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経営戦略本部が会社を引っ張る!株式会社TWOSTONE&Sons 取締役CFO加藤真氏が語る唯一無二の管理部門の役割とは?

HUPRO 編集部
経営戦略本部が会社を引っ張る!株式会社TWOSTONE&Sons 取締役CFO加藤真氏が語る唯一無二の管理部門の役割とは?

様々な規模の企業で管理部門のキャリアを歩み、2023年11月に株式会社TWOSTONE&Sons取締役CFOに就任した加藤真氏。今回は、そんな加藤氏がTWOSTONE&Sonsに入社するまでのキャリアの積み方や、入社後のIPO達成および新部署の立ち上げ、自身の考えるコーポレートのあるべき姿などについて、HUPRO編集部が詳しくお話を伺いました。

やりたい仕事から「逆算」してキャリアを描いていく

ーまず初めに株式会社TWOSTONE&Sonsでの加藤様のご経歴を教えてください。

当社には2019年9月に中途で入社しました。当時この会社がIPO準備を進めていこうとしていた中で、内部監査や経営企画という事業側のガバナンス、およびKPIの数値管理の徹底を図ろうとしていました。その役割を担える人材を探している当社と、前職を退職して仕事を探していた私のタイミングがちょうど合致して、入社しました。

2020年7月の上場まで、前任のCFOと二人三脚でIPO準備を進めていましたが、上場後はそれまでに構築したガバナンスの仕組みを回すフェーズに入りました。私のスキルが無くても仕組みを回すことは可能だったので、何か他に出来ることがあるか考えた結果、事業戦略本部の設立に至りました。

IPO準備の段階では、管理が中心となって経営や事業(営業)を引っ張っていくのが一般的なのですが、上場後はそれぞれのやりたいこと・やるべきことが変わってきます。例えば、経営はM&Aや新規事業の展開、事業部はややリスクをはらむ事業への投資、管理部門は開示やガバナンスのルール策定といった守備の部分を進めていきたい、といった形です。放っておくと、これらの3部門の方向性がバラバラになってしまうことが想像できましたので、バランスを取る部署として事業戦略本部を立ち上げたというわけです。当社代表の高原と元々知人だったのでコミュニケーションを取りやすかったことに加え、管理部門としての経験だけでなく、IPO準備を通じて事業を現場レベルで把握できていたことが私の強みだったので、その能力が活かせると考えていました。最初は4〜5人の組織でしたが、今は経営企画機能や業務統括機能など、会社にこれまでなかったが企業成長には欠かせない機能を持つ部署へと拡大してきています。この部署には、ベンチャー企業が成長するにあたって生じる「ひずみ」を解消する役割があると考えています。

2021年11月、上場前から共に仕事をしていた前任CFOが退職したタイミングで、彼がいたコーポレートマネジメント本部(法務部・財務経理部・人事労務部)と事業戦略本部(複数のチームを束ねる経営企画室・プロダクト室)をまとめた経営戦略本部を作り、私が統括する形となりました。

その後は上級執行役員、そして2023年11月の株主総会で取締役CFOという肩書きをいただいています。やること自体は大きく変わっていませんが、企業規模の拡大や時価総額の上昇に伴って、視座・範囲・高度さ、そして私自身が背負う責任は増しています。

ー株式会社TWOSTONE&Sonsにご入社されるまでのご経歴もお伺いできればと思います。

新卒で入社した企業から財務経理として管理部門に携わっていたのですが、その理由を紐解くと高校時代まで遡ります。私は高校時代から会社の経営に携わりたい、そのために経営企画の仕事に就いて会社に意見を言えるようになりたい、という漠然とした考えがありました。また、経営企画につくためにはその前に財務数値の知見を習得できる経理部などの部署を経験する必要もあると考えていました。

私の価値観として、キャリアはゴールから逆算で考えるべきだと思っているので、高校時代からキャリアのゴールまでにやるべきことの全体を描いていました。やるべきことの順序を見出した結果、高校卒業後は「経営企画になるためのステップ」として経営を学べる大学を目指し、中央大学の商学部に入学しました。

