会社や団体が社内外に出す「ビジネス文書」。「鑑(鏡)文」とも呼ばれる送付状の書きぶりを見れば、その人がどれだけ社会人として「デキる」のかがわかります。
ビジネス文書には様々な「決まり」があって、その体裁を守っていない場合は、途端に付け焼刃でこしらえた感が出てしまうからです。
本記事では、ビジネス文書の体裁の決まりと書き出しの文言について解説します。
ビジネス文書の書き方以前に重要なのが、文書のレイアウトです。ビジネス文書のレイアウトは決まっているので、その基本を守っていない場合は、途端に「できない人」のレッテル貼られかねません。
逆にいうと、その体裁さえきちんと守っていれば、文書自体がちゃんと見えます。まず最初に「ひな形」を作っておき、そのレイアウトを踏襲するのが、ビジネス文書の作成を効率的にするコツです。
ビジネス文書の作成はWordですることをおすすめします。というのも、文書には左揃え・右揃え・中央揃えなどが行ごとに出てきたりするので、その都度スペースキーで字数を開けて体裁を揃えるよりも、1動作で完了する方が間違いがないからです。さらに、この後出てくる文書の書き出し文言についても、頭語を入れると結語が自動で出てくるなど、間違いを防ぐ機能がついています。
ビジネス文書は、A4用紙1枚にまとまるように作るのが基本です。
ざっと見ただけで、左・中央・右揃えの決まり事があるのわかりますね。
順番に解説していきましょう。
ビジネス文書における本文の書き出しについて
ビジネス文書のレイアウトを把握したところで、実際の本文についてもう少し細かく見てみましょう。
ビジネス文書の本文の書き出しは4つから構成されています
これらは、それぞれの常とう句をアレンジすれば簡単に作ることができます。
なお、Wordを使ってビジネス文書を作成する場合、頭語を入力して改行すると、デフォルトで結語が表示されます。
頭語は文頭で1文字開けずに左寄せのまま書きはじめ、結語は文末で右に寄せるのが作法です。(これは「記」と「以上」も同じです)
また、時候のあいさつ+祝福の挨拶+感謝の言葉については、さまざまなバリエーションがありますので、最近では統一して「時下(じか)」という言葉で置き換えているケースが多いです。とても便利なので、ぜひ覚えておきましょう。
これを使うと、以下のように冒頭のあいさつをコンパクトにまとめることができます。
拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。日頃より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、(以下本文……)
敬具
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季節や月ごとの時候の挨拶もありますが、使いまわしできないことや発信日と受信日で月をまたぐ場合など気を付けるべきことが多くあります。ぜひこの「時下」を使ってビジネス文書をコンパクトにまとめる工夫をしてみてください。
日本のビジネス文書について、そのレイアウトや決まり事を解説しましたが、これらは全て日本のスタンダードであり、英語圏ではまた違った様式があります。
もし英語でビジネス文書を書くことがあれば、その際はまた違った作法を確認する必要がありますのでご注意ください。