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FASは本当に激務なのか?実情を業界特化のキャリアエージェントが解説します!

エグゼクティブキャリアアドバイザー 後藤 大輔|Daisuke Goto
FASは本当に激務なのか?実情を業界特化のキャリアエージェントが解説します!

「FASは激務と聞くが、本当なのか?」、「FAS業界で働きたいが、忙しそうで挑戦するか迷ってしまう」というお悩みがある方は多いのではないでしょうか?本記事ではそんなFASについて、激務と言われている働き方の実情やそれでも転職先として人気な理由、BIG4の状況まで、業界特化エージェントが解説します。

FASは本当に激務?そのリアルとは

FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)業界は激務というイメージを持たれている方が多いでしょう。ただ、実際にFAS業界で働いたことが無ければ、そのイメージが正しいのか分からないと思います。まず、そんなFAS業界の働き方について見ていきましょう。
働き方を判断する指標として出勤日の残業時間と、休日の状況について確認していきます。

FAS業界の残業時間は多い?

FAS業界の残業時間は平均して月40時間程度と言われています。社会人として働いている方なら特に、この残業時間の大変さが分かるのではないでしょうか?また、FASの主業務となるM&A業務の案件進捗状況次第では80時間以上の残業をする必要がある月もあるため、残業時間の面においては激務であるといえます

FAS業界は休日も仕事をしている?

弊社ヒュープロでご案内させて頂いている求人では多くのFASの求人が完全週休二日制で土日祝日が休みとなっており、有給休暇も年間10日は最低でも付与されるのが大多数です。
2024年は土日祝日が118日なので、年間休日118日ということになりますが、これは平均的な休日日数であると言えるでしょう。

そして大事なのが、休日に仕事をしているかどうかですが、基本的には休日に仕事はしていないようです。クライアント企業の経営陣も、基本的には土日祝日休みなので、やり取りをする機会がほぼないことが理由です。
ただし、スキル習得や最新の経済や業界の確認などを行う自学の時間に休日を充てる人は一定数いるのが、リアルな状況です。どうしても平日はクライアントとのやり取りなどの業務に追われ、まとめて学習できる時間を取るというのは難しいようです。この時間を自己研鑽の時間と捉えることができればそこまで負担に感じないかもしれませんが、休日は完全にオフ、という働き方ではないのは事実です。

【結論】FAS業界は激務なのか?

激務と感じるかどうかは人それぞれではあるものの、上記のような働き方を「快適な労働環境」と思う方は少ないでしょう。ただし働き方改革が進んでいる現代において、休日を仕事にしか使えなかったり、体調不良になるほどの激務を強いる企業はありません。確かにある一定の体力やメンタルは必要ですが、大きな懸念や嫌悪感を持つほどのものではないのです。

ただし繰り返しにはなりますが、決して働きやすい環境であるとは言えないので、ワークライフバランスの充実を最優先に考えて転職活動を行っている方などにはマッチしないでしょう。

FASはなぜ激務なのか?

ではなぜFAS業界は、激務なのでしょうか?

M&A案件が完了するまでに必要なプロセスや時間が多い

M&A案件の依頼を受けてからM&Aが完了するまで、大体8ヶ月程度、場合によっては1年ほどかかります。ただ時間がかかるだけでなく、その業務量についても多く、専門性が高い業務もあります。そんなM&A案件を複数件同時に対応している場合は、より多忙を極める形になるので、激務と言わざるを得ない状況になってしまいます。

常に学習しておかなければならない

M&A業務は専門性が高いものも多く、習得するには知識をつけることが欠かせません。また、社長など企業のトップクラスの経営陣がクライアントですので、信頼関係を構築するには、経済情勢やM&A業界のトレンドなどを最新の状態に常にアップデートしておく必要があります。こういった時間も日々の業務をするのとは別、場合によっては休日にも確保しなければならないため、激務に繋がってしまいます。

成果が評価や年収に大きく影響する

FAS業界は、個人の実績に応じて給与を上乗せしていくインセンティブ制度を取り入れている企業がほとんどであり、はっきりとした成果主義となっています。成果を出して年収を上げるために少しでも多くの時間を仕事に費やそうと、主体的にハードワークを選ぶ方も少なくありません。

FASが激務にも関わらず人気の理由は?

