公務員という安定した職業から、公認会計士を目指す。そのような人も日本には多く存在します。しかし公認会計士は公務員のような絶対的安定は保証されていません。そのような中で、わざわざ公務員を捨て公認会計士を目指すのは果して得策なのでしょうか。そして実際に公認会計士として活躍するまで、どのような試練が待っているのでしょうか。今回はそこを中心に話を進めていきます。
公務員から公認会計士へ転職に成功した多くの人の場合、共通しているのは「公務員として働きながら資格を取得」というものです。
税理士の場合、税務署で一定年数勤務すれば税理士登録ができますが、公認会計士の場合そうはいきません。必ず試験に合格しなければなりません。
公務員が公認会計士の勉強をするには、民間企業の会社員が勉強をするよりタイムスケジュールが組みやすいというメリットがあります。
民間企業の場合はどうしても急な残業や、期日が迫っている仕事などに追われるケースが多いのです。せっかくスケジュールを組んでもその通りに行かないことが多いため、なかなか勉強する時間が取れないというデメリットがあります。
そこで公務員だからこそ有利に働く予定の組みやすさをいかにうまく活用できるかで公認会計士への道が開けます。
公務員と公認会計士の違いは、公認会計士が「事務所」や「監査法人」を名乗っていたとしても民間企業に変わりないことです。
民間企業ですから最もわかりやすい表現をすると「利益追求型」ということです。もちろん公務員は税金で給与が支払われています。ですから仕事はしなければなりません。しかし毎年予算を組み、資金繰りの計画を立てるということはなかなかないのです。
これらを比較しても公認会計士になるということは「シビアな世界へ突入する」ということなのです。企業の監査やコンサルティングをする以上、公認会計士事務所や監査法人そのものの経営が成り立っていないようでは、クライアントに説明ができません。
つまり公認会計士は常に民間企業の経営のお手本になっている必要があります。
また公務員は地域密着型であるのに対し、
公認会計士のクライアントの範囲は日本全国というケースがあります。そこは大きな違いの一つです。
先に少し触れていますが、公認会計士の業務範囲は「コンサルティング業務」もできなければいけない時代になっています。
単に財務諸表が適正であるかを証明し、管理会計の観点から監査業務を行う、それだけでは公認会計士も経営が成り立たない時代がやってきたのです。逆を言えば、このコンサルティング業務のようにこれから新しく何かにチャレンジしていくことがすべて業務範囲の拡大につながります。
公認会計士は監査法や会社法など「法社会」の中にありますが、その範囲の中であれば自由に仕事ができます。何か特別な制限が設けられているわけではないのです。その視点から見ると非常にやりがいのある仕事と言えます。
公務員には公務員の職務の範囲に制限があります。それを犯すことは出来ません。その範囲と比較すれば、公認会計士の業務範囲は広く自由であると言えます。自分さえ努力をすれば必ず成果が上がる職業です。
公務員から公認会計士を目指す理由のなかに、世界を相手に仕事ができるという理由も良く上がります。
公認会計士は、クライアント企業の特性にもよりますが世界を舞台に働くチャンスが数多くあります。もし初めに勤務した公認会計士事務所から転職したと思えば、転職先も自分のスキル次第でいくらでも選択することが可能です。また日本にいながら「転職」というものが珍しい業種でもありません。
公認会計士の資格は一度取得すれば一生自分のものとして利用できます。もちろん試験は難しく一筋縄ではいきません。
しかしその分得るものが多いと言えます。安定した公務員だからこそ、自分でスケジュールを組んで公認会計士の勉強ができます。
もし少しでも公認会計士という職業に興味があれば、一度勉強だけでも始めてみてはどうでしょうか。意外とスムーズに公認会計士資格が取得できる可能性があります。