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ファイナンスリースとは?わかりやすく解説!オペレーティングリースとの違いは?

HUPRO 編集部
ファイナンスリースとは?わかりやすく解説!オペレーティングリースとの違いは?

リース契約の中でも、資産を実質的に購入するのと同じ扱いになるのが「ファイナンスリース」です。
本記事では、特徴や種類、具体例、オペレーティングリースとの違いまでわかりやすく解説します。

ファイナンスリースとは?わかりやすく解説

ファイナンスリースとは、顧客の指定した物件をリース会社が購入し、その物件をリース期間中に顧客に貸し出す契約です。略称はFLです。

ファイナンスリースには以下の2つの特徴があります。
・ノンキャンセラブル
・フルペイアウト

ノンキャンセラブルとは、リース期間の途中で解約することができないことです。あるいは解約する場合に高額な違約金が設定されており事実上解約することができないものもあります。

フルペイアウトとは、リース物件の使用により実質的に利益を得て、リース物件の使用にともなう実質的なコストを負担することです。
フルペイアウトによるリース取引は、資産を取得した場合と同様の経済的効果や経済的負担が生じると考えられ、多くの場合会計上は売買処理として扱われます。

FLには所有権移転と所有権移転外リースとがある

ファイナンスリース(FL)には
・所有権移転リース
・所有権移転外リース
の2種類があります。以下でそれぞれについて詳しく解説します。

所有権移転リースとは?

所有権移転外リースとは、リース期間の終了後にリースされた資産の所有権が借主(利用者)に移転することを前提としたリース契約です。
企業が資産を長期的に使用し、最終的に自社資産として取得したい場合などに利用され、実質的に分割払いで資産を購入するのと同様の扱いになります。

所有権移転外リースとは?

所有権移転外リースとは、リース期間終了後も資産の所有権がリース会社に残るリース契約です。
リース期間中に借主がリース料を支払い、資産を借り入れて使用しますが、期間終了後には資産をリース会社に返却します。
リース期間終了後に資産が借り手の手元に残らないため、借り手にとっては手元に残る所有権移転リースとくらべて比較的リスクが低いといえるでしょう。

ファイナンスリースの具体例3選!

ファイナンスリースの具体例として
・産業機械のリース
・IT機器・サーバーのリース
・航空機リース

について以下でそれぞれ詳しく見ていきます。
※以下は一例です。また、実際の内容は契約ごとに異なります。

産業機械のリース

例:製造業の工場が最新のNC工作機械(数千万円)を導入する場合

特徴
契約期間が機械の耐用年数に近い
リース終了後は購入(買取)も可能
資金を一度に大きく使わず、月々リース料を支払う

IT機器・サーバーのリース

例:データセンター運営会社がサーバーをファイナンスリースで導入

特徴
導入時に大きな設備投資をせずに済む
契約終了後に購入することも可能
最新機器への入れ替えも契約で調整可能な場合も

航空機リース

例:航空会社が新型旅客機を購入せずリース契約

特徴
契約期間が航空機の耐用年数に近い
実質的に航空機を購入したのと同じ扱い(ファイナンスリース)

ファイナンスリースとオペレーティングリースの違いは?

オペレーティングリースとは、リース契約の内、ファイナンスリースでないものを指します。オペレーティング・リース取引は、税務上、賃貸借取引とされます。

ファイナンスリースと、オペレーティングリースを含む賃貸借契約には主に
・物件
・契約期間
・解約可能か
・賃借料(リース料)
・リース取引に係る会計基準
・契約の更新
に違いがあります。以下でそれぞれについて詳しく見ていきます。

物件の違い

ファイナンスリースがユーザー指定の物件で、ユーザー指定のサププライヤーからリース会社が新たに取得したものであるのに対し、オペレーショナルリースなどでは、賃貸人保有の不動産、動産が対象です。
動産は在庫品の中から選択するため、不特定多数が使用できる汎用性のあるものとなります。

契約期間の違い

ファイナンスリースが一般的に長期契約であるのに対し、オペレーショナルリースなどは一般的に、ファイナンスリースと比べると短期契約である傾向にあります。

解約可能か否か

ファイナンスリースがリース期間中の解約はできない(ノンキャンセラブル)のに対し、オペレーショナルリースを含む賃貸借では、一般的に賃借人は解約権を有します。

賃借料(リース料)の違い

ファイナンスリースでは物件代金その他の費用が全額回収できるようにリース料設定されるのに対し、オペレーショナルリースなどでは、不特定多数の人に複数回賃貸することを前提に、投下した資金と諸費用が回収できるよう設定されるのが通常です。

リース取引に係る会計基準

ファイナンスリースでは通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理がなされるのに対し、オペレーショナルリースでは賃貸借取引として会計処理されます。

契約の更新

ファイナンスリースでは通常リース期間満了後は契約を更新することは基本的にないのに対し、オペレーショナルリースでは賃貸借期間満了後、契約を更新することが可能な場合があります。

ファイナンスリースと、オペレーティングリースを含む賃貸借契約の違いまとめ

https://www.mhlw.go.jp

出典:厚生労働省 【参考】 リースについて

まとめ

この記事のまとめとしては以下の通り
・ファイナンスリースとは、顧客の指定した物件をリース会社が購入し、その物件をリース期間中に顧客に貸し出す契約
・ファイナンスリースの特徴は①ノンキャンセラブル②フルペイアウト
所有権移転外リースとは、リース期間の終了後にリースされた資産の所有権が借主(利用者)に移転することを前提としたリース契約
・所有権移転外リースとは、リース期間終了後も資産の所有権がリース会社に残るリース契約
・ファイナンスリースの具体例としては産業機械のリースなど
・オペレーティングリースとは、リース契約の内、ファイナンスリースでないもの
・ファイナンスリースと、オペレーティングリースを含む賃貸借契約には、解約可能か、賃借料(リース料)、リース取引に係る会計基準などの違いが

リースの中でも特殊な位置づけにあるといえるファイナンスリース。オペレーショナルリースとの違いと合わせて理解していきましょう。

この記事を書いたライター

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