アイユーコンサルティンググループは、相続税・贈与税・事業承継・組織再編などの資産税案件を専門とする、コンサルティング型の税理士法人です。
2013年の創業以来、東京・福岡を中心に、中小企業・資産家を支えるプロフェッショナルとして活動し、直近では年間実績600件以上の相続税申告実績を誇っています。また今後は、さらに事業領域や拠点を拡大し、今までにない税理士法人のあり方を世に打ち出していく構想もあるそう。「日本のミライに豊かさを」もたらす一助になりたいと話す、代表パートナーの出川裕基氏にお話をお伺いしました。
―出川さんが税理士を志したきっかけを教えてください。
驚かれるのですが、実はスタートは「なんとなく」なんです。
大学2年生のとき、友人から「税理士の仕事は面白いらしいよ」と言われたことから、試しに簿記論の勉強を開始しました。学んでみるとパズルのようで面白くのめり込んでいき、初挑戦で合格することができたのです。さらに勉強を続け、4年生で消費税と財務諸表論にも合格することができました。
たまたまの一言がきっかけとなり、そのまま税理士になったので、「なぜなったのか」とか「税理士にならなかったら」と考えたことがありません。振り返ったときに、選んだ道が正しいものだったと思える生き方をしてきたのだと思います。
新卒で入社したのは大手の税理士事務所でした。大手の中で働くと基礎力が高いレベルで身につき、とても勉強になります。若手の頃から経営者の視座の高い話が聞けることも、税理士という仕事の非常に面白い点だと感じました。4年間でM&Aや上場会社顧問、医療・公益案件にも携わり、当時の最年少マネージャーに昇格。自分の成長も実感できる充実した日々を送っていましたね。
ですが年次を重ねるにつれて、自分の役割も増えていきますし、自分のやりたいことだけをやるわけにはいかなくなります。自分が一番やりがいを感じる、中小企業のお客さまや個人のサポートにもっと時間を割きたいと思い、独立を意識するようになりました。
いつか必ず独立を、と決意をしてからは、2年間後輩たちの育成も積極的に行いました。そして29歳のときに、前職の同僚で先んじて独立していた岩永と合流し、アイユーコンサルティングとして歩み出すことになったのです。
―アイユーコンサルティングとして始動した当初はいかがでしたか?
独立したての頃は、まずは売上を軌道に乗せないといけないので、やりたいことの前にとにかく必死でしたね。
相続と事業承継に特化し、地元でもある埼玉の川越から営業をスタートしました。相続に強いと評判の司法書士事務所にひたすら飛び込み営業です。なかなか飛び込み営業をする税理士はいませんので、思ったよりも話を聞いてもらえましたね。
20社弱はアタックしたでしょうか。その中の3社ほどは、10年経った今でもお付き合いのある大切なパートナー企業です。
―なぜアイユーコンサルティングでは相続や事業承継を主力業務とされているのでしょうか?
根底にあるのは、日本のミライを明るくしたいという気持ちです。当社は”日本のミライに豊かさを”というビジョンを掲げています。
残念ながら、今の日本には停滞感が漂っていますよね。私も、このままでは日本は右肩下がりになるという強い危機感があります。
そこで私たちがもっとも貢献できるのは、中小企業のお客さまの支援だと考えました。相続や事業承継は、方法次第で手元に残る金額に相当な差がでます。そして資金があれば、新しい事業など新たなチャレンジができます。大手企業には、資本も情報も人材も揃っている。しかし、多くの中小企業の方には、まず情報すらも行き届いていないのです。
そのため、グループのミッションを「中小企業・資産家を支えるプロフェッショナルとして高付加価値サービスを提供する」と定めました。
アイユーコンサルティングでは、中小企業と資産家のお客さまに特化して支援をし、日本の国力の底上げに貢献したいと思っています。自分たちがもっとも役立てる領域だと思いますし、個人的にもとても面白い領域だと思っています。
―どのあたりが面白いと感じますか?
