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【FCF2024】若手採用責任者が語る、 サイバーエージェントの若手抜擢カルチャーとは?

Hupro Magazine編集部 川辺
若手採用責任者が語る、 サイバーエージェントの若手抜擢カルチャーとは?

2024年6月23日(日)、株式会社ヒュープロ主催の就活・転職イベント「Finance Career Forum 2024」が開催されました。本記事では、同イベントのオープニングコンテンツとして株式会社サイバーエージェントの新卒採用責任者である門倉拓哉さまにお話しいただきました講演内容について、ご紹介します。

そもそも抜擢とは?

皆さんは「抜擢」と聞いて何をイメージしますか?

スポーツ界で言えば、2017年にサッカーのU-20日本代表に抜擢された久保建英選手、2023年に野球で球団64年ぶりとなる「高卒新人でのスタメン1番起用」に抜擢された巨人の浅野翔吾選手、スポーツ以外でも今年5月1日に「ココイチ」の新社長に22歳のアルバイトだった諸沢莉乃さんが抜擢されるなど、様々な形があります。

サイバーエージェントでは、「抜擢する」とは「期待をかけて任せる」こと、「抜擢される」とは「期待をされて任される」ことだと定義しています。
今までの人生で、何かしらに抜擢された経験があるという方もいらっしゃるのでないでしょうか?
具体的に期待をされるとは、成果や実績が出る前に任されるということだと、我々は考えています。若手は特に経験が少ないので、実績や成果が出る前に抜擢が発生しうるのです。

抜擢事例

ここでは、実際にサイバーエージェントでどんな抜擢があったのかを簡単にご紹介します。私のような若手社員が社内にはたくさんいますので、まずは若手の抜擢の事例をお伝えさせていただきます。

22年新卒入社の3年目の社員でゲーム事業部の子会社で最年少執行役員を務めている者がいたり、同じ社歴でAI事業部の新規事業責任者、皆さんの中で使っていただいている方もいるかもしれない「ABEMA」のメディア事業においてSNSクリエイティブスタジオ責任者を任されている者もいます。このように、3年目でも大きな事業への抜擢が積極的に行われているのです。

また2~3年上の代では、広告事業部の最年少女性局長や、子会社の社長を経験したのちにDXコンサルのマネージャーをしている者、広告事業部のリテールメディアの局長を務める者もいるなど、幅広い形で抜擢が行われています。

さらに若手の抜擢だけでなく、6~10年目の社員が子会社の社長に抜擢されるケースが複数あるなど、社内で非常に多くの抜擢が行われています。
実際、2年前にも5人の社員が執行役員に抜擢され、比較的若い世代の役員が多くいる状態となっています。

抜擢が生まれる理由

サイバーエージェントで、このような抜擢が発生し続けている理由は、大きく分けて2つあります。会社に入った1年目から抜擢されたいという方が企業を選ぶ際、これがあるかどうかという軸で見るといいのではないか、という視点でお話をさせて頂きます。

一つが成長戦略がある会社であること、もう一つが抜擢を生むカルチャーがあることです。これはとても大事なポイントと言えますので、具体的にサイバーエージェントではどのような環境なのか、紹介していきます。

まず成長戦略に関しては、成長分野で事業をすること、「上りエスカレーター」に乗る ことの二つを大事にしています。成長する事業、つまりITというフィールドにおいて、関連した広告ゲームメディア、そして新規事業を展開していった結果、100を超える事業を創り出すことができました。成長する産業で勝負したからこそ、成長事業を多く創出できたのです。
そして、成長する事業が生まれれば生まれるほど、それだけたくさんのポストが発生することになります。部活やサークルでも成長している、つまり上り調子のチームであればそれだけポストが生まれるものです。強いチームは1軍・2軍・3軍…と分かれていることが多いですが、この軍が増えればその分キャプテンや副キャプテンといったポストが生まれるわけで、企業もそれと同じなのです。

次にカルチャーについてですが、我々サイバーエージェントは、人の可能性を信じて個のやる気をとにかく尊重します
当社が事業を創る上で大事にしている言葉として、「人材が先、事業は後」という言葉があります。その人がどんなことをやりたいのかだったり、どのくらいの可能性があるのかという部分に意識を向けることで、抜擢が起こるのです。

このように成長事業を多く創出することでできたポストにやる気のある人材を積極的に当てはめていくことで、抜擢が生まれると考えています。

ではここからは、どんな人材が抜擢されるのかについて見ていきましょう。これはサイバーエージェントで活躍する社員の共通点でもあるのですが、「言うことは壮大 やることは愚直」であることが、抜擢を引き寄せると考えています。「言うことは壮大」であること、つまりはビックマウスであるということです。これは社長の藤田も重要だとしているポイントです。