就活では、大学3年生の時に、IT系のベンチャー企業から内定を頂きました。ベンチャー企業ならスピード感を持って裁量権が与えられるので、その成果次第で経営にも早い段階から携われると思って志望したものの、その環境で得られる経験に疑問を持ち、結果的にこの会社には入社しませんでした。私自身が欲する経験を得るためにも、“経営企画も含めて、管理部門の基礎が固まっている程度には大きく、一方で仕事の「手触り感」が感じられるほどの「ちょうどいい規模感」”の上場企業を選び、入社しました。新卒として入社後は、2年ほど営業企画やマーケティングなどを経験し、その後に希望の経理部に配属されました。

そこで2年ほど経理の経験を積んだのち、功績が認められ親会社の人事部に抜擢されたものの、仕事が合わず退職しました。経営企画をやるにあたっての武器として、人事のスキルがあってもいいかなと思い挑戦してみたのですが、数字から答えを見つけていきたいと考えていた私には向いていなかったというのが正直なところです。

そのため、自身のキャリアを元に戻すといった意味で26歳の時に株式会社フレンテ(現株式会社湖池屋)に転職しました。経理部財務会計課に配属され連結決算や開示業務や資金繰りなどを担当しました。単に業務を任せてもらえるだけでなく、自分で資金運用なども提案して実行させてもらえるなど、なんでもやらせてもらえる環境だったので、自分が得たいと思っていた知見を習得できました。

ー1社目と2社目で、会社の規模感もご自身の役割も変わったかと思うのですが、そのような違いは感じましたか?

1社目はそこまで人数が多いわけではなかったのもあり、今から思うと少しベンチャー感があったように感じます。少々無理を言われることもありましたが、単調よりも刺激を求める私にとっては恵まれた環境でした(笑)。なんでもやるぞというか、何でもやらなきゃいけない!という雰囲気は、1社目の方が強く感じました。どちらも新卒や若手を大事にする会社ではありましたが、2社目のフレンテの方が財務会計課・管理会計課と分かれているように、より組織立っていたというのもあってか、落ち着いていた印象があります。

2社目は仕組み化が非常にされていて、それを実地で理解できる環境があったのはよかったです。1社目は個の力を試せる会社、2社目は仕組みを学べる環境がある会社というイメージです。

ーそこから転職しようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけとなった要素は3つあります。
2社目に入った時から、次は30歳でベンチャー企業に行くかどうかの決断をしようと考えていたというのがまず一つです。30歳までは「会社」というものを学ぶ修行の期間でその先は希望のキャリアステップを踏んでいくとイメージしていたので、その選択をするのは自然な流れでした。

二つ目は少しメタ的な話になってしまいますが、会社が他の企業から増資を受けたことに起因しています。親会社がつくと、思い切ったことやダイナミックなことがしづらくなり、言われたことをやる形になってしまう。これは自分の描く経営に携わるというキャリアとは違っていて、つまらないと感じてしまいました。

三つ目は、評価のされ方が気に食わなかったことです(苦笑)。これは自分目線になりますが、当時の評価では、自分より低い成果の人が自分同等の評価をされているなど、まっとうな評価が得られない環境だと感じていました。そもそも管理部門自体の評価が低かったので、失望というよりは、やっぱりこういった環境なのか。という変な納得感がありましたね(苦笑)。

上記の背景から退職を申し入れ、当時の執行役員から「ベンチャーは甘くない、知人の話を聞いてからでも判断は遅くない」と、当時GameWith社でIPO準備を行っていた伊藤修次郎さん(現:情報戦略テクノロジー社 執行役員)を紹介され、逆に「ベンチャーって楽しいよ」と背中を押されたのも、今となっては良い思い出です。
ちなみに、この伊藤さんが私とTWOSTONE&Sonsを結び付けてくれた方でもあるので、人のつながりはとても大事だと思っています。

上場企業で培ったノウハウをベンチャー企業に還元する

ー実際ベンチャーの管理部門に入ってみて、どんな違いがありましたか?

衝撃を受けました(笑)。これまでの職場のような仕組みも整っていませんでしたし、周りとのコミュニケーションも思うようにできませんでした。正直、入った当初は自分のキャリアを無駄にしたなと思い、ノイローゼになって家族に心配されたくらいです(笑)。

ーそこからどう持ち直したのでしょうか?

