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M&A業界への転職で失敗しないためにやるべきこととは?

エグゼクティブキャリアアドバイザー 後藤 大輔|Daisuke Goto
M&A業界への転職で失敗しないためにやるべきこととは?

M&A業界は転職先として人気を集めていますが、中には十分な経歴を持ちながらも転職に失敗してしまう人もいらっしゃいます。今回はM&A業界への転職に失敗しないためにやるべきことや、どんな理由で失敗したと感じるのか、などをご紹介していきます。これからM&A業界への転職を目指していく方は是非ご覧ください!

M&A業界への転職で失敗したと感じる理由

まずはM&A業界への転職に失敗したと感じる理由から見ていきましょう。
弊社では、M&A業界出身者への転職のサポートもさせていただいておりますので、そういった方からのお声の中で多いものをご紹介させて頂きます。

想像以上にハードワークだった

M&A業界は業務量が多いことからある程度ハードワークであることは知られています。ただ、いくら想定の残業時間や業務内容を事前に把握していたとしても、実際にやってみるとギャップを感じる人も多いようです。
特に未経験から転職した場合は、専門的なスキルを身に着けるため、自己研鑽も欠かすことができず、業務時間が想定内だとしても、休みの日も勉強を続けていくケースもあります。また、個人の営業成績が年収に大きく反映されるため、必要以上にハードワークをしてしまうこともあるようです。

年収が期待通りに上がらなかった

M&A業界が転職先として人気な理由の一つに、高年収が実現できるというメリットがあります。ただ、その期待値が実際の給与より高いと失敗したと感じてしまいます。これは平均年収や想定年収が、転職希望者期待値を上げてしまっているのも原因の一つです。
M&A業界の平均年収は、特に大手の仲介会社やアドバイザリー会社は1,000万円をゆうに超え、入社後のキャリア次第では、その何倍も稼げる可能性もあるということは広く知られています。

しかし、M&Aの案件への対応経験がない場合、入社後の基本給は他の業界の年収と大きく差があるわけではありません。そして成果に応じて報酬がもらえるインセンティブ制度を取り入れているM&A業界で年収を稼ぐには売り上げを作る必要がありますが、初めのうちは先輩の同行などで業務を覚えたり、知識をインプットしなければなりません。また、いざ独り立ちしても一つの案件が完了するまでの期間が長くなかなかすぐに評価に繋がる仕事ができないのです。

その結果、年収が上がっていくのは入社から1~2年後となるケースが多く、業界の平均年収まで辿りつくのはさらに先になってしまいます。ですので、数年で平均年収に到達できると考えていた方ですとギャップに感じてしまうのです。

自己成長を感じない、効率的な働き方ができない

M&Aの業務は売り手と買い手のマッチングから完了までに多岐にわたる業務があり、場合によっては1年程度かかることもあります。その中で専門的なスキルを使う業務もあれば、営業活動や数値分析など地道な業務も多いので、場合によっては何かしら苦手だったりやりがいに感じられなといった業務がある可能性もあります。また、そんな業務を行っても担当する案件が100%成功するとは限らず、むしろ成功率は半分にも満たないと言われています。

どんどん売上を上げていき活躍していきたいという気概で入社した人にとって、そのような業務の進め方に対して自己成長を感じない向いていないと思ってしまうのです。

M&A業界への転職で失敗しないためには?

そんなM&A業界への転職で失敗しないためにやるべきことは、主に以下の3点です。一つずつ解説していきます。

転職における希望条件の優先度を決める
企業のことを正しく知る
向いている業界なのかを分析する
転職エージェントを利用する

転職における希望条件の優先度を決める

転職は何かしら次の職場に求める条件があってするものです。ですので一番優先度の高い希望条件はそこまで考えるのが難しくないかもしれません。しかし、今の職場では当たり前だった環境が転職先に無い場合は少なからずあります。分かりやすい例ですと、リモート勤務をしていたのに転職先ではできないであったり、シフト制で柔軟に休みが取れたのに土日祝休みの固定でしか休めない、といったケースです。

ですので今の職場では実現できていない条件に加えて、今の職場にあり今後もあってほしい条件も洗い出しておく必要があります。ただし、それらすべてを叶えられる理想的な職場は少ないので、優先順位付けをした上で応募先を探していくのが良いでしょう。
外せない希望条件の中に残業がない職場で働きたいとか、未経験からすぐに高年収がもらえる業界で働きたいといったものがある場合は、そもそもM&A業界への転職で叶えるのは難しいと言わざるを得ません。

