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オフバランス取引とは?メリットや取引例を紹介

HUPRO 編集部
オフバランス取引とは?メリットや取引例を紹介

取引にはさまざまなものがありますが、そのなかのひとつとして「オフバランス取引」というものがあります。では、オフバランス取引とはどのような取引なのでしょうか。また、このオフバランス取引を選択することによるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

オフバランス取引とは?

オフバランス取引とは、賃借対照表に計上をされない取引を指します

オフバランス取引は、別名「薄外取引」とも呼ばれています。元本を想定し取引されるのですが、実際に元本に当たる資金の授受が行われるわけではありません。つまり、バランスシートに記載をせずに会計処理を行う取引なのです。

オフバランス取引とは、正確にはオフバランスシート取引といい、賃借対照表より外れている(オフしている)という意味を指します。元本を必要とするこれまでの取引(オンバランス取引といいます)と比べ、元本となる資金が不要であるため、投下貸本に対しての利益の割合が大きく向上するのです。

オフバランス取引が含まれている主な取引とは?

オフバランス取引として代表的なものとしては、オプション取引、スワップ取引、金融先物取引、債務保証行為、先物外国為替、リース取引といったものがあります。それでは、それぞれの取引の特徴を解説していきましょう。

オプション取引

オプション取引とは、一定期間内や一定期日において、最初に決定された価格(権利行使価格)によって買う権利(コールオプション)や売る権利(プットプション)を売買するという取引です。

オプション取引には、買う権利(コール)と売る権利(プット)があり、それぞれが売買されます。また取引の対象物によって、席ものオプション、現物オプション、または取引所に上場されているのか店頭取引なのかなど、細分化されている取引です。

スワップ取引

スワップ取引とは、*将来の資金の受取や支払いといったものを交換する取引*のことをいいます。企業は、金利動向や為替に合わせ、その時に最適であるとされるスワップを繰り返すことによって収益を上げることができます。

ちなみに、円と円、またはドルとドルという同じ通貨でスワップを行う場合は金利スワップ、円とドル、または円とユーロといったように異なる通貨でスワップを行う場合を通貨スワップといいます。

スワップ取引についてはこちらのコラムでも詳しく説明していますので、さらに知りたいという方はご覧ください。

債務保証行為

債務保証行為とは、信用力がなく担保のない個人や法人、そして団体などが資金を借り入れる(債務)を行う際に、その資金の返済を第三者が代わりに保証をするという行為のことをいいます。

つまり、借り手が何らかの理由によって借入金を返済できないような場合は、第三者である保証人が代わりに返済をしなければいけません

現在は金融機関または親会社が債務保証をするケースが目立ちます。また、債務保証をする場合には、保証者は債務者より一定の手数料を受け取ります。

先物外国為替

先物外国為替とは、外国為替の先物予約のことを指します。将来の一定期日や一定期間を予約の実行日や期間と決めておき、銀行と外貨の決算をする為替レートを前もって取り決めておくという為替売買取引のことです。

オプション取引に似ている取引だといえますが、オプション取引の場合は、特定の期日に売るまたは買うという権利を売買するという取引であり、権利の行使をするのか放棄をするのかという選択をすることが可能です。

これに対して先物外国為替取引は、一旦予約をすると取り消すことは原則不可能で、期日に予約の実行をする義務が生じるという違いがあります。

リース取引

リース取引とは、対象物の所有者である貸し手が借り手に対して、一定期間の間、対象物を使用するという利益を与え、代わりに借り手はリース料を貸し手に支払うという取引のことをいいます。

リース契約の内容によって「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」に分けられますが、企業が利用する取引は大部分がファイナンス・リース取引となっています。

金融先物取引

金融先物取引とは、預金や通貨、債券、株式指数などを対象とし、ある期日に商品を売買するという契約を現時点にいて取り決める取引です。預金や債券の将来での価格や金利を事前に確定するという取引ですが、実際には、決算の期日とされる日までに売買の反対取引を行って、売買価格の差額のみを決算するという方法が一般的に行われています。

オフバランス取引は縮小傾向にある

オフバランス取引は、バランスシートをスリム化できることや資産の効率化を行えるため、積極的に使われてきました。どういうことかと言うと、企業の資産をバランスシートに記載しないということは、そのまま計上した場合に何らかのリスクがある取引の資産や負債を消すことになり、企業価値を高めることに関係します。

しかし、見えない取引が行われることにより、企業の取引実体を掴めにくいという問題があります。そこで、かつてはオフバランス取引されていた取引も、いまでもオンバランス取引されていることが多くなってきています。

先ほど説明した先物取引やオプション取引、スワップ取引なども会計基準の原則に沿って、現在は貸借対照表に時価評価額が計上されるようになりました。

つまり、オフバランス取引は、健全な会計上行うのは問題はないですが、全体としては縮小傾向にあります

まとめ

オフバランス取引は企業の賃貸対照表に記載がされない取引のことを指し、実質的な資金のやりとりは行わずに進められてきました。企業としても企業の価値を高めるために、あえてバランスシートに計上をしないで会計処理を行うことにメリットがあったのです。

しかし現在は、オフバランス取引の需要は減少しており、オンバランス取引が増えてきています。もしそれでもオフバランス取引を行う場合は、財務諸表の記載ルールなどを守り、きちん情報を開示したうえで取引する必要あることを理解しておきましょう。

この記事を書いたライター

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