公認会計士としてあずさ監査法人で11年間勤めた後、独自暗号資産の上場と利活用という新たなミッションを掲げてジャスミー株式会社へCFOとして入社された原田浩志氏。大きな可能性を秘める暗号資産の領域で活躍されている原田氏に、今回はキャリアパスに沿いながらCFOの魅力などについてHUPRO編集部がお話を伺いました。
【略歴】
2008年3月 | 東京都立大学 卒業 |
同年11月 | 公認会計士試験 合格 |
同年12月 | 有限責任 あずさ監査法人 入所 |
2020年1月 | ジャスミー株式会社 CFO就任 |
同年 7月 | 東京トークン株式会社 代表取締役就任 |
2021年1月 | 暗号資産「JasmyCoin(JMY)」を海外暗号資産取引所「MEXC」へ上場 |
同年10月 | 米国最大の暗号資産取引所「Coinbase」へ上場(※) 日本国内暗号資産取引所「Bitpoint」へ上場 |
2021年11月 | 世界最大の暗号資産取引所「Binance」へ上場(※) 年間28社の国内外暗号資産取引所への上場を達成(※) |
2022年3月 | 24時間取引高4,000億円を達成(※) |
2022年3月現在 | 国内外36社の暗号資産取引所にて上場(※) |
(※)日本企業として初
【キャリアグラフ】
―まず、原田さんが公認会計士を目指され始めたのはいつ頃ですか。
公認会計士の勉強を始めたのは、大学二年の終わり頃になります。学生時代は陸上に打ち込んでいました。高校の時に神奈川で二番になり、陸上で推薦の話も頂戴していましたが、入りたい大学があって一般受験をしました。大学でも陸上を続けていたのですが、将来的なキャリアを考えたときに何か資格が必要になると考えるようになりました。父が国家資格を持っているのも影響していると思います。
ちょうどその時、父が経営者として採用の話をしていたため、日商簿記一級を持っている新入社員と四年間体育会系として頑張ってきた新入社員がいたらどっちが欲しいかを聞きました。そうすると、「日商簿記は主に経理にしか使えないから、仕事にコミットしてくれる人の方がいい」と言われ、それならいっそのこと、この領域で最難関の資格を持ってその資格で戦ってみようと考えました。同時に陸上部を辞める決心をして、公認会計士の勉強を始めました。そして大学を卒業した年の公認会計士試験で合格することができたため、有限責任 あずさ監査法人に入所しました。
―大学卒業後に公認会計士試験に合格されたのですね。当時、勉強する上で意識していたことはありますか。
何を勉強するにおいても、「なぜこのルールができるのか」「この規則はなぜ必要なのか」を考え、常に「なぜ」を大切にするようにしています。公認会計士試験では、計算も重要ですが、法律や基準の理解が求められます。勉強していく上でも、大きく、条文や基準に沿った形で理論構成を精緻に積み上げながら理解していくタイプの人と、まず全体的なイメージを理解しながら詳細部分に当てはめて理解していくタイプの人がいますが、私は後者に当てはまります。全員に当てはまるとは思っていませんが、基幹としてのイメージをきちんと理解すると、記憶が定着して忘れにくくなりますね。
―イメージを大事にする勉強法だったのですね。公認会計士試験の勉強をされている当時は、どのようなキャリアを描いていましたか。
人の役に立つ仕事がいいなと考えていました。正直、公認会計士は難しい資格であることしか知らず、仕事の内容など全く知らないまま勉強を開始していました。その時、講師の1人がコンサルティングを業務としていたのですが、その講師から生活のあらゆるところに会計や数字が活きているという面白さを学び、コンサルティングに魅力を感じていました。ホーンテッドマンションの耐用年数は何年だ、とかスーパーの在庫の評価方法と宝石の評価方法は違う、と言った話だったと思います。人のため、会社のために役に立つ仕事がしたいと、勉強を通じてそういったキャリアを思い描いていましたね。
―卒業されてから周りは新卒で就職される中、原田さんは公認会計士試験に向けてどのようにモチベーションを保ちつつ乗り越えましたか。
まさに背水の陣でしたね。当時一緒に勉強していた仲間がこう話していました。「あと一年頑張れなければまた予備校に50万円支払わなければいけないけど、頑張って合格すれば500万円は稼げる。同じ一年でマイナス50万円か、それともプラス500万円か」。これは頑張るしかないと、その言葉がモチベーションになっていました。周りは公務員をはじめとする資格試験を受けている友人が多かったので、意外といい刺激になっており、そこまで気にしていませんでしたね。周囲を自分と同じような境遇の人で固めることができたのも、良かったかもしれません。
―あずさ監査法人に入所されてからは、まずどの部署に配属されたのですか。
当時のあずさは、クライアント業種別に事業部が大きく分かれていました。当時はちょうどリーマンショックがあったことに加えて、内部統制監査、四半期レビューの2つが導入された年度でもあり、監査法人の変革時期だったと思います。そこで、まずはきちんと一通りの監査を学びたいと考え、国内監査事業部を希望しました。
