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入出金伝票とは?何を書けばいいの?

公認会計士 大国光大
入出金伝票とは?何を書けばいいの?

皆さんは「伝票」という言葉を聞いたことがあると思います。本来会計処理をする際に使われるものですが、店で会計するときにも伝票という言葉が出てきます。このように、伝票と一口に言っても様々な種類のものがあります。その中で、タイトルの通り、「入出金伝票」というものがあります。今回は入出金伝票について解説をするとともに、入出金伝票には何を書けばいいのかを現役公認会計士が説明していきます。

入出金伝票って何?

入出金伝票は、「入金伝票」と「出金伝票」の二つを合わせて言います。ちなみに、伝票というのは、ある行為を表したメモ書きのことで、入金に関するものを入金伝票、出金にかんするものを出金伝票と言います。記載するのは、「企業が行った取引の内容」です。例えば、事務用品を購入したら、「何月何日、どこで、何を、いくらで買って、なんという勘定科目としたか」を記載します。給与を払ったとしたら「何月何日、何人に、いくら支払って、なんという勘定科目としたか」を記載します。
これらを集計したり会計ソフトに入力したりすることによって、決算書が出来上がります。

入出金伝票以外の伝票には何がある?

入出金伝票以外の伝票には、主に以下のものがあります。
まず、振替伝票というものがあります。振替伝票は、現金を扱っていない取引を行った時に起票するものです。消耗品をクレジットカードで買ったり、今後払うべき賞与をあらかじめ積み立てたりする際に起票されます。実は、入金伝票や出金伝票の代わりに振替伝票を使うこともできますが、混乱するので使い分けている会社が多いです。

次に、仕入伝票というものがあります。仕入伝票は、商品などを仕入れた際に起票されるものです。全て現金でやり取りをしていれば、出金伝票でも事足りますが、最近は仕入後1か月後に支払いが行われることも多い為、このような伝票が使われます。また、仕入は毎日反復して行われることも多く、集計が大変であるためこのような専用の伝票が利用されます。
さらに、売上伝票があります。売上伝票は、商品などを販売した際に起票されるものです。仕入伝票と同様に、全て現金でやり取りをしていれば入金伝票で事足りますが、入金が1か月先等になることも多い為、このような伝票が使われます。仕入伝票と同様に、毎日反復して行われることも多く、集計が大変であるため、このような専用の伝票が利用されます。

入金伝票の書き方

入金伝票は、現金が入金された際に起票されます。ここで、一般的な入金伝票に記載すべき内容をお伝えします。
まず、領収書程度の小さな紙に事前に記入できる内容をパソコンなどからプリントアウトしておきます。それは、入金伝票である旨と、通し番号(年度番号―月番号―連番 というのがやりやすいです)となります。通し番号については、二重で伝票を起票しないために、また、万が一紛失した時にどの伝票が無くなったかを探しやすくするためです。
これらが記載されている伝票について、日付、科目、入金金額、入金の内容を記載して、ホルダーなどにためておきます。

科目については、単純に「売上」と記載する様式と、「売上」「××株式会社」のように相手先まで分類するものまであります。また、入金の内容は、売掛金の入金であればその旨や従業員から返却された出張旅費の残り等、わかりやすく記載します。また、領収書控えなど、関連する帳票も一緒にしておくと後に取引内容が確認しやすいです。

出金伝票の書き方

出金伝票は、現金を出金した際に起票されます。基本的な内容は入金伝票と同じですが、再度説明します。
まず、あらかじめ領収書サイズの紙を用意し、出金伝票である旨、通し番号(年度番号―月番号―連番 というのがやりやすいです)を記載しておきます。
そして、出金がある都度、日付、科目、出金内容を記載します。科目については入金伝票と同様に、「仕入」と記載する場合と「仕入」「○○株式会社」のように相手先まで分類するものまであります。

入金伝票は売上対価の受領がメインであるのに対して、出金伝票は仕入対価のみならず、小口現金の出金等にも対応している為、摘要欄の記載や添付する帳票は様々なものが求められます。例えば、ホームセンターで消耗品を購入した場合にはその旨とホームセンターの領収書を貼り付けます。領収書では細かい内容が記載されていないので、レシートの方が有効な場合もあります。両者が入手できるのであれば、両方貼っておくことが無難でしょう。では、急な来客により自販機でお茶を買って出したため領収証がない場合はどうでしょうか。領収証がもらえない合理的な理由がある支出については、支払伝票にその旨を詳細に書いておくことで領収証代わりになります。つまり、今の例で言うと、「○月××日 会議費 150円 △△商事株式会社 □□様に自販機でお茶を購入したことによる」と記載します。このほかにも電車の切符を買って領収証がない場合なども同様に、「JR ○○駅~△△駅 往復 領収証無し」などと記載することが必要となります。

この記事を書いたライター

公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。
カテゴリ:コラム・学び

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