悩んで、考えに考えた末、入社3か月目くらいに「自分がやりたかったことは、基礎が固まった企業で学んだことをベンチャーに入れ込むことだった」という原点に辿り着いたんですね。そこに価値を見出したいということを思い出して、今の環境を作り替えようというモチベーションを持てるようになりました。

ーでは、思い描いていた通り、大手企業で培ったノウハウをベンチャー企業に還元する形が実現できたということですね。

そうですね。今思えば少し恥ずかしいですが、最初は「かっこいいベンチャーで働きたい」とか「ベンチャーで活躍したい」という感情が先走ってしまう時もあったんだと思います(笑)。その結果、ベンチャーで働くという目的だけにフォーカスしてしまったために、これまでに学んだ会社の仕組みや着実に身につけていた知識を、ノウハウのない企業で自分が責任を持って還元しようというコミット力が抜けてしまっていたんです。
上述の通り、自分の役割を改めて振り返り理解したおかげでその状況から打開できたのが、私のキャリアの転換点だったと思います。そしてそれは、まだまだ仕上がっていないその会社の規模感だからこそできた経験だと思っています。

ー株式会社TWOSTONE&Sonsへの入社のきっかけを教えてください。

私はIPOに関わる人が集まるコミュニティに参加していたのですが、そこで2018年に当社代表の高原(代表取締役COO高原克弥)と出会ったこと、そして当社の人員募集と私の求職活動のタイミングが合ったことがきっかけといえます。

最初に会った時、高原から説明された企業のビジョンはとても興味深く、熱量を持ってそれを説明する高原自身にも魅力を感じていました。2019年に先述の伊藤さんを通じて入社を検討することとなったのですが、以前の印象もあって、どういう会社かイメージできたのも入社の後押しになりましたね。そして、転職の際に重視していた「経営者が自分の意見に耳を傾けてくれるか」「経営者がIPOに対して真摯であるか」「経営ビジョンを理解できるか」「自分自身を活かせる職場であるか」といったポイントについて、TWOSTONE&Sons社と高原が合致していたのも大きかったです。

IPO達成に向けて社内の誰よりも事業に詳しくなる

ーそのような経緯で入社された株式会社TWOSTONE&Sons(旧社名:株式会社Branding Engineer)では、今に至るまでに3ポジションを経験されていますが、まずはマザーズ上場に至るまでのお話を伺えればと思います。

IPO準備という観点では、内部監査がちゃんと回っていない、予算がKPI管理できていない、財務会計と管理会計の不一致が起きているなど、経営判断に資する資料が正しく作成できているとは言い切れない状況でした。この部分を立て直すために、それぞれの観点の「あるべき論」を立て、これを作るのに必要な施策を打っていきました。まさに先ほどお話した「基礎が固まった企業で学んだことをベンチャーに入れ込む」という行動を進めていった形です。

ーそんなマザーズ上場に向けた動きの中で、それまでの会社での経験が活きたなと思うところはありましたか?

やはり上場企業の(管理部門の)ゴールを知っているということです。社内で上場企業の経験者が自分しかおらず、「あるべき論」つまり理想の姿を経験したことがあるのは自分しかいませんでした。そういう意味ではそのような経験や知識は活きたと思っています。

あとは最初のベンチャー企業で、ぐちゃぐちゃな環境をどう整えていくのかといった経験がありましたのでそれはこの会社でも活かせました。
現場のリアルな状況を把握すべく事業部の定例会議に全て参加し、ビジネスモデルからKPIまで、とにかく早く理解するように努めました。

ー事業を現場レベルで理解していると自信を持って言える管理部門の方は少ないと思うのですが、どのように追求していったのでしょうか?

これは持論としてですが、管理部門を正しく運営するには、事業部の現場を知らなければならないと思っています。そのためまずは事業部の定例に出て事業を理解し、現場のレベル感やボトルネックの把握に努めました。それぐらい理解しておかないと直すところも分からないですし「あるべき論」を盾にして余計な事を言うだけの評論家になってしまうので、責任を持って意見を言う立場であるためにも、当然のことだと思っています。

ーIPO前後の段階の企業では、現場の攻めていく姿勢と管理部門の守る姿勢がぶつかることもあると聞きますが、そういった際にはどのように乗り越えていったのでしょうか?

