「監査役」という言葉を聞いたことがありますか?監査役は適切な会社運営に不可欠な存在ですが、なかなかイメージしづらいポジションであり、一般社員にとって他の役員との違いや役割、重要度が十分に理解されていないことが多いです。
そこで今回は、公認会計士向けに監査役について他の役員との違いを含めて解説していきます。監査役の果たす役割や監査役と取締役との違いが理解でき、会社法を知るヒントが見えてきます!
監査役とは、取締役の職務を監査する権限を持つ立場で、株主総会で選任される人のことを言います。
全体像を理解するために役員について説明させて頂きます。役員とは一言で「会社の重要かつ責任を負うポジションの人」です。重要な人はこの他にも部長や係長などたくさんいます。
しかし、部長や係長は役員等の会社に対する損害賠償責任として会社法の適用を受けません。換言すれば会社法は「役員に対しては会社内部・外部の責任を負わせる」として重要なポジションとして位置付けています。
この役員は主に
となっています。
監査役は公認会計士か監査法人が就きます。規模によって一個人か組織になるかの違いです。要は会社の規模が大きいか小さいかの違いです。
また、税理士は就けません。税務業務をやるのではないです。会社の運営の見張りです。経営やマネジメントを理解している公認会計士が必要となります。
会社法により、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の「大会社」や「取締役会」を設置している企業が基準として設けられています。
違います。これは大きな誤解です。一言で言えば、
となります。
ちなみに会社法では、監査役を「監査役」、監査法人を「会計監査人」と言います。
さらに、実務的な順番も加えると、具体的には下記のようなイメージです。
そのため、監査役はあくまで「取締役が適切な業務を行なっているか?」をチェックして、そのチェックを通過して作成された財務諸表を「適切な財務諸表として外部に公表できるか?」の観点から会計監査人がチェックします。
なので、監査役と会計監査人の役割違います。監査法人の監査って監査役の監査でもありません。
役員は次の人達から構成されます。理解しやすくするため、「シンプルな制度」の会社を想定します。
ここで役員に該当するか、しないかの区分方法が分かりましたか?
役員に該当する場合は「会社に直接雇用」されています。従って、給料は会社から支払われます。
一方で役員に該当しない場合は「会社に直接雇用されていない」ため、給料は会社から出ません。会計監査人は監査法人から給料が出ています。
監査役の給料が会社から出ていると、監査役は発言をしづらくなりますよね?そのため、会社法では「監査役の保護」によって監査役の適切な監視と会社の適切な運営を確保しています。
まず①は「監査役が会社を理解する十分な時間を確保」するために規定されています。これにより、会社のビジネスモデルを理解したり、より深い監査ができるようになります。
次に②は「取締役の都合の悪い監査役を解雇できない」ようにしています。これにより、監査役も堂々と言うべきこと言えるようになります。
最後に③は「取締役の独断と偏見で会社の方針が決めれないように」しています。これにより、慎重な決議が行われるようになります。
公認会計士が監査法人を経て、一般の事業会社の監査役へ転職するケースが増えています。
公認会計士として監査法人で培った財務及び会計に関する知識や経験をフルに活かすことができます。
また、監査法人で会計監査として業務をしてきた公認会計士は監査役とも様々なやり取りをしてきていますので、自分が監査役として働く際にも非常に大きな知見を持っていて強みと言えるでしょう。
さらに近年は企業のガバナンスに関する取り組みが様々されており、監査役の重要性も改めて見直されており、今後、監査役の需要はますます上がっていくでしょう。
監査役は役員であり、監査役の監視があるからこそ会社の運営が慎重に行われるようになります。そ
して、その監査役も役員に含めても弊害の内容に会社法は規定されています。このため、監査役にも適切な報酬が支払われますし、仕事も確保されます。
経理をやられている方は「監査役と取締役の違い」を理解できましたか?簿記検定受験生の方は「監査役や取締役」と言う言葉に触れて少しでも、会社法に興味を持っていただけましたか?
会社法の規定は監査役や取締役の規定だけでなく、他の規定も「趣旨」があります。換言すれば「保護すべき人がいる」ことを意味します。
これにより、監査役や取締役をはじめ、役員やその他の人も自分の仕事に専念できるようになっているのです。