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公認会計士の就職できない神話は間違い?その実態はどうなのか?

HUPRO 編集部
公認会計士の就職できない神話は間違い?その実態はどうなのか?

この記事をご覧の皆さんの中には、公認会計士の就職状況はどうなっているのか、という疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

近年世の中では、公認会計士の就職状況は厳しく、無事公認会計士試験に合格しても、就職できない公認会計士が続出しているかのような噂がありましたが、しかし、実態はどうなっているのか気になることでしょう。
そこで、今回は、公認会計士の就職状況の実態はどうなっているのか、について説明していきます。

公認会計士の就職状況は売り手市場!

初めに結論から先に言っておくと、就職できない公認会計士が続出しているという噂は間違いで、近年の公認会計士の就職状況は売り手市場になっています。
4大監査法人の採用枠は1,000人~1,200人ぐらいで、公認会計士試験の合格者は同じぐらいの数なので、公認会計士試験にきちんと合格さえすれば多くの合格者が監査法人からの内定がもらえています

また、4大監査法人で採用されなかったとしても、中小事務所での採用もあるので、就職できないリスクは小さいものになっていると言えるでしょう。
このような状況から、公認会計士の就職状況は売り手市場であり、有望な資格の1つと言えるのではないでしょうか。

なぜ公認会計士の就職状況は厳しいと言われていたのか?

近年の公認会計士の就職状況は売り手市場であるという状況にも関わらず、なぜ公認会計士の就職状況は厳しいと言われていたのか、それは、一時期の試験制度改革に伴う合格者の増員による就職できない公認会計士の増加問題や、当時の経済状況などが関係しています。

公認会計士試験の合格者は2002年から増加しはじめ、2007年には4,041名の合格者が出るまでになりましたが、その背景としては2006年の国際会計基準の導入に伴い、公認会計士の増加を行うために試験制度改革が行われたことに起因しているようです。

しかし、リーマンショックが起き、日本経済の悪化に伴い、監査報酬のダンピングが頻発し、価格競争が行われるようになったことで、公認会計士業界の市況も悪化していったことで、各大手の監査法人は採用人数の大幅な縮小を行いました。

それにより、就職できない公認会計士が続出し、その様子がメディアで大きく報道されたことから、公認会計士希望者の減少が始まったことによる名残が、公認会計士の就職状況は厳しいという噂の原因になっているようです。

なぜ公認会計士の就職状況は厳しいと言われていたのか?

公認会計士の就職先の状況とは?

ここまでの説明で、近年の公認会計士の就職状況は売り手市場になっていることは理解していただけたと思いますが、公認会計士の就職先にはどのようなものがあるのか、具体的には以下のようなものがあります。

4大監査法人(EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらた)
中小事務所
民間企業
証券会社や投資ファンド
コンサルティングファーム

① 4大監査法人

「4大監査法人」とは、EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらたなどの4つの大手監査法人のことで、公認会計士受験生の人気の就職先になっています。

「4大監査法人」は新人会計士の採用活動を行っており、クライアントに大手企業が多いので、年収などの待遇も比較的良く、中小事務所よりも大きなプロジェクトに関わることも可能です。

② 中小事務所

「中小事務所」とは、私たちがよく街などで見かける事業の規模が小さい会計事務所のことで、公認会計士受験生の就職先の1つになっています。

クライアントも中小企業などが多いことから、年収などの待遇も4大監査法人よりも劣ることになり、また、大きなプロジェクトに関わることもあまりありません。

③ 民間事業会社

公認会計士の就職先の1つとして、民間事業会社への経理職としての採用が挙げられます。

しかし、経理職の採用は、ある程度経験を積んだ公認会計士を対象としていることが多いので、基本的に新人会計士にはあまり関係がありません。

年収などの待遇も企業によりますが、中小事務所よりは良いことが多く、大手企業の場合、福利厚生もしっかりとしていることから、ある程度経験を積んだ公認会計士の転職の際の選択肢の1つになっているようです。

④ 証券会社や投資ファンド

公認会計士の就職先の1つとして、証券会社や投資ファンドへの就職が挙げられます。

民間事業会社も同じく、証券会社や投資ファンドにおける公認会計士の採用も、ある程度経験を積んだ公認会計士を対象としていることが多いので、基本的に新人会計士にはあまり関係がありません。

年収などの待遇は、Big4と同水準の条件で採用していることが多く、人によっては活躍しだいで前職よりも年収などの待遇をよくできる可能性があります。

⑤ コンサルティングファーム

公認会計士の就職先の1つとして、コンサルティングファームへの就職が挙げられます。

コンサルティングファームおける公認会計士の採用も、ある程度経験を積んだ公認会計士を対象としていることが多いので、基本的に新人会計士にはあまり関係がありません。

年収などの待遇も、証券会社や投資ファンドと同じく、高い水準にあり、人によっては活躍しだいで前職よりも年収などの待遇をよくできる可能性があります。

まとめ

ここまで、公認会計士の就職状況の実態はどうなっているのか、について説明してきましたが、いかがでしたか。
公認会計士の就職状況の実態が厳しいというのは、完全に過去のことであり、公認会計士の就職状況は売り手市場であることが分かっていただけたと思います。
この記事をご覧の方の中に、公認会計士を目指そうと思ったけど、就職状況に不安があってなかなか一歩を踏み出せないという方もいるかもしれません。そんな方も今回説明した内容を参考に、公認会計士の就職状況の実態について、ぜひ一度しっかりと考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたライター

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