IPO準備の段階ではやってはいけないことをやらない、怪しいことをやらないというのが正義なので、過度な攻めは基本的にしないという方針が、両代表をはじめとして全社的な共通の感覚でありました。ですので、そこまで苦労しなかった印象です。

当社の場合、むしろIPO後の方が苦労しましたね。想定していた通りではありましたが、IPO後は経営層や事業部門のやりたいこと、管理部門が守りたいことが衝突するような状況になり、物事の調整が大変だった記憶があります。ただ、この部分についても現場とのミーティングなどを通じて、コミュニケーションを取ることで解決していきました。
話し合うことで自ずと現場との会話レベルが上がり、徐々にズレが小さくなっていきました。もちろん、双方に私の意見を聞き入れてくれる度量があったことは大きかったと思っています。また、前任CFOがコーポレート全般を管轄してくれていたおかげで、現場とのすり合わせに集中できたのも大きかったですね。

ー前任CFOの方が退職されてから変化を感じることはありますか?

メリットを強いて挙げるのであれば、コーポレートも管掌範囲に入った結果、前任CFOと私の間での細かい調整が必要無くなったのはメリットといえますが、デメリットとなる変化の方が圧倒的に多かったです(苦笑)。

まず前任CFOが担当していたコーポレート(法務部・財務経理部・人事労務部)を私が担わなければならなくなったことで現場を仔細に見ることが物理的に難しくなったことが挙げられます。また、当時のコーポレート部門は、私から見て横の連携が希薄というところを課題として感じていました。

コーポレート部門は前任CFOのディレクション能力が高かったこともあり、いわゆる縦割りのような形になっていました。私が同じ形でディレクションをすれば問題なかったのですが、管掌範囲的にそれが難しい状況であり、各部門間の横連携を強める必要がありました。そのためお互いの業務が分かるように、コーポレートの部門長全員が参加する定例を設け、部門運営を行う形としました。また、情報漏洩観点からコーポレートは部屋を別にしているのですが、各部門の横連携を強めるためにもあえて私がその部屋に席を作らないことで、各部門長が部門内のマネジメントだけでなく、部門間の横連携を意識できるような形にしました。
各部門長にも横連携を強めて欲しい旨を伝え、彼らが意識をもって業務に取り組んでくれたこともあり、今では各部門長同士で横連携をしつつ業務を進めることが出来る、理想的なコーポレート組織を作ることが出来たと考えています。

急成長する会社を支える経営戦略本部とは?

ー経営戦略本部長になってからは、横の連携の強化や社内の調整をメインでご担当されていたのでしょうか?

私が入り過ぎなくても組織として機能するように、個のやることを明確化して成長を促しました。そして私個人の能力だけでできることには限界があると感じ、室長として実務も担当していた経営企画の分離化も進めていきました。
会社がどんどん大きくなっている段階だったので、作業の部分を分離して、私が考える部分を重点的にできるような体制にする必要があったんです。現場とコーポレートの橋渡しについても、他に任せられるように仕組み化していきました。
現在の経営戦略本部は、会社がさらに大きくなるにあたってそれを十二分に支えられる組織であると自負しています。

ー株式会社TWOSTONE&Sonsの根幹を支えている経営戦略本部ですが、具体的にはどのような組織体制になっているのでしょうか?

経営戦略本部は財務経理部、法務部、人事労務部、人事総務部、プロダクト室、経営企画室、業務統括チーム、PR/IR Teamで構成されています。財務経理部、法務部、人事労務部がコーポレートマネジメント(CM)、プロダクト室、経営企画室、人事総務部が経営企画・事業戦略に該当し、業務統括チームとPR/IR TeamはCFO直轄組織としています。
この中で事業への理解を深めて現場とコーポレート部門の懸け橋となっているのが、業務統括チームです。ここには業務をする中で具体的な課題感を持ち、それにただ文句をいうのではなく改善を目指している人に適性があると思っています。