例えば事業承継だと、事業を立ち上げた先代の思いと、変革をしたい次世代の思いは、基本的には真逆ですからぶつかります。あっさりとまとまることはまずありません。先代が、うまく跡継ぎに権限を委譲できるかが要です。税理士としての業務は株式の承継ではありますが、それよりも親子間の話し合いを取り持つ方が難しいです。
経営者にとって事業承継は、面白くないことかもしれません。時間もお金も掛かるのに企業の価値は上がらず、向き合うのが億劫になることもあるでしょう。
ですが対策をすることで、出ていく税金を数千万円、数億円単位で抑えられるケースもあります。営業を強化し、収益を上げることと同じくらい大事なことなのです。
加えて一生に一度の出来事でやり直しは効きません。全員が納得してミライにむかえるようにサポートするのはとてもやりがいがありますし、介在価値を感じますね。
相続もそうです。お客さまの人生そのものですから、十人十色のドラマがあります。次がない、失敗が許されない領域をやり遂げることは、とても面白い仕事だと思います。
―具体的にはどのようなお客さまが多いのでしょうか?
案件の約半分は相続を依頼いただく個人のお客さまです。5,000万円くらいから、ときに100億円を超える資産の相続も扱います。
中小企業のお客様の場合は、1億〜50億円の規模感の企業様がほとんどです。地域密着型の地元企業のような会社が多いと思います。顧問業としての支援や、スポットでの事業承継の支援を行います。
どちらも既存のお客さまや、提携した金融機関などからの紹介がほとんどで、自社で営業開拓を行うことは基本的にありません。
―アイユーコンサルティンググループが支持される理由を教えて下さい。
安心感と実績を評価いただいていると自負しています。
税理士法人によっては、いわゆる「先生」という立場でサポートするところもあります。ですが私たちは、まだまだ若い企業ですし、この仕事をサービス業だと捉えて真摯に取り組んでいます。ですので、お客さまのためになることでしたら、依頼された内容を超えてのご提案もしていきます。また、当然のことなのですが、レスポンスの速さも驚かれますし喜んでいただけます。
さらに金融機関と提携するなど、実績を積む仕組みづくりも積極的に行いました。その結果、提携先は年々増えていき、2021年には相続・事業承継数で630件と、全国7位の結果を残せています。
ありがたいことに福岡では、「相続や事業承継といえばアイユーだ」という認知をいただけるようになってきました。ですが東京ではまだまだです。これから新しい仲間とともに、さらなる事業拡大に励みたいと思っています。
―アイユーコンサルティンググループの働き方の特徴を教えてください。
手厚い研修制度は、当社の強みだと思います。繁忙期以外は常に研修を行っており、ほとんどのメンバーが常に2,3個の研修を掛け持ちしています。キャリア別の研修もあり、税理士としての基礎知識が詰まった顧問業務の基礎編、応用編。また事前課題を与えて、ただ知識のインプットを行うのではなく、アウトプットまでOJT形式で行う研修もあります。研修を通じて同世代のメンバーと切磋琢磨できることも、励みになるようです。
小規模の個人事務所から転職してきたメンバーからは、「こんなに手厚い研修があるなんてびっくりした」「以前は身に付けられなかった知識がついて自信になった」という声もありましたね。
珍しいものでいうと、若手に向けて「モテる大人研修」という研修を実施しています。単に異性にモテるという意味ではもちろんなく、人間力を高めるための研修です。
知識量や正確な業務がモノをいう業界で「なぜ?」と思う方もいらっしゃるかも知れません。ですが私は、税理士の仕事において、人間力が最重要スキルだと思うのです。
当社がメインで扱う相続や事業承継は、自分が亡くなったあとのことや、自分の人生をかけた決断を託していただく仕事です。ときに、非常にプライベートなことにも踏み込むことになりますから、機械作業で話す内容ではありませんよね。お客さまとの信頼関係を築くため、常に人間力を磨き続けていく必要があります。
―社内イベントなども活発だそうですね。
当社は拠点が分かれていますが、全員で集まる機会は年に2回あります。一つは、事業計画発表会です。当社は10期目の節目を迎えたので、ミッション・ビジョン・バリューをリニューアルしたのですが、その発表も行いました。ワークショップ形式を用いたことにより、ミッション・ビジョン・バリューの浸透だけでなく、メンバーの意外な意見を聞くこともでき、自分としても貴重な機会でした。
