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なぜ銀行員は転職先に税理士を目指すと良いのかを徹底解説!

HUPRO 編集部
なぜ銀行員は転職先に税理士を目指すと良いのかを徹底解説!

銀行といえば長い間給料も良く人気の高い花形の職業でしたが、急速なIT化や人工知能(AI)の発達などで今や多くの銀行が人員の削減を行っています。一昔前は振込をするにも銀行の窓口に行かなければできなかったものが、今やスマホ1台あれば24時間365日即時で振込ができる時代になったのです。

このようにどんどんと銀行に人が必要なくなっていく時代になったことにより、若手を中心に銀行業界から転職をしようという人が増えました。そして、銀行員の転職先とし、税務業界を希望している人が数多くいます。なぜなら、銀行から税務業界への転職は、意外に相性が良く銀行で学んだ知識が役立つことが多いからです。今回は、銀行員が転職先に税理士を目指すとなぜ良いのかについて解説していきます。

税理士の資格を取得するには?

税理士として働く資格を得るためには、年1回行われる税理士試験に合格をすることと、租税又は会計に関する事務に従事した期間が通算して2年以上あることが必要です。他にも、弁護士や公認会計士は税理士試験を受けなくても税理士として働くことができます。

しかし、銀行員が税理士を目指すためには、ほとんどの人が税理士試験に合格をして2年間の実務経験を積む必要があるでしょう。税理士試験は科目合格制をとっていますので、会計学2科目と税法に関する科目3科目の5科目が合格に達したときに合格者となります。

即ち、一度に5科目合格する必要はないのです。それでも、銀行員が税理士として働くためには長い道のりには変わりありません。そのため、銀行を退職したら実務経験を積むためにも、一旦税理士事務所か会計事務所に就職するのが良いでしょう。

銀行員は税理士の受験資格を得やすい

税理士になるには、税理士試験を受験するのが一般的です。ただし、税理士試験を受けるにも受験資格が必要です。税理士の受験資格は、「学識による受験資格」、「資格による受験資格」、「職歴による受験資格」の3つに分かれています。それぞれの受験資格は以下になります。

学識による受験資格
・大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
・大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
・一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格者に限られます。)

資格による受験資格
・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限られます。)

職歴による受験資格
・法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者 出典:受験資格について|国税庁

銀行員はこの受験資格の中で、大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者に当てはまる人が多いのではないでしょうか。

また、銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者に当てはまる人もいるでしょう。
そのため、銀行員は、わりと税理士の受験資格を得やすい職業と言えます。

銀行員は税理士の受験資格を得やすい

銀行の仕事で税理士に通ずる仕事

銀行員が税理士を目指すのに良い理由として、銀行の仕事の中で税理士の仕事に通ずるものが多くあるからです。

銀行員の中でも特に法人に対する融資業務を担当している人は、決算書や貸借対照表や損益計算書などを見る機会が多くあります。もちろん、見るだけでなく、中身も理解できないと仕事になりません。

税理士の仕事の一つとして、決算処理に関する事務があります。決算処理では、銀行員であったことが役立つでしょう。

他にも、会計事務や仕訳処理や財務諸表の作成などでも力を発揮できます。また、税理士はお客様が中小企業の場合が多いため、社会保険労務士が得意とする社会保険や労務管理のことを聞かれることも多くあります。

さらに、司法書士が専門の登記関係のことを聞かれることもあるでしょう。元銀行員であればこれらの知識を持っている人も少なくないため、重宝されること間違いなしです。

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銀行員が税理士を目指すその他のメリット

銀行員が税理士になるためには実務経験が必要なため、まずは税理士事務所または会計事務所に転職することになると思います。

転職するのに元銀行員というだけで、信用が高く、しっかりしている人と判断されることが実際に多いです。そのため、転職するのに銀行員ということがとても有利に働きます。

また、融資関係の仕事をしてきた銀行員は、中小企業の資金繰りに詳しく、借り入れをどうしたら良いかなどのアドバイスをお客様である中小企業の社長に行うことができます。

お客様に色々と元銀行員ならではのアドバイスができますので、税理士事務所や会計事務所にとっても銀行経験者は是非欲しい人材なのです。

まとめ

以上、なぜ銀行員が税理士を目指すと良いのかを解説しました。銀行員の需要が減ってきている現在、銀行員で次の転職先を考える方は非常に多くなっています。銀行から税務業界への転職は業務経験や知識を活かせることが多く、とても相性が良いです。税理士受験生は働きながらの社会人も多いですので、もし今後のキャリアで税理士を考えている方は、税務に関する基礎部分だけでも勉強してみるのも良いでしょう。
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会計事務所への転職事情については下記のコラムでも詳しく紹介していますので、是非チェックしてみてください。
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