
社労士転職では、社労士資格や経験があったとしても、すぐに評価に繋がるとは限りません。「職務経歴書」で実務経験の中身をいかに伝えられるかが、合否を分けます。本記事では、社労士業界特化の転職エージェント・ヒュープロの視点から、経験・スキルを正しく伝える職務経歴書の書き方を解説します。
士業特化の転職エージェント「ヒュープロ」で多くの社労士転職を支援しているキャリアエージェントも、 「書類通過する方の職務経歴書には、いくつか明確な共通点がある」と話します。
その共通点とは、「評価すべき経験・スキルが数字で明記されているか」と、「企業や経営者目線に立てているか」です。
社労士の職務経歴書・履歴書で、押さえておきたいのは、次の4項目です。
以下で、それぞれ詳しく解説していきます。
職務要約の役割は、 「この人はどんな社労士なのか」をコンパクトに伝えることです。
採用担当者が最初に目を通す重要なパートなため、250文字前後を目安にまとめましょう。
具体的には、次の3点を盛り込みましょう。
ここで意識したいのは、あまり詳細は書かずに、 「この先を読めば、もっと詳しく分かりそう」と思えるような簡潔さです。
職務経歴は、社労士の職務経歴書の中で最も重要なパートと言えます。
採用側は職務経歴を見て、「この人に実務をどこまで任せられるか」を判断します。
社労士の職務経歴で特に評価されやすいのは、業務内容を数字で説明できているかどうかです。
社労士の職務経歴では、次の3点を必ず意識して数字を入れましょう。
| ① 担当社数 |
これまでに担当してきた顧問先の社数 例)給与計算・社会保険手続き:担当企業 20社 |
| ② 担当先企業の規模感 |
給与計算・社会保険手続きを行ってきた担当先企業の従業員数 例)規模5~10名:8社/10~20名:5社/50~100名:7社 |
| ③ 担当件数 |
どれくらいの申請業務量を処理していたか 例)担当件数 170件/月 |
これらの数字が入るだけで、職務経歴書の具体性と説得力は大きく変わります。
職務経歴の欄に、数字を明記することで市場価値が伝わるのは、その人の売上貢献度をイメージすることができるからです。
例えば、以下のような場合
「月45万円分の顧問業務を任されていた」と具体的に想像することができます。
そこにスポット業務や労務相談対応が加われば、さらに売上への貢献度を推測できるというわけです。
これは営業職が「営業をしていました」ではなく 「月◯万円の売上を担当していました」と書くのと同じです。
社労士も、「どれだけ業務を担当し、どれだけ価値を生み出していたか」を数字で示すことが重要なのです。
職務経歴では、労務相談の内容も重要です。
書類上では、労務相談の詳細なエピソードまで書く必要はなく、以下のような箇条書きでも十分です。
【記載例】
なお、労務相談における具体的な判断プロセスやエピソードについては、面接の際に話せるよう、準備しておくとよいでしょう。
【面接時のアピールポイント例】
社労士資格は、転職市場では前提条件となります。
そのうえでスキル欄は、「この人なら実務をスムーズに任せられそうか」を判断するための補足情報として見られています。
ヒュープロのキャリアエージェントによると、スキルだけで合否が決まることは多くありませんが、「記載があると加点要素になる」と分析されています。
例えば、以下などを簡潔に記載するとよいでしょう。
それぞれの記載するポイントを、具体的に解説していきます。
Excelスキルは、 「実務で問題なく使える」ことが伝われば十分です。
社労士業務を行ううえで必須ツールですが、全員が高度なスキルを求められるわけではありません。
記載できる場合は、以下のように具体化すると好印象です。
給与計算ソフトや電子申請ソフトの使用経験も、必須ではありませんが、書いておくとプラスになる情報です。
なお、応募先と使用ソフトが違っていても問題ありません。
社労士業務はツールよりも業務理解が重要なため、実務経験があれば、ソフトの違いがマイナスに直結するわけではないのです。
社労士の志望動機・自己PRで最も差が出るのは、どの視点を考慮して書かれているかです。
多いのは、労働者目線に立った内容ですが、実は、経営者・管理部門目線で語れているかが重視されます。
労働者・経営者のどちらかに極端に寄りすぎるのは望ましくありませんが、ヒュープロのキャリアアドバイザーの経験上、経営者目線を取り入れた志望動機・自己PRの方が評価されやすい傾向にあります。
経営者目線が評価される理由は、社労士が日常的に向き合う相手は、労働者ではなく経営者や人事・総務担当者だからです。
労務トラブルや制度整備の課題において、最終的に意思決定を行うのは会社側です。
そのため、事業運営を前提とした労務支援ができるかが、社労士の評価軸になってきます。
社労士の志望動機・自己PRのよくある例と、改善例を実際に見てみましょう。
【よくある例】
△:労働者目線に寄りすぎた志望動機
※上記から想いは伝わりますが、企業に対してどのような支援ができるのかが見えにくいです。
キャリアアドバイザーが添削すると以下のようになります。

【改善例】
〇:経営者目線を取り入れた志望動機
このように書くことで、「経営課題を理解したうえで支援できる社労士」という印象を与えることができます。
ここまでのポイントを踏まえた職務経歴書のサンプルを紹介します。
数字の入れ方や業務のまとめ方など、ご自身の経験に置き換えて活用してみてください。
社会保険労務士として約4年の実務経験を有し、社労士法人・会計事務所にて
中小企業を中心とした労務支援に従事してきました。
給与計算および社会保険・労働保険手続きを主軸に、顧問先対応、労務相談、
就業規則運用まで一貫して担当してきました。
月間100件以上の手続きを処理する環境で、正確性とスピードを強みに実務対応を行ってきました。
〇〇社労士法人(税理士法人グループ)
勤務期間:20XX年10月~現在
事業内容:税務・会計・人事労務コンサルティング
顧問先規模:中小企業中心(10名~200名)
【業務内容】
社会保険労務士として、給与計算および社会保険・労働保険手続きを中心に顧問先対応を担当。
● 給与計算業務
クラウド勤怠データをもとに、月次給与計算・賞与計算・年末調整まで一貫して対応。
● 社会保険・労働保険手続き
入退社、資格取得・喪失、産育休、算定基礎、年度更新、各種給付金申請等、電子申請を中心に対応。
● 労務相談対応
・ 残業時間削減、是正対応
・ ハラスメント対応
・ 賃金、評価制度に関する相談対応
【担当業務量】
● 給与計算:主担当 約4社(約550名)、チェック担当 約4社(約50名)
● 手続き業務:主担当 約7社(延べ数千名規模)、チェック担当 約5社
● 申請件数:月間 約150~200件(うちチェック業務 約10~20件)
【使用経験のあるソフト】
給与計算、年末調整:給与奉行、ジョブカン
以上
社労士の転職では、資格や経験年数だけで評価が決まるわけではありません。
重要なのは、どんな業務を、どれくらいの規模で、どう担ってきたかを 職務経歴書で具体的に伝えられているかです。
担当社数・処理人数・申請件数などを数字で示すことで、市場価値を正しく伝えることができます。
とはいえ、自分の経験を客観的に整理し、 評価される形に落とし込むのは簡単ではありません。
ヒュープロでは、社労士特化のキャリアアドバイザーが、職務経歴書の書き方から丁寧にサポートしています。
ぜひ、以下から登録のうえ一度ご相談ください。