―入社当時、仕事をする上で意識していたことはありますか。
上司や同期など、良い人の真似をすることを心掛けていました。600人ほどいる同期は全員会計士で能力的な差はなく、全員が同じキャリアを同じように上がっていくのであれば、自分はできる人の真似をして良いところを取り込んで速く成長できればいいと考えました。周りには優秀な人達がたくさんいたので、電話での話し方から質問の仕方、Excelの使い方まで、とにかく真似して良いところを吸収することを心掛けていましたね。
―自分の置かれた立場を客観的に見ることで、未来を見据えて計画を立てていたのですね。あずさ監査法人では具体的にどのような業務に携わられていましたか。
キャリアとして最も重要なものは、入社してから退職するまで11年間担当した放送業、そして8年程担当した建設業です。新人スタッフからマネジャーまで同じクライアントに携わることは稀有で、深い関係性を築けたことで社内からも信頼され、やりがいのある仕事ができました。建設業では、工事を施工する国ごとに納税義務が生じるため、KPMGのネットワークファームを積極的に利用していたのですが、国際的な会計事務所の一員として大きな仕事ができる楽しみも経験しました。
部門再編でIPOの仕事にも携わり、JASDAQ市場への上場サポートができたことも、とても良い経験になりました。その他に、クライアント企業のM&A戦略に合わせて、財務デューデリジェンス業務を継続的に受注する仕事や、外部企業への内部統制アドバイザリー業務、社内研修講師、働き方改革プロジェクトの推進など、様々な経験をさせて頂きました。
管理職になってからは、プロジェクトの採算管理を徹底しましたね。チーム全体としての能力や仕事内容をクライアントに正しく理解してもらい、効率化を図るとともにチームにも適正単価で業務履行を周知させるようにし、限られたリソースで安定して十分な成果を出すことに注力しました。
―あずさ監査法人で11年間、どのようなインプットをして成長されてきたのでしょうか。
現在も同様ですが、インプットは学習の時と同じ方法で、ビジネスの流れ、関与者、システムの画面や内容等が常に自分の中でイメージできるように意識しています。また、色々な観点で沢山の話を聞くことを通じて、正しい知識を取り入れることを大事にしていました。監査の仕事においては会社のビジネスを深く理解していることが重要で、私は会社のビジネスを監査チームで一番理解している人になろう、と考えました。会計士をはじめとする専門家に求められるのは法律や基準の理解だけではありません。多くの人と関わり話を聞くことで会社のビジネスを正しく理解し、知識を実務に適用していくことを意識していました。
―会社を深く知るために、様々な人の話を聞くようにしていたのですね。原田さんがコミュニケーションを取る上で意識していることはありますか。
相手の話を聞くためには自分から積極的に話すようにしています。監査は英語でauditといい、audience(聴衆)と同じく、「聴くこと」が語源です。つまり監査は、聞いた内容から情報を得て判断することがベースです。しかし、公認会計士が監査に来る、というと大概の人は構えて話しをしてくれません。
そこで、私はまず自分から積極的に情報を出すようにしていました。監査を受けた人が一つでも情報を得て帰ってもらう、そういう目線で監査をする会計士は少ないかもしれないですね。たくさんのコミュニケーションを取ることで知識を蓄え、それによって頼りにされる存在になれるよう考えて行動していました。
―11年間あずさ監査法人に勤められ、監査法人から職種を変えて転職してみようと思われたきっかけは何ですか。
理由はいくつかありますが、一つは大手監査法人としての方向性に疑問を感じたことですね。先述したとおり、マネジャーとして働くことは本当にやりがいがありましたし、あずさでは高い評価を貰っていて、海外赴任も検討していた時期でした。当時IPO業界は、スマートフォンアプリやゲームコンテンツで事業拡大を図る企業が多く、あずさのIPO部門にもそのようなクライアントが多くありました。特にIPO前後の成長企業はとても勢いがあったため、新規事業として成長産業である仮想通貨(現在は暗号資産)の活用や、ICO(Initial Coin Offering:仮想通貨による資金調達)の検討をした企業がいくつかありました。
現在もそうですが、暗号資産はまだルールが定まっていない部分が多く、あずさはとにかく事例を集めることに注力していました。しかし、2年以上経っても大手監査法人として意見表明できるように検討するわけではなく、単に企業に対してストップをかけ続けるだけだったんですね。その事業は監査意見が出せないかもしれないので止めておいた方が良い、少額であれば許容できる、と。