抜擢というのは成果が出る前に期待をかけて任されることなので、どのように宣言をし、その達成のためにどういう努力をしてきたかが評価される形になります。ビックマウスでありながら地道な努力を重ねることで信頼残高を貯蓄し、その信頼残高に対して上司や役員が投資をする形で抜擢が生まれるのです。
宣言をして努力を継続すると、認知が徐々に上がっていきます。ここからは社内でどんな「認知→抜擢」の事例があったのか、お伝えさせていただきます。

まず一人目の例として、現在常務執行役員をしている山田について紹介させていただきます。山田は入社した当初からサイバーエージェントの2代目社長になると宣言しています。このようなビックマウスに加え愚直に成果を求め努力をしてきたのが身を結び、27歳という若さで最年少執行役員に抜擢されました。

二人目の例として、現在サッカーチームのゼルビアという会社の経営をしている上田を紹介させていただきます。上田はW杯で日本を優勝させると宣言しています。いつか自分でサッカーチームを作りたいと宣言し、「ABEMA」で成果を残したのちに、念願のサッカーチームの代表取締役COOに抜擢されました。

このような認知を獲得するための仕組みや施策の一つに、「YMCA制度」があります。
これはYoung Man CyberAgentの略で、一言でいうと若手の可能性が拡がる施策です。これは若手にスポットライトをあてて、その人たちの抜擢を引き起こしていくための組織にあたります。

他にも「BREAK8」と呼ばれる幹部候補を育成するための施策や、経営者の視点を養成する「YMCAあした会議」という会議体も存在します。この会議では社長や役員が、若手の感じる全社的な課題を聞いて決議を行い、場合によってはそこで生まれたポストにそのまま抜擢するという仕組みが取り入れられています。

また、私自身が「ピカログ」という若手の才能を発掘するための施策に選んでいただき、そこでのプレゼンで役員など様々な方からの認知をいただき、昨年2月に最速で弊社の採用責任者に抜擢されました。

もちろん機会が無ければ認知を獲得する難易度は高いので、ぜひ皆さんが頑張っている組織や部活・サークルでどうやったら認知の機会、つまり宣言したり努力をアピールする機会があるのかを今のうちから探していくのがよいでしょう。

ここまで抜擢についてお話ししていきましたが、ワクワクされる方が多い一方で、失敗のリスクもあるのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。実際、リスクはつきものだと思います。
サイバーエージェントでも、子会社2社の社長に抜擢されたものの、うまくいかず撤退せざるを得ないというケースもありました。ただこの社員は現在、DXコンサル事業でマネージャーとして組織を率いています。つまり、失敗の経験が次につながっているということです。
サイバーエージェントのmission statementという目標を達成するための行動指針があるのですが、その一つにも、「挑戦した敗者にはセカンドチャンスを」という言葉があります。つまり、挑戦して失敗してもまたチャンスが与えられる会社であるということです。
このようにセーフティーゾーンがあるからこそ、挑戦においてフルスイングができるのです。

抜擢の効果とその先

最後に抜擢の効果とその先ということで、抜擢されるメリットについて紹介していきます。

一番大きいメリットは抜擢が成長に繋がることです。若手が育つ自走サイクルのファーストポイントに抜擢があります
抜擢されると、自分で考えて自分で決めることが多くなります。なぜなら、期待をかけられて任されたからにはやってやるぞ、という気持ちになるからです。そこでの決断で上手くいくこともあればそうでないこともあります。

ただ、そのように自分で決めたことであれば、たとえ失敗したとしても財産になるのです。失敗から学習してまた次の抜擢につなげるための糧になるからです。
また、抜擢によって自走のサイクルがONになります。ですので、抜擢を繰り返しているサイバーエージェントは、セルフリーダーシップを発揮して自走できる社員がたくさんいるのです。

20歳で大きな挑戦をしたいとか、最速でキャリアを形成したいとか、将来会社を経営したい、起業したいといった様々な希望を持った方がいらっしゃると思います。ぜひ、抜擢というキーワードを心に留めていただき、抜擢される人材を目指していただければ幸いです。また、抜擢された後の決断する経験」が皆さんを確実に成長させます。ぜひ次世代を盛り上げていくために、皆さんと一緒にフルスイングしていければなと思っています。

本日私からの講演は以上になります。ありがとうございました。
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この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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