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公認会計士を目指すために会計大学院に行った方が良い?

HUPRO 編集部
公認会計士を目指すために会計大学院に行った方が良い?

公認会計士になるためには、学歴は関係なく、国家試験を突破さえすれば誰でもなることができます。しかし、独学で勉強して合格するのは大変難しい資格です。そこで近年注目されているのが一般的に会計大学院と呼ばれる「会計専門職大学院」です。試験免除の特典ほか、大学院卒の学歴が得られる大学院です。本記事ではそんな会計大学院について詳しくご説明いたします。

会計大学院とは?

会計の実務家を育てることを目的に、2003年からスタートした専門職大学院が会計専門職大学院で、いわゆる会計大学院です。
成り立ちは法曹界のロースクールと似てはいますが、公認会計士になるためには、会計大学院への進学は必須ではありません

会計大学院では、所定の科目を履修の上、単位を修得すると、修了後に、公認会計士短答式試験3科目(財務会計論・管理会計論・監査論)の免除申請が可能という特典があります。また、大学院なので、卒業後は会計修士(専門職)あるいは会計学修士(専門職)の学位を得ることができます。

会計大学院は、社会人教育のための教育の場を提供することも目的として期待されており、働きながら通いやすい、夜間や週末の授業といったフレキシブルなカリキュラムを特色とするところもあります。

公認会計士試験における会計大学院卒の合格率

一部試験が免除されているのであれば、会計大学院卒の受験生の合格率はさぞ高いのか?と思われそうですが、実はそんなことはありません。

年によって変わるので、一概には言えませんが、例えば、2018年の公認会計士試験の合格率は、全体では11.1%なのですが、会計大学院修了者の合格率は7.6%と、むしろ下回っています。
ちなみに一番高いのは大学院在学者が19.6%、それに続くのは大学・短大在学者の16.6%です。

これは会計大学院在学者でも13.4%となっており、会計専門に特化しているはずの会計大学院の修了・在学者ともに、実は、一般の大学院・大学・短大の卒業・在学者よりも合格率は低いのです。(いずれも合格者数/願書提出者)

会計大学院を修了すると、前述のように短答式試験の科目免除がありますが、終了前の在籍者数の合格率の方が高いのを見ると、科目免除があるからといって、簡単には合格できない難しい試験が公認会計士試験であり、短答式の免除に関係なく勉強は早めに始めておくべきだ、ということがお分かりいただけるかと思います。

むしろ、短答式の勉強をしっかりとして試験を突破した人の方が、論文の合格率も高まるという結果になっています。

となると、公認会計士試験を突破するという目的だけで考えると、専門学校よりも多額の学費をかけて、会計大学院に行くということについては、実は遠回りであるということにもなるでしょう。

公認会計士志望だけじゃない!会計大学院

さて、全体的な合格率を見ると、免除する前に合格している人が多いというところからも、公認会計士の科目免除を目当てに会計大学院に行くというのは、実はあまり良い手ではないということが見えてきました。

しかし、会計大学院というのは、専門の大学院なので、専任教員も通常の修士課程よりも多く、その三割は実務家教員、さらに大学の自習室や図書室が使えるとあって、学ぶための環境が充実しています。

こうしたアカデミックな環境で、実務家の教員たちとコネクションを作りながら、しっかりと会計について学ぶことができるというのは、やはり予備校にはない、大学院ならではのメリットと言えるでしょう。

また、会計大学院は、社会人を多く受け入れているので、大企業や官公庁からの出向者も多くいますし、「より学びたい」という高い志をもった人が多いので、教員だけでなく、同じ講座の受講者とも交流をすることで、将来への刺激にもなります。

目先の試験勉強だけで見ると、専門学校に軍配が上がるのかもしれませんが、実際に実務に出た際には、大学院で学んだことが役立つというケースは数多くあります。

ちなみに、会計大学院進学者の進路は会計士だけでなく、同じく科目免除される税理士試験を受ける人もいます。税理士試験は1度合格すれば科目は一生有効なので、会計大学院で論文を執筆し、国税審議会から認定を受けた場合には、会計学1科目または税法2科目が科目免除されるというメリットが大きく、社会人学生も多く在籍しているのです。

会計大学院卒は就職にも有利

会計大学院では、公認会計士試験を目指す人以外にも、大学院卒業という学歴をもとに、民間企業への転職・就職を目指す人もいます。会計分野というのはどの企業にもある部門なので、実務に生かすことができるという点では強みです。早い段階で就職にコミットすることで学部卒よりも待遇の良いキャリアを目指すことも可能となります。

若いうちであれば、いわゆる新卒カードを使って就職活動をすることも可能です。就職浪人するくらいであれば、専門知識を得て、もう一度新卒就職にトライするというのも一つの手段となります。
もちろん、公認会計士試験合格+会計大学院卒という結果であればいうことなしです。

公認会計士合格ということだけではなく、経理・会計スキルの向上など、その後の進路を考えた選択として会計大学院も進路として、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いたライター

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