色々な資格を見ていくうちに公認会計士試験にたどり着き、さあ勉強だと考えて予備校を調べていくうちに結構費用がかかることに気づくと思います。
しかし、予備校によっても費用が異なるうえに色んな情報があふれていて何が正しいかわからないと思います。そこで、公認会計士になるために実際にかかった費用について、現役の公認会計士が自らの実体験をもとに紹介していきます。
まず、公認会計士試験に合格する王道は各種専門学校に入ることです。私が知っている公認会計士約300人のうち、専門学校にお世話にならずに合格した人は一人もいません。通学であれ通信講座であれ、専門学校の授業を聞いているのです。よって、必ず予備校の費用については避けては通れないのです。
私が通っていたTACの2年本科では、試験までに約80万円程かかりました。大手予備校のLECや大原も概ね同じくらいの料金でしょう。
これ以外にも、クレアール等の比較的中小の予備校となると50万円前後となり、それ以外の予備校や通信教材の場合はもっと安いところもあるかもしれません。
しかし、大手は受講者数が圧倒的に多いですし、公認会計士試験はある科目について突出した点数を取るよりもすべての科目をまんべんなく平均的に取れる方が強い為、同じようなことを勉強している大手の受験生が多い現状では、大手の予備校のメリットは大きいと思います。
公認会計士試験は難関試験ですので、1回で合格するのはとても難しいです。現に1回で合格する人よりも2回以上で合格している人の方が多いのが現状です。再度受験する場合の王道はやはり予備校に再度通うことになります。1回目の教材を使って再度受験する人もいないわけではないですが、毎年少しずつ法改正があるためその改正についていくのが難しいことや、模試等の論文式試験のアウトプットする場がとても重要であるため独学では厳しいこと、再度1年間勉強をし直すのに周りに人がいないのはモチベーション維持が難しいという理由で専門学校に再度入る人がほとんどです。
ただ、再受験のためのカリキュラムは初学者よりも少なくなるため、費用も低下します。
それでも大手予備校で50万円程度かかるため結構な投資が必要となります。ただ、専門学校によっては、過去の模試の結果が良ければ次年度の専門学校費用を大幅割引してくれる制度もありますし、また、科目免除がある場合は科目免除割引があるなど、学校によって様々ですので、気になるようでしたら問い合わせをすることで教えてもらえます。
公認会計士試験に合格すると、通常3年間の実務補修所に通い、最終的に修了考査を受ける必要があります。修了考査についても、当初の公認会計士試験と同様に大手予備校に入った方が合格しやすいですし、このころは監査法人に勤務している人が大半ですのであまり費用面で安さを重視することは少ないです。
実際に大手予備校に支払った費用は15万円程度でした。大手監査法人でしたら団体割引が効いていたのと、過去に他の講座を受講していた場合も同様程度の金額になるようです。
修了考査まで合格すると、晴れて公認会計士登録ができるようになります。色々な書類を集めるのも大変ですが、登録するためにも費用がかかります。
大手監査法人でしたら登録費用は負担してもらえることもあるかもしれませんが、それ以外であれば自身で登録費用15万円、本部及び地域会の年間費12万円程度を含めて27万円程度支払う必要があります。更に、独立した公認会計士は税理士登録をすることがほとんどですので、これとは別に登録費用11万円、税理士会の入会金4万円、年会費(本部、支部合わせて)12万円程度が必要です。
つまり、公認会計士と税理士登録だけで30万円程度、年会費24万円程度が必要となります。思ったよりも登録や維持に費用がかかる資格であるといえるでしょう。
予備校のテキストや問題集を使っていれば基本的にはそれ以外の教材を購入する必要はありません。ですが、予備校のテキストや問題集だけでは物足りない場合は自身で買い足すこともあります。私は企業法の先生が自分に合わなかったため司法試験用のテキストを別に購入したり、入学1年目の時に簿記の問題をたくさん解きたかったので別でテキストを購入したりしました。それでも一冊1万円もしない程度だったと思います。
また、試験に費用がかかる反面、受験に専念するために大学生もしくは無職の人がほとんどです。よって、その費用を減らす努力もありますが、他でアルバイトなどをする人もいます。ですが、試験直前は暗記科目の詰め込みや簿記の能力低下を防ぐためにあまり時間を割くことができません。よって、専門学校入学して1年くらいは休日のバイトをリフレッシュ程度にする人もいます。もしくは、短期合格のカリキュラムで入学するために事前に200万円程貯蓄してから試験に挑むという方法を採る受験生もいます。