター

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