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通勤手当の非課税限度額とは?改正で引き上げ?いつから?2025年最新

Hupro Magazine編集部 剱持
通勤手当の非課税限度額とは?改正で引き上げ?いつから?2025年最新

「通勤手当の非課税限度額はいくら?」「最近引き上げられたの?」と気になっていませんか?

この記事では、非課税限度額の仕組みや交通手段別の計算方法まで、最新情報を分かりやすく解説します。

通勤手当の非課税限度額とは?

通勤手当の非課税限度額とは、従業員が会社から受け取る通勤手当(交通費)のうち、「所得税がかからない上限金額」のことです。

本来、会社から受け取る金銭は「給与所得」として課税対象になりますが、通勤手当は「業務を行うために必要不可欠な実費」という性質が強いため、国が定めた一定額までは税金をかけない(非課税にする)というルールが設けられています。

  • 限度額以内の金額:全額「非課税」となり、所得税はかかりません。
  • 限度額を超えた金額:超えた分だけが「給与」として扱われ、課税対象になります。

通勤手当の非課税限度額が改正で引き上げ?いつから?2025年最新

国税庁
によると、令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のために自動車などの交通用具を使用する給与所得者に支給される通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

施行日は令和7年11月20日です。この改正は、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(ただし、同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給されるものを除く)について適用されます。

この改正により、令和7年分の年末調整で対応が必要となる場合があります。

改正後の非課税限度額

1 改正後の非課税限度額
改正後の1か月当たりの非課税限度額は、次のとおりです。

区  分 課 税 さ れ な い 金 額
改 正 後
(令和7年4月1日以後適用)
改 正 前
① 交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 150,000 円)
同 左
② 自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 通勤距離が片道 55km 以上
である場合
38,700 円 31,600 円
通勤距離が片道 45km 以上
55km 未満である場合
32,300 円 28,000 円
通勤距離が片道 35km 以上
45km 未満である場合
25,900 円 24,400 円
通勤距離が片道 25km 以上
35km 未満である場合
19,700 円 18,700 円
通勤距離が片道 15km 以上
25km 未満である場合
13,500 円 12,900 円
通勤距離が片道 10km 以上
15km 未満である場合
7,300 円 7,100 円
通勤距離が片道 2km 以上
10km 未満である場合
4,200 円 同 左
通勤距離が片道 2km 未満
である場合
(全額課税) 同 左
③ 交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額
(最高限度 150,000 円)
同 左
④ 交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額
と②の金額との合計額
(最高限度 150,000 円)
同 左

課税済み通勤手当の精算(年末調整での対応)

改正前に既に支払われた通勤手当について、改正前の非課税限度額を適用して源泉徴収が行われている場合、改正後の非課税限度額を適用することで過納となる税額がある場合には、本年の年末調整の際に精算を行うことになります。

既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、精算の手続きは不要です。

年の中途に退職した人など、年末調整の機会がない人については、確定申告により精算します。

年末調整での課税済み通勤手当の精算手続きの流れ

年末調整での課税済み通勤手当の精算手続きの流れは以下の5つのステップに大別されます。

  • ・改正前に支払われた通勤手当は改正前の非課税限度額で源泉徴収済み。過納税額は年末調整で精算
  • ・改正により新たに非課税となる金額(差額)を計算する
  • ・源泉徴収簿の余白に「非課税となる通勤手当」として金額と根拠を記入する
  • ・年末調整欄の給与総額から、新たに非課税となった金額を差し引いて記入する
  • ・ニ:差し引き後の給与総額を基に、通常通り年末調整を行う

※出典:国税庁 通勤手当の非課税限度額の引上げについて

以下でそれぞれ詳しく見ていきます。

改正前に支払われた通勤手当は改正前の非課税限度額で源泉徴収済み。過納税額は年末調整で精算

改正前に既に支払われた通勤手当については、改正前の非課税限度額を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税限度額を適用した場合に過納となる税額がある場合には、本年の年末調整の際に精算することになります。

(注)
1 既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続は不要です。
2 年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになります。

改正により新たに非課税となる金額(差額)を計算する

既に改正前の非課税限度額を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をした
(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税限度額によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。

源泉徴収簿の余白に「非課税となる通勤手当」として金額と根拠を記入する

「令和7年分給与所得に対する源泉徴収簿」(以下「源泉徴収簿」といいます。)の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、イの計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。

年末調整欄の給与総額から、新たに非課税となった金額を差し引いて記入する

源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄には、「給料・手当等」欄の「総支
給金額」の「計①」欄の金額からロの新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。

差し引き後の給与総額を基に、通常通り年末調整を行う

以上により、改正後の非課税限度額によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれることになるため、その差引後の給与の総額を基にして年末調整を行います。

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この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!
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