桑田悠子さんはTikTokフォロワー1.5万人、その他のSNSも人気な今注目の税理士です。学生時代は、ファッションが大好きで、ネイリストとしての独立も真剣に考えていたそうです。なぜ彼女は、税理士を目指したのでしょうか。税理士として、事務所の代表社員として活躍する桑田さんは、動画の撮影から編集まですべて自分で手掛けています。多忙な毎日の合間を縫って、発信を続ける桑田さん。彼女が伝えたい想いとは? HUPRO編集部が伺いました。
―まずは学生時代からお話を聞かせてください。税理士を志したのはいつ頃でしょうか?
私が税理士を目指すようになったのは、大学を卒業してからです。もともと学生時代から個人事業主として活動したり、キャンペーンガールなどのお仕事をしたりしていて、企業に就職するつもりはなく、卒業後も独立して事業をやっていくつもりでした。
また当時は、やってみたいことがいっぱいで、どの分野で独立するか悩んでいました。「高齢者施設に訪問するネイリスト」というビジネスモデルを描いていたこともあります。どの分野へ進か悩んでいた際、色々な経営者の本を読み、最終的に行き着いたのは「人生をかける仕事を見つけ、全力投球すれば、どんな分野でもいつか成功する」ということです。
自分の道を模索していたタイミングで、祖父が他界しました。相続面の手続きが大変だったのですが、当時、周りに相続に詳しい人や専門家はいませんでした。それで「人生をかける価値のある仕事はこれだ」と思いました。昔から猪突猛進型で、やると決めたらやるタイプなので、23歳で税理士の専門学校に通い始めました。学校には松岡修造さんのような、熱い先生がいました。良い恩師との出会いがあり、ここまで来られました。
―税理士試験に合格したのは何歳のときですか?
税理士の勉強を始めたのは23歳で、合格したのは30歳です。働いていて勉強していない年もありますが、それを含めて7年です。
―勉強は大変だったかと思いますが、モチベーションの維持はどうしていましたか?
一番のモチベーション維持の方法は、周りに宣言することです。あとは、自分を信じて、進むだけです。心が折れかけたときは何回もありましたが、背水の陣でしたので、合格する以外の道はありませんでした。
挫折したときは、新しい勉強法の本を読んだり、周りの成績優秀者から勉強方法を聞いたりして、様々な方法を試し、最終的に自分に合う勉強法を確立しました。頭の構造は人それぞれなので、とりあえず試して、ハマった方法に全ベットです。私の場合は、ずっと文章を文字で追うのではなく、絵や図にして覚える方法が合っていました。味気なく見える条文が物語のように感じられるのです。さらに、視覚や聴覚もフルに使いました。勉強法についてはYouTubeで詳しく紹介しています。世の中にあるさまざまな勉強法を試し、本当に良かったと思えるものだけを抽出しています。興味のある方はご覧いただけると嬉しいです。
―山田&パートナーズに就業されたきっかけを教えてください。
山田&パートナーズには、3科目合格した時点で入社しました。一番の理由は、当時の相続税申告件数が1位だったことです。二番目の理由は、駅近の綺麗なビルにオフィスがあり、ランチの場所もたくさんあったことです。綺麗なオフィスでバリバリ働いて、その後は、楽しいアフターファイブを過ごすキラキラOLを夢見ていました。笑
―最初から相続を担当していましたか?
いえ、最初の約2年間は法人税の申告、資産管理会社の設立、事業承継など法人周りがメインでした。その後は部署異動をして、事業承継や相続をメインとしておりました。
周囲には知識が豊富なだけでなく、コミュニケーション能力や資料作成能力も含めて優秀な人がたくさんいて、圧倒されました。キラキラネイルで入社した勘違い新人だった私は、優秀な先輩達にコテンパンにされ、天狗になっていた自分の鼻がポキポキ折られました。それが、とてもいい経験でした!大変なほど燃えるタイプなので、ここでやり切るぞ!と思いました。
最初は2年ほど修行をしたら辞めようと思っていたのですが、結果的に4年半在籍しました。今でも、当時の先輩や上司、同期や後輩と飲みに行ったりします。いい仲間たちと出会えたかけがえのない時間でした。今の私の土台は、山田&パートナーズで構築されました。円満相続税理士法人の橘との縁も、山田&パートナーズです。感謝しています。
―そこから円満相続税理士法人へ移るきっかけは何だったのでしょうか?
