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監査法人の離職率はなぜ高い?離職理由と転職先のトレンドを解説

HUPRO 編集部
監査法人の離職率はなぜ高い?離職理由と転職先のトレンドを解説

監査法人の離職率は非常に高いといわれています。激務で働き方が合わない、業務が淡白など離職しやすい理由も多く、また離職後の進路も比較的見つけやすいため、こうした状況になっています。改めて、何故離職率が高いのか、離職率が高い理由と離職後の進路について解説します。

監査法人の離職理由

監査がルーティンワーク化してつまらない

監査法人に勤めてから数年は監査の経験から得られるものや学べるものが多いですが、ある程度まで行くと毎年同じような資料の提出と手続きの繰り返しで単純作業になってしまいます。そういった面から監査がルーティンワーク化してしまい、つまらないと感じ離職につながっています。
業務が忙しすぎる
繁忙期はプライベートの時間が取れないほど忙しくなってしまいます。特に複数の仕事を受け持っているシニア層やマネージャー層で顕著ですが、繁忙期は特に忙しく、タクシー帰りや休日出勤で対応しなけらばならないことが増えます。また、能力の高い人に業務が集中したり、所属しているチームによって忙しさが変わってくるという面から離職につながっています。

やりがいがない

監査の性質上クライアントから感謝される機会がなく、やりがいが得られないというケースもあります。逆に、監査を頑張りすぎるとクライアントからは嫌われてしまうこともあります。頑張っても感謝されないのであればやりがいがなく、離職につながってしまいます。

他の業種での潰しがきかない

監査以外の経験ができず、スキルアップにすぐ限界がきてしまいます。また、監査法人では税務や予算管理などの一般的な会計のスキルが身につきません。他業種に転職するための能力が得られないため、早々に離職して他業種でスキルアップを目指す方向へつながってしまいます。

監査法人の離職率、離職タイミング

監査法人の離職率は5割〜7割と言われています。この離職率はなかなかに高いものではないでしょうか。離職のタイミングは、その人が求めるキャリアや仕事感によって違うと思いますが、監査法人に入って1年〜10年の間が最も多いです。転職のタイミングで多いのが、修了考査が終わったタイミングやシニアに昇格して1~2年経ったタイミング、マネージャー昇進前のタイミングです。マネージャー昇進後の場合は中小の監査法人に転職する方が多い印象です。

監査法人を離職した後の進路

監査のキャリアを積みたい、事業会社で経理をやりたい方

監査やFASのキャリアを積みたい、事業会社で経理をやりたいという方については、修了考査に合格するまでは勤務した方がいいと思います。

理由は、会計士の強みは色々な会社を監査して会社の仕組みやビジネスモデルを見ることができたり、経営者の方の話を聞けたりといったことにあります。修了考査に合格する3年くらいは監査の基礎を学んだ方がいいかと思います。また、3年程度やることで自分に向いているのがどんな業務なのかがわかってくることもあります。

事業会社に転職するとよく聞かれるのが「他の会社ではどうしていたのか」という質問です。経理の担当者は一般の職種と比べ経験社数が少ないことが多く、自分以外の会社がどのようにやっているのかを知りたいのです。また、3年勤務というのは、仮にまた監査法人に出戻ってくる際に求人をみると3年勤務が条件になっている求人が多いという事実があるからです。監査法人は市況にもよりますが、出戻りにも寛容です。

監査はもうやりたくない、他の分野で勝負したい方

一方で、監査は向いていないのでもうやりたくない、投資銀行やファンド等の別の分野で勝負したいという方は早めに動いた方がいいでしょう。
投資銀行やファンドは若さというのが武器になるからです。まず本当に監査法人でやれることはないのか、グループ内でFAS等に転籍する道はないのか等を探した方がいいでしょう。しかし、そういった道もないのであれば自分のキャリアでどういった転職先があるのか把握するためにもエージェント等を活用して転職活動をしてみた方がいいでしょう。ただ、監査という分野は会計士の独占業務で他の分野で競争すると他の方と同じ土俵で勝負しなければならないという点には注意が必要です。

会計士の資格は一定の信用にはなりますが、最終的にはそれ以外の所で勝負しなければなりません。監査は独占業務であり、他のコンサルティング会社とはストレス等の負荷が大きくちがいます。監査はクライアント側も法令で要求されているし、いまいちなことをいってもしぶしぶではあっても対応してくれますが、コンサルティング会社は高い単価を払っている以上要求水準は非常に高いです。また、監査法人は会計士試験合格者という限られた中での競争となりますが、コンサルティング会社の場合は他のものすごく優秀な方と競争しなければなりません。

ストレス負荷としては監査法人が3とするとコンサルティング会社は10ぐらいのイメージです。ただ、その高い業務負荷を乗り越え、また会計士としての土俵で戦うことになった場合は頭ひとつ抜けた存在になっているでしょう。

まとめ

監査法人の離職率は、5割〜7割ととても高いです。
その理由には、業務の忙しさやルーティンワーク化などによりやりがいがない、独占業務のため他分野へ潰しがきかないなどが挙げられます。
離職後の進路としては、やはり経理に関する業種の方が就職しやすい傾向にありますが、監査への出戻りに関しても寛容なところが多いようです。
会計や監査に携わる方のキャリアは多様化して来ているので、是非納得できるキャリアを歩んでください。

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