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社会保険料の控除には領収書が必要?

HUPRO 編集部
社会保険料の控除には領収書が必要?

給与明細に記載されている健康保険や厚生年金などの社会保険料。社会保険料については支払った金額に応じて所得控除を受けることができます。一般的に控除申請時には領収書が必要ですが、社会保険料の手続きはどうなっているのでしょうか?本記事では社会保険料と領収書の関係について詳しく解説します。

社会保険とは?

「社会保険」は良く見る言葉ですが、その意味を改めて聞かれると、はっきりと答えられない人も多いのではないでしょうか?
社会保険とは1つの保険ではなく、具体的には以下のものの総称です。

・健康保険料(国民健康保険や健康保険など)
・年金(国民年金保険料や厚生年金保険料など)
・雇用保険
・介護保険(満40歳以上)
・労災保険など

より詳しい内訳はこちらに詳しくあります(国税局HP

社会保険料については、支払った金額について所得控除を受けることができます。これを「社会保険料控除」といいます。社会保険料控除は自分自身だけでなく、配偶者や親族の社会保険料を負担している場合も受けることが可能です。

社会保険控除とは

社会保険料控除とは、自身の社会保険料または、配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を納めたときに、支払った社会保険料を所得税・住民税の対象となる所得金額から控除できる制度のことです。
社会保険料は、1年間におさめた保険料の全額を控除することができます。
所得は、収入の金額から必要経費を差し引いた金額のことで、売上の金額とは異なります。仮に売り上げが500万円あり、経費が200万円だった場合は、残りの300万円から社会保険料を差し引きます。
所得控除が増える分、支払う税金が減るので、社会保険料については家族の中でも最も収入が多い人が負担する方が、世帯にかかる税金を減らすことができます。
例えば、親、配偶者や子どもの健康保険や年金についても、給与天引きされるもの以外はまとめて支払うなどすれば、所得金額を減らすことができるのです。

社会保険料控除の手続きに領収証は必要?

年末調整、もしくは確定申告にて、その年に支払った社会保険料控除の申告を行います。

年末調整の場合、給与天引きとなっている厚生年金や健康保険組合の保険料などについては特に添付すべき書類はありません。しかし、自身で確定申告を行う人、もしくは年末調整対象者でも、家族の国民年金を支払っていたり、年度の途中入社の方で、自身の国民年金や国民健康保険の控除をしたりする場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」などの書類を提出する必要があります。

支払った社会保険料を申告する場合は、その金額がわかる書類を提示する必要がありますが、領収証が必要かというと、必ずしも必要ではありません。

(1)国民健康保険料の年末調整もしくは確定申告について

まず、社会保険料のうち、国民健康保険には、控除証明書はありません。(自治体によっては支払額の通知書を発行してくれるところもあります。)そのため、収めた金額の合計を申告書に記載するだけでOKです。もし、勤務先から国民健康保険料の払い込みを証明する書類を求められた場合は領収証を添付しましょう。もし領収証を紛失した場合は、役所に申請することで、「納付済額確認書」を取得できますので、そちらを添付します。

(2)国民年金・国民年金基金の年末調整もしくは確定申告について

次に、国民年金・国民年金基金ですが、こちらは、控除証明書(ハガキ)が日本年金機構から送付されてきますので、それを添付します。
年末調整の場合は、他にも所得控除するものがないかを問われます(生命保険料や存在保険料、医療費控除など)ので、その際に一緒に金額を書いて申告しましょう。

・社会保険料(国民年金保険料・国民年金基金) 控除証明書発行タイミング
(1)1月から10月上旬までに国民年金保険料を納付した: 10月末~11月初旬に送付
(2)10月以降に本年初めて納付した: 翌年2月初旬に送付

もし、控除証明書を無くしてしまったら、再発行が可能ですが、再発行には時間がかかりますので、その場合は領収書(領収印のあるもの)を添付します。

必要書類が年末調整の書類提出期限に間に合わなかったら

社会保険料控除においては、以下の添付書類が必要となる場合があります。

・国民健康保険:確定申告では添付書類不要だが、年末調整において必要書類を求められた場合は、領収証もしくは「納付済額確認書」(管轄の市区町村に確認)を添付
・国民年金・国民年金基金:控除証明書(ハガキ)を添付。紛失の場合は再発行可能だが、間に合わない場合は領収証を添付

つまり、いずれの場合においても領収証は2番手の扱いです。支払の記録という意味もあるので、もちろん無くさないに越したことはありません。大事に保管しておきましょう。領収証自体の再発行は行っていないので注意してください。

また、上記の書類がいずれも見つからず、年末調整の必要書類提出期限までに再発行も間に合わなかった場合は、手間がかかりますが、必要書類を揃えてから翌年に確定申告をするという方法もあります。

この記事を書いたライター

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