激務なイメージがあり、実際にかなり多忙なFAS業界ですが、転職市場の中では人気の転職先です。ここでは、その人気の理由を深堀りします。

高年収

FAS業界は高年収を目指せる業界としての認知度が高く、人気を集める大きな理由の1つです。役職別の年収帯は下記のようになっています。

アソシエイト:600〜700万円
シニアアソシエイト:800〜900万円
マネージャー:1000〜1200万円
ディレクター:1200万〜1500万円
パートナー:2000万円〜

日本ではトップクラスの給与水準の業界ですので、ハードワークでもとにかく稼ぎたい!という方からの人気を集めています。

実績を上げた分、評価が上がる

先ほど紹介したように、インセンティブ制度を取り入れている企業が多いので、所属年数や年齢にかかわらず、成果を上げた人の評価が上がります。こういった面で、自分の可能性を試したい人や、正当な評価の下で働きたい人が、挑戦しています。

やりがいを持って仕事ができる

FASでほとんど必ずサポートすることになるM&Aは、売り手企業にとっても買い手企業に企業にとっても大きな影響を与えるので、当然責任も大きいです。大きな仕事を任されるという責任感や、失敗できないというプレッシャーと戦うことにもなります。一方で成功させた時には大きな達成感を味わえたり、クライアントの経営陣から感謝されるは、他では経験できない仕事の醍醐味と言えるでしょう。

BIG4系のFASは激務なのか?

そもそもBIG4系のFASとは?

BIG4系のFASとは以下の4社のことをいいます。

・KPMGフィナンシャルアドバイザリーサービス
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング
・デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー
・PwCアドバイザリー

BIG4はコンサルティングファームや会計事務所、監査法人などがある世界規模の4大総合系ファームです。BIG4系のFASもそれぞれが大規模で、知名度が高い企業となっています。その安定性や平均年収の高さから、就職・転職先としても非常に人気です。

BIG4系のFASの働き方は?

業務内容自体はFAS業界の企業と変わらないため、専門性の高い業務を身に着けるために必要な時間や労力は同じようにかかります。

ただしBIG4は分業制を採用しているため、M&A業務の一部だけに集中して短期間で習得し、専門性を高めることもあります。そのため、学習にかける時間は少ない可能性もあるでしょう。

またBIG4は、残業時間を減らす取り組みや、リモートワーク・フレックスタイム制などの導入を進めている傾向にあります。FAS業界の中で比較すると働きやすいといえるものの、他業界の平均よりはハードワークとなるでしょう。

FAS業界への転職を有利にする方法

FAS業界は、激務のデメリットがあっても高年収などのメリットに惹かれる方が多い関係で、人気が非常に高い業界となっています。
ですので、特に実務経験なしからの就職・転職はかなり難易度が高いため、成功させるためのポイントをおさえておく必要があります。

志望動機を明確にする

なぜFAS業界を希望しているのか、その中でもなぜその企業に応募したいのか、という志望動機は選考における非常に重要な合否の判断材料になります。オススメの志望動機の書き方については以下の記事で詳しく解説していますので、書き方や面接での伝え方に悩まれている方は是非ご覧ください。

評価される経験や資格がある場合はアピールする

FASの業務に直接かかわっていなくてもファイナンス関連の仕事をしていた経験がある人は転職活動で有利です。具体的には銀行や証券会社などの金融機関、会計事務所、企業の財務職などが当てはまります。特に金融機関での法人営業をしたことがある人については市場価値が高くなります。また、ファイナンス領域ではなくてもメーカーや商社、保険やコンサルティングといった業種での営業経験がある方も採用されることがあります。これらの経験がある方は転職活動においてアピールするようにしましょう。

また、M&A業務に必須の資格はありませんが、活かせる資格はあります。以下の記事でそれらの資格について解説しておりますので、ぜひご参照いただき、もし持っている場合はアピールが可能です。

人材エージェントを活用する

就職・転職活動にあたって、自分で応募する求人を探したり面接の日程調整をするのは骨が折れるものです。そこで活用すべきなのが人材エージェントです。希望の条件やご自身の経歴などを伝えることで効率的に求人を提供され、日程調整もエージェントが実施してくれます。内定を複数社もらった際に断りをいれてくれるなど、心理的負担のある対応もする必要がありません。そういったサービスを無料で受けられるエージェントが多いのも特徴です。

この記事を書いたライター

東証プライム上場の人材会社にて、大手企業の採用支援を行う。ヒュープロに参画後、会計業界キャリア事業部にて税理士・会計士の転職支援を行う。また、転職支援のみならず、支店の立ち上げ、エンタープライズ事業部の立ち上げなど複数の事業部の立ち上げを通して、大手会計ファームから事業会社の組織課題を総合的に解決する。そして、長年の会計業界のキャリア支援の中で、多くの税理士、会計士、異業種の方々のM&A業界へのキャリアチェンジの相談を受けたことで、「M&Aキャリア事業部」を設立。求職者に寄り添ったサポートで事業部No.1の転職成功率を誇る。転職支援実績は900名以上。
カテゴリ:転職・業界動向

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