山田を辞めて、しばらくのんびりしようと思っていたところ、前職で一緒だった代表の橘から「一緒にやろう」と声をかけられたのです。一緒に始めてみたら楽しくて、税理士登録後、すぐに役員になりました。本当にいいメンバー達に支えられているので、そのような尊敬するメンバー達と一緒に働くのは、刺激的で幸せです。
―仕事をする上で苦労したエピソードを教えてもらえますか?
最初の頃は売上をあげることに必死で、何でもかんでも受注していました。合わないお客様の案件を受注し、エネルギーを消耗してストレス過多で、ヘロヘロになっていた時期もあります。
あとは「お客様を紹介したい」「仕事を紹介したい」と会食に誘われ、行ってみたら仕事と関係なく、ただ女性とご飯を食べたかっただけだったことが何度もありました。私は仕事のご依頼を頂けると思って行ったので、本当に悔しかったです。他の士業の女性からも同じような話を聞きます。
―大変でしたね。プレッシャーもあったのではないですか?
はい。最初は3人しかいなかったので、本当に大変でした。色々ありましたね。
ただ、その時期を経験できたことは、大きな財産だと思っています。ご紹介やHP経由でようやく案件受注をした時の嬉しさは、ひとしおでした。
―円満相続税理士法人の5年後、10年後のビジョンを教えていただけますか?
一定の品質を維持していける組織体制を構築し、メンバー全員が働きやすい環境を作ることです。立ち上げ時のメンバーは全員同じ事務所の出身でしたので、文化を共有できていました。今は組織が大きくなり、様々なバックグラウンドを持つメンバーが増えてきています。研修を充実させるなどして、一歩一歩、着実に前に進んでいければと考えています。
―組織に求める人材像について教えてください。
素直で、勉強が好きで、明るい人です。そしてコミュニケーションが好きな人ですね。知識は後からいくらでも付けられます。人間性を重視しています。
―続いて、ご自身の5年後、10年後のビジョンを聞かせていただけますか?
実務を大切にしつつ、発信にもより力をいれていきたいです。なぜなら、私の時間は有限なので、お手伝いできるお客様の数がどうしても限られてしまうからです。発信することで、より多くの方の相続に関する情報を、お伝えできればと考えています。
また相続の知識だけでなく、勉強することの楽しさ・有用性も伝えていきたいです。知識や経験は、世界情勢がどう変わっても、誰にも奪われることはありません。この自分の脳に刻まれる無形資産は、生きていく上でとても心強い武器です。
―SNSを始めたのはいつ頃でしょうか?
Twitterは2019年12月に始めました。TikTokはまだ始めてから約1年ですが、1.5万人フォロワーがいます。
実は仕事で発信するようになるまで、自分のことをSNSで発信することはありませんでした。しかし弊社代表の橘がYouTubeで大人気となったり、インフルエンサーの友人もいたり、身近でSNSを活用して一気に活躍の場を広げる人たちを見ていたので、その影響で、私もやってみよう!と思い、最初はtwitterでスタートしました。HUPROさんとのご縁もTwitterがきっかけですし、発信を始める前より格段に自分の世界が広がっています。SNSでブランディングを確立しているので、案件を紹介いただくときもスムーズです。「ずっとSNSを見ています」と声をかけてくださったり、税理士でTikTokをしている人は珍しいので、覚えて頂きやすいです。
―SNSで発信している内容は、本来ならお金を払って教えてもらうようなものも含まれていると思います。SNSで無料公開することに対して、抵抗感はありませんでしたか?
はい。なぜなら発信している知識を組み合わせ、いかに最適な形でお客様に提供するか。そこが大切であり、私の腕の見せ所だからです。
それにSNSで説明しているようなことを、お客様に対面で説明してしまうと、その分お客様の時間も、私の時間も使います。「本当は次のレベルの話をしたい」と思っても、時間的に、そこまでたどり着けない場合があります。事前にお客様に動画やblogで基礎知識を身に着けてから、相談に来ていただく。そうすることで、その知識をベースに、次のステップの話ができ、濃い面談時間を過ごすことができます。(もちろん知識ゼロの状態でお越し頂くこともwelcomeです!)
