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粉飾決算の事例を公開!株主はどうすればいい?

HUPRO 編集部
粉飾決算の事例を公開!株主はどうすればいい?

企業における粉飾決算のニュースは世間に大きな衝撃を与えます。2019年に発覚した日産の粉飾決算も同じく、多くの人を驚かせました。

日産だけではなく一部企業で粉飾決算は行われており、その度に投資家が損失を被っています。今回は、粉飾決算の事例をいくつかご紹介しながら、その際の株主の対応について解説していきます。

そもそも粉飾決算とは?

粉飾決算とは、企業が投資家向けに報告をしなければならない有価証券報告書を不正に作成し、実際の利益よりも水増しをして報告をしたり、赤字の隠蔽をおこない健全な企業であると偽った報告がされることをいいます。

もちろん金融商品取引法によって、投資家を守る規定は定められています。「粉飾決済によって虚偽の報告を企業がした場合には、開示義務に違反しているとみなされることとなり、関与したとされる役員そして監査法人は責任が問われる」と、金融商品取引法第24条第1項に記されています。

多くの投資家が粉飾決済により損失を被ることになるのです。

有名な粉飾決済の事例

上場企業の粉飾決算ともなれば、多くの投資家に大きな損害を与えます。ここでは、実際に起こった粉飾決済の事例を3つ確認していきましょう。

オリンパス事件

2011年にオリンパス株式会社において起きた粉飾決算の事例です。本当は巨額の損失があったのにもかかわらず、「飛ばし」と呼ばれる手法をつかって、10年間にも渡って損失を隠蔽し続けていました。

粉飾に関与していたとされる会長は辞任し、オリンパス株式会社は上場廃止の危機にまで追い込まれたのです。もちろん株価も急落し、粉飾決算が発覚する前には2,400円だった株価は、発覚後には424円まで下がり、最安値を更新しました。

ライブドア事件

2004年にはライブドアで粉飾決算が発覚しました。当時は堀江貴文社長もメディアで活躍していただけあり、世間に大きな衝撃を与えたものです。

ライブドアの粉飾決算は、有価証券報告書に虚偽の記載があったというものでした。粉飾決算が行われていたかどうかという捜査は、通常であれば破綻をした企業を対象に行われる事が多いのですが、破綻もしていないライブドアが捜査対象となったことでも大きな話題となりました。

このように異例の捜査が入った要因としては、前年度の決算書と比べた際、粉飾決算が行われた年の利益が異様なほど大きかったことが挙げられます。

当時のライブドアの株価は時価総額で7,300億円ほどといわれており、東証マザーズ証券の10%を支えていましたが、この粉飾決算が発覚したことにより、ライブドアは上場廃止へと追い込まれるかたちとなりました。

東芝事件

東芝の粉飾決算は2015年に発覚しました。東芝は不正会計を行い、2,306億円もの利益の水増しをしていたのです。

東芝がこのような粉飾決算をしてしまった理由としては、うまく利益を得られなかったパソコン事業などの内情を、株主や投資家に隠したかったからだといわれています。

パソコン事業を始め、全体の経営が悪いという事実が世間に知られれば、株主よりリストラを命じられることも考えられます。東芝としては、そのような状況を避けたく、利益を多く見せるようなことをしてしまったのです。

粉飾決算の事例からわかる手口とは?

このような粉飾決算の事例を見ていくと、見えてくるものがあります。ひとつは、業績を現在よりも良くみせる手口、そして反対に業績を悪くみせる手口です。

業績を良く見せる粉飾決算の手口

通常の業績よりも良く見せたいという思いから行われる粉飾決済には、株主や取引先に対し、自社の経営が順調であることを示したいために行われる傾向があります。

具体的な手口としては2つです。
売上の過大計上
⇨本来はない売上があったかのように見せるものです。

費用の過少計上
⇨来は発生をしている費用を隠すというものです。

業績を悪くみせる手口

業績は良くみせた方がいいのではないかと思われがちですが、実は、業績を悪くみせることにより、脱税が可能となります。税金は、企業の業績が好調であればあるほど高くなるので、このようにあえて業績を悪くみせようとする企業がでてくるのです。

具体的な手口としては2つあります。
売上隠し」です。
⇨本来は計上されるべき売上を隠すことをいいます。

費用の水増し」です。
⇨架空経費などを記載し、必要経費がたくさんかかったことにより、利益が少なくなったと見せかけるのです。

粉飾決算が発覚した場合、投資家はどうすればいい?

粉飾決算が発覚した場合は、株主で集結をし、集団訴訟を起こすことができます。集団訴訟を起こすメリットには以下のようなものがあります。

株主同士は団結しやすい

粉飾決済に対して憤りを感じている投資家は多いものです。だからこそ、株主同士は集結しやすく、集団訴訟を起こしやすくなります。

集団の規模が大きければ有利になる

ひとりの株主が大手企業を相手に訴訟をしても、勝訴できる確率は低いでしょう。また、精神面においても費用面においても、大きな負担となるに違いありません。

そんな中で集団訴訟を起こすことができ、大人数の投資家が訴訟を起こすことができれば、大手企業とも戦うことができます。社会的にも大きな影響を与えることも可能でしょう。

まとめ

粉飾決済は、本来はあってはならないことですが、事例から見ても分かる通り、上場企業においても発覚しています。もしも粉飾決算の被害にあったのであれば、ひとりで企業相手に立ち向かうのではなく、集団訴訟が有効な手段として考えられます。今は集団訴訟プラットフォームを利用すれば、相談料や着手金を支払わなくても弁護士に相談することが可能ですので、もしそのような状況になった場合には検討してみてください。

この記事を書いたライター

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