ー業務統括チームのような事業部との懸け橋になる部署がある会社は、珍しいと思います。

そうですね、あまりないかなと思います。私はIPO前から、当社が非連続的な成長をし続けるためにもこの部署を作る必要があると考えており、前任CFOとも早くから話していました。ホールディングス化とこの部署の立ち上げは入社当初からやりたいと思っていましたね。新規事業を作るとなると、今までは事業部の社員が一人で立ち上げていたのですが、その体制だと契約関連などの対応が分からず業務上のロスが生まれるばかりか、その社員・コーポレート共に相当のストレスが生まれていました。本来その社員には100%以上の力を新規事業に注ぎ込んでほしいのに、そのような苦手な部分にも対応しなくてはならないために70%くらいの力しか使えなくなってしまう。コーポレートは新しい事業への理解、適切な管理運用を求めて説明するが、うまく伝わらないため、業務効率が著しく低下する。
これは双方ともに非常に勿体ないので、業務統括チームがそのフォローに入ることで、スピード感をもって事業立ち上げや事業成長を進めることができるようにしています。

「成長できる環境」で変化についていく

ー組織としての雰囲気や社風についても、お聞かせいただければと思います。

経営戦略本部の雰囲気でいうと、みんなが成長したいと思っていて、今の環境をわちゃわちゃと楽しんでくれているのかなと思っています。「わちゃわちゃ楽しむ」というのは、いわゆるルールが決まっていなくてカオスな状況を楽しむとかでは無くて。例えば会社が海外公募増資やM&A、新規事業に挑戦していく、その環境を自身の経験を得られる場としてポジティブに取り組み、楽しむという意味合いです。新しいことをやったり、色んなことを経験しながら成長していく過程を楽しむ風土が当社にはあります。新しいことを楽しまず、ルーティンワークを好むような社員は向かない環境だと思います。
今の部長陣も初めから部長という者は少なく、上場前からメンバーとして所属し、どんどん挑戦して結果を出し、部長になったという人が多いです。

管理部門というのは、会社のフェーズによって評価軸が変わっていく組織だと考えています。例えばIPO前は人間性を重視していたものが、IPO中には達成に向けた知識を持っているかが評価軸になる。そしてIPO後は開示のルールなどをしっかり守る能力が重要視されたりします。このような評価軸の変化についていける人が、当社の社風に合っているといえます。そういう変化の中で残ってきたのが今のメンバーなんです。
少しドライな表現になってしまいますが、当社の場合はよく言われる「会社と一緒に成長したい」という志向性とは実は少し違っていて、会社の成長スピードが非常に速い環境であるため、個人の成長を待てるわけではありません。ですので、「会社の成長についていく」というのが正しいのです。会社の成長についていくためには、業務外での知識習得などをしていないといけないので、そこがつらいと感じる人はいると思います。管理部門はその企業のおかれたフェーズによってやることがドラスティックに変わる部門でありますので、どうしても止むを得ない部分だと思っています。

そのため当社で活躍する人材は、会社の成長に多少無理やりにでもついていきそれを楽しむ、ないしは将来の自分のなりたいポジションやキャリアプランと、当社での仕事が繋がっていることが大事だと思っています。キャリアプランに繋がるのであれば、短期的に見れば無駄とか理不尽に感じる仕事でもやる必要があることを理解できる。将来から逆算して今やるべきか判断できる人、なぜ変化に耐えるのかというところまで咀嚼できている人が一番「ハマる」と思いますし、理想のキャリアに挑戦できる環境であると思っています。

ですので、面接においても「将来何になりたいんですか」というところから先に聞いています。一般的には「当社にどうして入りたいんですか」という質問からすると思うんですが、その順番を逆にしています。正直、当社への志望理由よりもむしろ、「この環境をあなたのキャリアにおいてどう使い倒しますか」という視点を重視しています。

ーありがとうございます。ここからは貴社の今後の会社や経営戦略本部としての方針についてお伺いできればと思います。

会社として日本を代表する企業になっていきたいので、そのためにこれからも成長していきたい、そのために成長に貪欲な会社でいたいと思っています。M&Aや既存事業の成長もどんどん進んでいくと思っているので、その中で必要になってくるコーポレートアクションや戦略策定について、スピード感を持って的確に対応していきたいと思っています。
経営戦略本部は当社が日本を代表する企業になる過程として、それを支えることのできる最強の「事業支援集団」になりたいと考えています。
よく「事業家集団」という言葉は様々な企業で聞くと思いますが、それは事業部にフォーカスした言葉だと感じていて。事業家集団の管理部門版を作りたいというイメージです。