また周りからも「相続について教えてほしい」という相談を受けることが多いのですが、一人ひとりにお話することは、現実的に難しいです。SNSを見てもらうことで「わかりやすかったよ」と感謝してもらえると嬉しいですね!
―SNSで伝えていきたいのは、やはり「相続の奥深さ」になるのでしょうか?
そうですね。あとは「税理士の敷居を下げたい」というのもあります。おそらく皆さんの中には「税理士はこういう雰囲気の人」というイメージがあるのではないでしょうか。私が発信することで「こんな税理士もいるのか」と、良い意味で固定概念を崩せるのではないかと考えています。
―最初にSNSを拝見したとき、正直に言ってこんなに華やかでキラキラした税理士の方がいるのかと驚きました。
ありがとうございます、嬉しいです。
―税理士に興味がある方、これから税理士試験を受験する方、そしてキャリアに迷われている方に向けて、桑田さんだからこそ伝えられるメッセージをお願いできますでしょうか。
私が大切だと思うのは、「自分にとって勝てる戦場を探す」ことです。
私は、前述の通り、どの業界でも、常に挑戦し、全力投球すれば成功すると信じているのですが、その全力投球できる業界を見つけることが、大変であり、かつ重要だと思っています。見つけるには、本を読んだり、人との会話から視野を広げ、実際に興味を持った業界に入って内情を見てみることの繰り返ししかないと思います。
そこで、今日は私から税理士業界を目指すメリットを3つお話します!
【3位】努力が裏切られないこと
新しい知識を深めたり、経験を積めば積むほど、お客様へのお役立ち度が上がるという、分かりやすい構造なので、新しい勉強がとても楽しく感じられます!
また相続専門などと分野を特化していても、判例等を含めると知らないことは沢山ありますので、一生知的好奇心を刺激され続けます。
土地は、1つとして同じものはありません。
会社も、1つとして同じものはありません。
ご家族関係も、1つとして同じものはありません。
毎回案件ごとにオリジナルの知識を使い、オーダーメイドのご提案を差し上げることは、提案する税理士としても非常に遣り甲斐があります。
お客様のことを思えば思うほど、自分の知識も上がり、どんどん成長することができるこの仕事が私は大好きです!
【2位】すごい人とお話できること
税理士の仕事をしていると、年齢に関係なく、実績で評価をしてもらうことが出来ます。
そのため通常の会社では、非常に過酷な出世競争を勝ち抜き、役職が上がらないと対面できないような方々や、別業界の一流の方ともお話できる機会があります。
そしてその様な方々に対して、税務面ではプロとしてお話させていただきますが、税務以外の教養や考え方などは、私が勉強させていただくことばかりで、貴重な経験をさせていただくことが多いです。
さらに様々な業界の「今の情報」を伺う機会も多いので、自分の中に知識が蓄積され、他のお客様にお話する際にも生かすことが出来るという、相乗効果もあります。
このように人生の大先輩とお話ができることには、いつも感謝しています!
【1位】嘘をつかない誠実な仕事であること
これが1番、この仕事の幸せな部分だと思います。
私は、自分が生業にするものは、お客様の最善を考えて、心からいいと思うもののみを、ご提案するものにしたいな!と思いました。心に嘘をついて、心からお勧めできない商品を、仕事だからという理由で勧めるお仕事は、精神的にもよくありません。
その点で税理士という仕事は、常に納税者であるお客様の味方で、お客様にとっての最善を考えてご提案し、さらに感謝してもらえる仕事です(^^♪
とても幸せで、遣り甲斐のある仕事です♪
私は自分のブログに『税理士を目指すメリット【受験生の勉強のモチベーションUPに♪】
』という記事を掲載しています。またYouTubeでも『【税理士試験オワコンは嘘】税理士になってよかったことBEST5【税理士受験生必見】』というコンテンツを投稿しています。
少しでも受験生の力になればと考え、エネルギーをかけて作りました。もしよろしければ、ぜひそちらも視聴してみてください。税理士は、頑張れば頑張るほど成果が出る、やりがいのある仕事です。ぜひ一緒に働きましょう♪
―本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。