企業のことを正しく知る

失敗したと感じる理由のいずれも、企業の実際の業務内容や給与体系を正確に把握していればギャップを感じることはなかったでしょう。ですので、業界や企業のことを事前にしっかり調べておくことが大切です。それらはもちろん一般に公開していない企業があるかもしれませんが、内定までに何回も受けることになる面接でもリアルを聞くことはできますので、そこでギャップを埋めておく必要があります。

向いている業界なのかを分析する

またそれ以前の業界研究も欠かさないようにしましょう。M&A業界はハードワークや多少の残業ができるだけではなく、論理的な思考や営業力なども必要とされます。そういったところも踏まえて、そもそも自分はM&A業界に向いているのか、というところもきちんと把握しておかなければなりません。

転職エージェントを利用する

ここまでお伝えした3点ですが、転職を検討している人が一人ですべて行うのはかなり時間がかかってしまうでしょう。特に働きながら転職活動をする方が多い中で、そのような時間を十分に取るというのは、あまり現実的ではありません。

ですので、転職エージェントを利用して効率的に転職活動を進めるのがオススメです。転職エージェントは優先度の順位付け業界や企業の研究などもすべてサポートすることができるだけでなく、書類添削や面接対策まで実施できます。

面接で理想とのギャップを埋めるための質問をするというのも実際にやるのは抵抗があると思いますが、そういった質問もエージェントが企業にできますので、時間的負担だけでなく、心理的負担も減らすことができるのです。

転職後もやっておくべきこと

M&A業界は日本におけるM&A案件数の増加に伴い、ニーズが高まっている成長中の業界ですのでストイックに仕事に向き合っていくことがその後に失敗したと感じるリスクをなくすことにも繋がることになります。業務の中には専門性や難易度が高い業務が多いため、その習得を進めれば進めるほど自己成長もできますし、裁量を持って売上をあげるチャンスが増えます

失敗したと感じてしまうのはどうしても個人の価値観や思考によることもありますので、転職してよかったと思えるためには転職後の行動も意識する必要があるのです。

M&A業界へ転職するメリット

では最後に改めてM&A業界へ転職するメリットについて紹介します。人気な業界なのはやはり働くメリットが大きいからですので、魅力に感じる方は是非、転職にチャレンジしてみましょう。

成果を上げれば、高年収も実現できる

先述した通り、固定給に加えてインセンティブを導入している企業が多いので、所属年数や年齢にかかわらず、成果を上げた人が稼げるという環境になる可能性が高いです。そういった環境で自分の可能性を試せたり年収アップを狙えるというのが人気の大きな理由です。

責任感や達成感のある仕事ができる

M&Aは売り手にとっても買い手にとっても、経営判断における大きな決断といえるので、当然責任も大きいです。大きな仕事を任されるということをモチベーションにできる一方で、失敗できないというプレッシャーと戦うことにもなります。一方で成功させた時には大きな達成感を味わえるのも醍醐味です。

自己成長ができる

M&A業界はハードワークではありますが、その分かなりの成長曲線を描くことができます。特に若手でキャリアを積極的に積んでいきたい人将来的に起業を考えている人には魅力的な業界なのです。

まとめ

今回はM&A業界への転職をするにあたっての失敗したと感じる理由や失敗しないためにやるべきことを解説していきました。人生の転換点となる転職において自己分析だけでなく応募先やその業界について深く知っておくことは入社後のギャップをなくすために大事なことではありますが、それらに十分な時間を割けない方も多いと思いますので、転職エージェントを活用して後悔しない転職活動をしていきましょう。

この記事を書いたライター

東証プライム上場の人材会社にて、大手企業の採用支援を行う。ヒュープロに参画後、会計業界キャリア事業部にて税理士・会計士の転職支援を行う。また、転職支援のみならず、支店の立ち上げ、エンタープライズ事業部の立ち上げなど複数の事業部の立ち上げを通して、大手会計ファームから事業会社の組織課題を総合的に解決する。そして、長年の会計業界のキャリア支援の中で、多くの税理士、会計士、異業種の方々のM&A業界へのキャリアチェンジの相談を受けたことで、「M&Aキャリア事業部」を設立。求職者に寄り添ったサポートで事業部No.1の転職成功率を誇る。転職支援実績は900名以上。
カテゴリ:転職・業界動向

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