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税理士事務所の採用戦略の立て方|採用難を突破するフレームワークと事例を解説

Hupro Magazine編集部 石田
税理士事務所の採用戦略の立て方|採用難を突破するフレームワークと事例を解説

「求人を出しても応募が来ない」といった悩みを抱える税理士事務所は少なくないのではないでしょうか。現在の税理士の採用市場では、もはや「待つ」だけでは良い人材は採用できません。本記事では、税理士特化エージェント「ヒュープロ」の知見から、採用戦略の立て方(フレームワーク)や、具体事例まで詳しく解説します。

採用戦略とは?税理士業界で今求められる「人材採用戦略」の視点

採用活動を単なる「欠員補充」と考えていませんか?
昨今、採用は事務所の成長を左右する最重要の経営戦略のひとつという考え方が広まりつつあります。

ここでは、以下3つのポイントから、採用戦略の本質についてまずは解説していきます。

  • ・税理士業界における「採用戦略」の定義
  • ・データで見る「中途採用戦略」の厳しい現状
  • ・なぜ今「採用戦略の立案」が税理士事務所に必要なのか

事務所の成長を支える「採用戦略」の定義

採用戦略とは、事務所の経営目標を達成するために「いつまでに」「どんな人材を」「どうやって」獲得するかを明確にするロードマップのことです。
単なる人集めではなく、事務所の理念に共感し、共に成長できるを見つけるための指針とも言えます。

税理士業界は若手の有資格者がかなり希少なため、従来の「有資格者を待つ姿勢」を見直し、先手を打っていく戦略的な動きが不可欠となっています。

データで見る「中途採用戦略」の厳しい現状

現在の税理士業界における中途採用戦略は、いまや一筋縄ではいかない状況にあります。
令和6年度のデータによると、業界の有効求人倍率は2.31倍*に達しており、一般平均(1.25倍)の約2倍というかなりの「売り手市場」です。
これは1人の求職者に対して2.31件の求人が存在する計算になります。

また、士業・管理部門特化エージェント「ヒュープロ」の登録者データでも、20代〜30代の若手層が全体の約半数を占め、給与だけでなく「働き方の柔軟性」や「成長機会」の両方を重視して応募先を選んでいるのが実情です。

このように、数字とニーズの両面から見ても、これまでの慣習が通用しない「選ばれるための戦い」がすでに始まっているのが、現在の中途採用戦略における実情なのです。

*職業情報提供サイト job tag

なぜ今「採用戦略の立案」が税理士事務所に必要なのか

この「売り手市場」において、闇雲に求人広告を出すだけでは、コストばかりがかさみ理想の人材にはなかなか出会えません。
だからこそ、経営計画と紐付いた採用戦略の立案が、税理士事務所に求められているのです。

経営計画と採用活動の関連性を考えるうえで重要なのは、「どんなチームを構築し、どんな価値を顧客に届けたいのか」という経営ビジョンから逆算して戦略を考えるということです。
そのことにより、ミスマッチによる早期離職を防ぎ、持続的な事務所の発展への繋がっていくと考えられます。

税理士の採用市場で、競合事務所がひしめく中で、事務所の強みを定義し、選ばれる理由を言語化する「採用戦略」こそが、これからの人材難を勝ち抜くための武器になるのです。

採用の「4つの壁」を突破する採用戦略フレームワーク

採用がうまくいかない原因は、プロセスのどこかに「壁」があるためです。
ヒュープロでは、現場の課題を解決するために以下の実務的な採用戦略フレームワークを推奨しています。
ご自身の事務所が、今どの壁にぶつかっているのかを想像しながら読み進めてみてください。

  • ・【母集団形成の壁】求人票の見直しで応募数の拡大
  • ・【有効応募の壁】採用ブランディングで応募の質向上
  • ・【魅力訴求の壁】面接のセールス化で内定承諾率アップ
  • ・【定着・育成の壁】フォロー体制の具体化で早期離職を防止

【母集団形成の壁】求人票の見直しで応募数の拡大

「求人を出しても応募がこない」場合は、求人票を単なる「募集要項」としてしか活用できていない母集団形成の壁が原因と考えられます。
多くの事務所が並ぶ中で、求職者が最初に見るのは求人票です。

ここで「残業少なめ」「試験勉強と両立可」といった曖昧な言葉では、情報の海に埋もれてしまう可能性があります。
まずは「月平均残業20時間」「直近3年で8名が試験休暇を取得」など、客観的な数字を提示して「この事務所の情報は信頼できる」と思ってもらうことが、採用戦略の立て方の第一歩です。

【マッチングの壁】採用ブランディングで応募の質向上

「応募は来るけれどミスマッチが多い」場合は、事務所の魅力や特徴が求職者に正しく届いていないマッチングの壁が原因として考えられます。
求人票で興味を持った求職者は、必ず事務所のホームページを確認します。

そのため、ホームページ上で事務所の経営理念や事業の強みが言語化されていたり、SNSを活用して代表先生の人柄や事務所での様子がわかると、カルチャーの合う人材を惹きつけやすくなります。