もう一つは忘年会です。そこで表彰も実施しています。受賞した喜びを涙ぐみながら爆発させていた社員を見ると、いい仲間に恵まれたなと実感します。
―どのような観点で表彰や評価を行っているか教えて下さい。
評価制度は、すべてタスクベース・定量ベースで可視化できるようにしています。ですので、皆納得感を持ち仕事をできているようですね。経験やスキルが高い方の場合は、中途入社でマネージャーからスタートしていただくこともあります。
表彰はいくつかありますが、ユニークなものでいうと、業務改善賞というものがあります。これは、自身で手を挙げエントリーするもので、個人でもチームでも参加可能です。
会社の業務効率化を実現できた事例を発表してもらい、その中から優秀なものを表彰しているのですが、昨年はペーパーレスを実現したチームがありました。
電子申請や書類の電子化を行い、業務をペーパーレスで行う仕組みを整備してくれたことにより、オフィスで使う紙が圧倒的に減りました。どうしても、山積みの書類と対峙するというイメージも根強い業界ですが、オフィスにはほとんど書類がなく、外部から来た方からは驚かれることも多いですね。
最新のツールやテクノロジーを採用し、積極的に働き方の効率を上げていることは当社の強みです。その他、LINEWORKSも業務改善提案によって導入しましたね。お客さまとの連絡がスムーズに取れるようになり、かつセキュリティ面でも安心なので、仕事が進めやすくなりました。加えて、業務時間のメリハリもつくようになり、いいこと尽くしです。
―自社のメンバーの特徴や強み、社風を教えて下さい。
東京拠点は、主体性が高いメンバーが多く集まっています。自分の仕事だけでなく、チームをよくしようとする意識が強いので、組織への意見提案も活発に行われています。平均年齢は34歳と若いメンバーが多く、仲も良いため、全体的に風通しのいい環境だと思いますね。
年1回のアイユーアワードやレクリエーション、週1のランチ会など、交流や団結を深める仕組みも色々と設けています。ランチ会は、業務であまり接点がないメンバーともコミュニケーションがとれるので、会社全体のチームワークアップに繋がっていると思います。ランチ代1,500円の補助もあり好評です。
―どのような方と働きたいですか?
自分の働き方に関してこだわりがある人ですね。
根底に、人生を楽しんで欲しいという思いがあります。そして人生を楽しむためには、どう生きたいかがはっきりしていることが大事なんじゃないかなと思っています。「勉強してステップアップしたい」でも「いつか独立したい」でも「仕事は定時に終わらせプライベートを大事にしたい」でもいいのです。なんとなく働くのではなく、意志を持って働いて欲しいと思っています。
加えて、誠実でやりきる力がある方。失敗をしたとしても、素直に受け入れ、その先の自己成長を目指せる方に仲間になってほしいと思っていますね。
私自身、独立したことにより今があるので、将来独立したい方も大歓迎です。独立時の不安や、独立直後の立ち上げの苦労もとても良くわかりますから、その辺りの知見も共有できたらと思います。当社のグループとして、独立採算制で、会社を立ち上げることもできます。フランチャイズ制も取り入れていけたらと思っています。今後は、年内の大阪拠点設立をはじめ、地方拠点も拡大していく予定ですので、拠点長に抜擢されるチャンスもあります。リーダーシップを持って働きたい方には、やりがいを感じていただける環境ではないでしょうか。
―今後の目標を教えて下さい。
今後日本は少子高齢化が進み、いずれは人口減少に伴い会社の数も減っていく。そこで、従来通りの税理士法人の業務内容だけを行っていると、成長が止まってしまいます。
ですから当社のスピード感を活かし、例えば財務のDX支援など、業界をリードするような新しい領域にも積極的にチャレンジしたいと思っています。
また、地方の活性化のためにもUターンで地元で独立したいというスタッフにも積極的に独立支援を行い支店展開をサポートしていきたいと思います。
当社にしかできない支援で、仲間とともに明るい日本のミライをつくっていきたいですね。
―本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。