世の会社には失恋休暇や推し活休暇など、ユニークな休暇が多数存在します。名称を聞くだけで興味が湧きますね。
この記事ではまずユニークな休暇制度の具体例を10個、具体的な企業名とともに紹介します。
次に、ユニークな休暇制度導入のメリットや注意点、導入の流れなどについて説明します。ぜひ最後までご覧ください!
・ユニークな休暇制度として
・失恋休暇
・推し活休暇
・ゲーミング休暇
・ライディングデー
・育自分休暇制度
・オセロ休暇制度
・プロポーズ休暇
・浮世離れ休暇
・二日酔い休暇
・スモ休
などがあります。以下でそれぞれについて詳しく見ていきます。
株式会社チカラコーポレーションが失恋休暇という制度をとっています。
「失恋休暇」とは、失恋した翌日から、20代前半なら1日、20代後半なら2日、30歳以上であれば3日の休暇を取得できる制度です。
ウコウコヤオ株式会社が推し活休暇という制度をとっています。
職員の趣味を応援する取り組みとして、それぞれが好きなもののため、誰にも気を遣わないで取得できる休暇となっています。
GLOE株式会社が、ゲーミング休暇という制度をとっています。
年に3回、「集中してゲームを楽しみたい日」に休暇が取れる制度です。
ザ・バートン・コーポレーション株式会社は2010年からライディングデーという休暇制度を採用。
夏季と冬季の計3日間で、夏季は会社が用意する2日間のうち、参加可能な1日を選んでサーフィンを楽しみ、冬季は各自が自由に2日を選んでスノーボードを楽しむという制度です。
どちらも平日に特別休暇を利用して行い、会社からの補助もあります。
株式会社サイボウズは、「育自分休暇制度」という制度をとっています。
「育自分休暇制度」とは、35歳以下のエンジニアやスタッフを対象に、退職後6年間はサイボウズへ復職することを約束している制度となります。
※この制度は「アルムナイ採用」に改められたとのことです。
株式会社ドラEVERは、オセロ休暇制度という制度をとっています。
「オセロ休暇」は、火曜日または木曜日が祝日の場合に、前後の平日(月曜または金曜)を会社支給休暇として付与することで、最大4連休になる制度です。
株式会社グラストは、プロポーズ休暇という制度をとっています。
プロポーズの準備のため1日休暇を付与するというものです。
株式会社トライバルメディアハウスは、浮世離れ休暇という制度をとっています。
5年間働いたスタッフに1カ月間の特別休暇を付与するものとなっています。
トラストリング株式会社は、二日酔い休暇という制度をとっています。
飲みすぎた次の日は、年2回まで午前休暇を取ってよいという制度になっています。
株式会社ピアラは、スモ休という休暇制度をとっています。
喫煙者は通常の休憩時間以外にも1日数回業務を離れることがあり、非喫煙者との業務時間の差が問題ではないか?という従業員からの疑問の声があった中、非喫煙者に対して年間最大6日の有給を与えるものとなっています。
ユニークな休暇制度を導入するメリットとしては以下の3点
・採用力・広報効果
・従業員満足度の向上
・生産性・モチベーション向上
が主に挙げられます。以下でそれぞれについて詳しく見ていきます。
ユニークな休暇制度を導入するメリットとして、採用力・広報効果が期待できる点が挙げられます。
ユニークな休暇制度を導入・公表することで各種メディアが取り上げたり取材にきたりということが期待できるでしょう。
また、そうした拡散を通じてその制度に魅力を感じた求職者が集まるといった効果も見込まれます。
ユニークな休暇制度を導入するメリットとして、従業員満足度の向上が挙げられます。
例えば上述のスモ休(非喫煙者に有給休暇を付与する制度)に関して、世間では「喫煙者が休憩時間外に喫煙のため離席するのは実質休憩でありずるい」という声が見受けられます。
そうした中こうした制度を導入することで、タバコを吸いたい人は従来通り問題なく吸い、吸わない人はその分休暇を得られるようになります。
このようにすることで非喫煙者の不満を和らげられると考えられます。
ユニークな休暇制度を導入するメリットとして、生産性・モチベーション向上につながることが挙げられます。
例えば趣味の時間のための休暇であれば、その趣味の時間までは仕事をしっかりと頑張ろうと思えることで、メリハリの利いた働き方ができると考えられます。
ユニークな休暇制度導入にはデメリットや注意点もあります。具体的には以下の3つ。
・コスト・運用負担
・不公平感や制度の乱用リスク
・就業規則や労基法との整合性
以下でそれぞれ詳しく見ていきます。
ユニークな休暇制度導入によるデメリットや注意点として、コスト・運用負担が挙げられます。
ユニークな休暇制度は原則的には法定の休暇ではありません(法定の休暇であるならばそれが「ユニーク」であるとは言えないでしょう)。
つまり、会社として付与すべき法定の休暇に追加して休暇を与えるということであり、それはその分労働力が減少することを意味します。
また、付与条件がユニークなものである場合、正しく運用するのにコストが多くかかる可能性も考えられます。
ユニークな休暇制度導入によるデメリットとして、不公平感や制度の乱用リスクが考えられます。
ユニークな休暇制度は往々にして”適用条件”がユニークです(休暇それ自体にユニークさを設けるのは難しいでしょう)。
適用条件がユニークであるがゆえに、適用されない従業員にとっては不公平感を感じる原因となっています。
また、適用条件が複雑である場合、総務側が把握することが難しい場合もあります。その場合、総務の目をかいくぐって制度を乱用する従業員も出てくる可能性があります。
ユニークな休暇制度導入による注意点として、就業規則や労働法制との整合性が挙げられます。
ユニークな休暇制度は原則として法定休暇とは異なります。そのため、意図せずに既存の就業規則や労基法などに反する内容になってしまっていたということもありえるでしょう。
ユニークな休暇制度を導入するフローは大枠としては以下の3ステップ。
・ニーズ調査(従業員アンケートなど)
・制度設計・試験運用
・周知・評価・改善
以下でそれぞれについて詳しく見ていきます。
ユニークな休暇制度を導入する最初のステップとして、ニーズ調査が挙げられます。
あまりにも特殊な休暇制度を採用すると、制度として設けたは良いが従業員が誰もその休暇を取得しないということになる可能性が。
そのため、まずはニーズを調べたほうが良いということです。具体的には従業員アンケートなどで実際の従業員の声を聞いて分析するのが良いでしょう。
ニーズ調査が完了したら、次は制度設計・試験運用します。
適用条件や適用の際の総務側での記録方法など、事前に制度設計しておくことは重要です。
また、設計が完了した場合、一度試験運用したほうが良いでしょう。
机上では完璧な制度だと考えていたとしても、実際に運用することで思いがけないトラブルに見舞われる可能性もあります。
そのためまずは、試験運用という形で試してみるのが良いでしょう。
試験運用が完了して実際の制度として導入することにきまったら、次は周知をすべきでしょう。
いうまでもなく、従業員が存在を知らない制度を利用することは基本的に不可能です。そのためまずは、従業員に制度を周知することが肝要です。
周知することで実際に取得・運用する従業員が何人か現れた際には、その評価をして改善すべき点は改善していきましょう。
これを繰り返すことで、より魅力的なものへと制度を磨くことができるでしょう。
この記事ではまずユニークな休暇制度の具体例を、具体的な企業名とともに紹介してきました。そのうえで、導入のメリットやデメリット・注意点、導入の具体的な流れなどについてもみてきました。
今回の内容を参考に、自社にあったユニークな休暇制度を取り入れていきましょう。