【魅力訴求の壁】選考のセールス化で内定承諾率アップ

「せっかく内定を出したのに、他所に決められてしまう」場合は、選考過程で事務所のアピールがしきれてない魅力訴求の壁が原因かもしれません。
特に面接とは、事務所側が候補者をふるいにかける場だけでなく、候補者に選んでもらうための「アピールの場」でもあるということです。

例えば、「この事務所でどんなスキルが身についていくか」と期待を感じる候補者には、単に「教育体制がある」と伝えるのではなく、「入社1年目でこんな案件を任せ、3年目にはこうなっています」と、具体的な成長ステップを提示することを有効です。

求職者の不安に寄り添い、事務所の魅力を正しく「セールス」する視点を持つことで、たとえ競合が大手事務所であっても、候補者の第一志望を勝ち取る可能性が高めることができます。

【定着・育成の壁】フォロー体制の具体化で早期離職を防止

「入社後の早期離職が続いてしまう」場合は、入社後の具体的な役割やフォロー体制が曖昧なまま採用を進めてしまっている定着・育成の壁が原因と考えられます。

例えば、ベテラン層には「どの顧問先をいつから任せるか」、未経験層には「誰が毎日の相談役(メンター)になるか」という、入社初日から1週間の解像度を高めておくことが非常に重要です。
ここを固めずに「入ればなんとかなる」で進めてしまうと、求職者は放置されている不安を感じ、結果として早期離職を招いてしまいます。

入社前の期待値を、単なる「給与条件」ではなく「働く日常の姿」と一致させることが、長期定着に向けた採用戦略の最終ステップと言えます。

【採用戦略・事例】ヒュープロが支援した成功への転換

ここまで、採用における「4つの壁」と戦略的な考え方(フレームワーク)について解説してきました。
とはいえ、日々の業務で多忙を極めるなか「自分の事務所で本当にそこまで手が回るだろうか」と、不安を感じるのが正直なところかと思います。

そこで、税理士特化エージェント「ヒュープロ」が採用戦略のコンサルとして伴走し、実際に課題を突破した2つの成功事例をご紹介します。

  • 事例① ダイレクトリクルーティング活用した即戦力採用
  • 事例② 採用ブランディング刷新で若手層の応募獲得

事例① ダイレクトリクルーティング活用した即戦力採用

関西のT税理士事務所様では、それまで自社完結の採用活動を行っており、「求人媒体に掲載して応募を待つ」のみで3ヶ月間で応募が0件という課題を抱えていました。

そこで、税理士特化エージェント「ヒュープロ」が採用戦略コンサルとして支援させていただき、新たな採用手法をご提案。
特定のスキルを持つ層へ事務所の想いを直接届ける「ダイレクトリクルーティング」にシフトされました。

ヒュープロのコンサルタントが、候補者の潜在的なニーズから逆算してスカウト文を全面的に刷新した結果、わずか1.5ヶ月で3名の税理士科目合格者、有資格の選考を経て、最終的に、事務所の将来を担うハイクラス層1名の採用に至りました。

事例② 採用ブランディング刷新で若手層の応募獲得

代表先生が熱いビジョンをお持ちである一方、求人票の文字情報だけではその魅力が伝わりきらず、なかなか承諾に至らないという課題がありました。
その結果、せっかく内定を出しても辞退率が約50%に達しており、競合事務所とのバッティングに苦戦されていました。

そこで、ヒュープロが「惹きつけ」を強化するブランド採用戦略として、独自のメディア「Hupro Magazine」を活用した特集記事の制作をご提案。
求職者のニーズが高い「事務所の理念」や「実際に働く若手スタッフの1日の流れ」を第三者視点で可視化しました。

この記事を選考フローの初期段階で候補者に共有するよう運用を変更したところ、面接時点での志望度が向上。
施策開始から半年で、若手層の応募数は従来の2.1倍に増加しました。さらに、入社前の相互理解が深まったことで内定承諾率が改善され、「事務所の価値観に合う人材」の採用に成功されました。

まとめ|採用戦略の立案に向けた第一歩

税理士業界における「採用活動」は、今や、人手不足を埋めるためではなく、事務所が目指すビジョンを共に実現するパートナーを探すための、「大切な経営施策の一環」として広まりつつあります。

今回ご紹介した「4つの壁」のどこに課題があるのかを見極めることは、決して簡単なことではありません。
しかし、その一つひとつの壁を丁寧に取り除いていくプロセスこそが、結果として「この事務所で働きたい」と願う優秀な人材を惹きつける、揺るぎない魅力に繋がっていくのだと考えています。

「自所に最適な戦略がまだ見えづらい」「まずは求人票の書き方から見直してみたい」といった、どんなに小さな悩みでも構いません。まずは一度、税理士特化エージェント「ヒュープロ」へご相談ください。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにて、オウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングを担当。専門性の高いテーマでもわかりやすく、実務に役立つ記事づくりを心がけています! 業界動向や転職市場のリアルを踏まえた情報発信を通じて、キャリア形成に役立つコンテンツをお届けします。士業・管理部門での転職をご検討の方は、業界特化型の転職エージェント「ヒュープロ」をぜひご活用ください。
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