我々の組織の根本として、当社の管理部門を経た人がどの企業に行っても活躍できる人材を育てたいという想いがあります。定年までこの会社にいてほしいと必ずしも考えているわけでは無くて、当社の組織や環境を使って自分の将来なりたいものに向かって邁進してほしいといった考えです。もちろんその上で当社へのロイヤリティを抱いて居続けてくれるというのはウェルカムです。

TWOSTONE&Sonsから出てきた人っていいよね、こういう経験してるのすごいね、と言われる人材を輩出できる会社になっていきたいと考えています。

ー今回お話を伺って、管理部門の存在感がすごく強い組織だという印象を受けました。

直接部門と間接部門は対等だと思っていますので、管理部門を軽視されないようには常に意識しています。決して偉ぶっているわけではないのですが、管理部門が事業に追随するのではなく、管理部門がいるから事業が回っていると当事者も考えています。それは事業部も同じ思いでしょうね。そうやって対等だからこそ、お互いやりにくさはあまり感じていないと思います。

ただ会社としてまだ足りていない部分もあります。例えば、管理部門と事業部の役割の線引き。ここは多くのベンチャー企業が苦しむ部分です。
この線引きが見えているとお互いの役割が明確になるものの、上場後の管理部門にミスや間違いが発生してはならないフェーズにおいては、不明瞭なことがあり、それを事業部門で対応できない場合は、本来の線引きを超えて管理部門が介入せざるを得ません。そうなると、事業部はその線を当たり前として基準を下げてしまうことが起こり得ます。
なのでこのラインを明確化したいと考えています。明確化したらそのラインを超えた業務をしないというわけでは無くて、その線を超えるサービスを受けているという考えをお互いが持ち、お互いにリスペクトを持ちながら業務を進めていく体制にしたいと考えています。

ー加藤様ご自身の今後目指していくキャリアについてはいかがでしょうか。

高校時代に描いていた自分のやりたいことは一旦ゴールを迎えたと感じているのは正直なところです。今後は当社が非連続的な成長を遂げるためにどのような管理部門が必要なのか、といった理想を追い求めて行きたいです。

もともと40歳までに、会社で意見を述べることのできる経営企画になりたいと考えていたのですが、気づけば35歳の時点でそれ以上の上場企業の執行役員として経営に参画できる立場になり前倒しで達成。2024年でその40歳を迎えますが、現在は取締役CFOというポジションを拝命している状況です。もちろん今後も成長していくという思考は強く思っていますが、個人のキャリアとしてはある程度満たされた状態であるというのが正直な所です。

そんな中で、先ほどの「最強の事業支援集団」を作る道のりで、この会社で私が関わった社員が他の企業でも活躍できるといった状態をどんどん作っていきたいです。
その際に、「あの会社にいてよかった」とか「加藤さんと働いてよかった」と言ってくれる人を増やしていけるとなお嬉しいですよね。でもそれが主目的というよりは、それによって様々な会社で強い管理部門を作るための概念を広めていきたい、と考えています。

そのためにも、この会社をどこまで大きくできるか挑戦したいというのはあるので、仮説検証を繰り返して理想の管理部門を追い求めて行きたいです。

ー最後に貴社へ応募する方へのメッセージをお願いします。

自分が何になりたいのか、そのためにどう成長したいのかを、是非考えてください。先ほどもお伝えしたように、当社は「成長させてくれる環境」ではなく「成長できる環境」です。
なんでもできる環境、任せてもらえる環境、チャレンジできる環境で、自分をどこまで成長させられるか、どこまで愚直に成長に対してコミットできるかが重要です。

このような環境とご自身の成長したい方向性がマッチしている人は、間違いなく「ハマる」はずですので、是非ご応募お待ちしております!

お話を伺った株式会社TWOSTONE&SonsのHPはこちら
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この記事を書いたライター

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カテゴリ:キャリア

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