企業の成長を支えるために仕事をしてきた私にとっては、そこに逆行している法人の姿勢には疑問を感じていました。暗号資産の可能性を感じてはいるものの動くことができない時に、ジャスミープロジェクトのオファーを頂きました。30代のうちに自分自身を成長分野に投資して、暗号資産の上場という重要ミッションを自分の手で成し遂げよう、基準がないと動けない監査法人の代わりに自分自身で上場の事例を作りにいこう、そういった想いでジャスミーへの参加を決めました。
―新たな領域へ踏み出す転職に対して不安はありましたか。
もちろん不安は感じていました。でも、先進的な環境に自ら飛び込まないとその領域でのスペシャリストになることはできないと考えていたので、新しい分野への挑戦意欲というか好奇心の方が強かったですね。
―転職された時に、将来どうなりたいかビジョンはありましたか。
これは今でも変わりませんが、暗号資産の上場という分野の第一人者になりたいと考えていました。せっかくこの領域に自分を投資したのだから、この中できちんとやり切りたいです。あずさの上司に「IPOを一人前にやったと言えるのは、入口からIPO達成まで二周すること、そしてIPO実務テキストをきちんと理解することだ」と言われていました。
いま、ブロックチェーン技術を用いた分散化とトラストレスを特徴とした次世代のWebの在り方をWeb3.0と呼び、この環境で流通される通貨と期待されているのが暗号資産です。このWeb3.0領域でも知識の定着と実践をしっかりやりたいと考えています。
―監査法人から事業会社への転職を経て、違いをどのように感じますか。
たくさんありますね。監査法人はチームで作業しますし、自分の代わりに現場を任せられる人がいて、自分の仕事に集中できる環境が確保されていたと思います。事業会社に転職してからは、全く異なるキャリアの社員と仕事をしないといけないので、それぞれがやりたいことを主張しますし、新しい領域に対する基準や法制度の理解に対する壁打ちを行いながら進めていくので、毎日自分たちでやることを決めて進んでいくような印象です。特に上場申請を行うタイミングからは、暗号資産取引所との審査部分は全て自分が責任者として対峙することとして進めてきましたので、責任が全く違いますね。監査法人にいたころは数字をチェックする立場であり、自分で外部に説明する上での責任感の違いを実感しました。
―ジャスミー株式会社に入社された後の仕事について、具体的に教えてください。
入社して最初の業務が、ジャスミー独自の暗号資産を発行すること、そしてこの暗号資産を国内で上場申請する上で、必要なドキュメント作成、そして外部審査を受けることでした。同時に、日本だけでなく海外の取引所でも上場させようと動いていたので、海外取引所の選定や海外上場申請で必要になる要件の調査をしていました。上場申請を出す上では、当然と言えばそうかもしれませんが、日本での申請事例がほとんどなかったこともあり、質疑の数も期間も非常に多く、経営陣や内部統制に関するものからトークンやブロックチェーンの技術的な質問、ロードマップの展望など、幅広く聞かれましたね。
加えて、社内の経理業務や監査法人監査の対応、上場会社とのM&Aのカウンターパートとしての交渉、ステークホルダーや銀行との渉外担当等が主な実務です。経理担当者は他にいるので日常的なものはモニタリングのみですが、暗号資産に関する経理処理や決算書の作成については特別な知識と監査法人との折衝が求められるため、直接担当していました。
―暗号資産という特殊な領域で事業を進めていく中で、意識されていることはありますか。
資金決済法をはじめとする各種法令に特に留意しながらビジネスを構築するようにしています。例えば、現金と暗号資産、また暗号資産と暗号資産を単に換金・交換することは金融庁に許可された暗号資産交換業者としてのライセンスが必要です。ここには斡旋や紹介をすることも含まれます。暗号資産を扱ったビジネス、とは法令で定められた範囲内で何ができるか、というコンプライアンスを意識しつつ、経営理念を達成していく必要があると思っています。
―入社された当時からジャスミーのCFOに就任されていますが、現在はどのような業務に携わられていますか。
昨年は一年間で暗号資産JASMYを国内外28の取引所に上場させ、今年は3月末時点で8の取引所に上場しています。これで世界のトップ10の取引所はほぼ全て上場していることになり、これは日本企業では他に類を見ないペースです。暗号資産は流通量が大事になるので、私たちは多くの取引所に上場させることを推進してきましたが、暗号資産の取引所との上場、プロモーション、マーケティング関係の折衝を日常的に行っています。
また、ジャスミーはIoT×ブロックチェーンを組み合わせて個人情報を安心して受渡しが可能なプラットフォームを構築していますが、ここに暗号資産を活用した独自の経済圏を構築していくことがメインの仕事です。他に、暗号資産の認知度を上げていくために取引所などと連携するプロモーションの仕事やジャスミーがスポンサーを行っているサガン鳥栖の関連業務などが最近は多いですね。通常は受け身となりがちな管理部門としての働き方ではなく、自分たちで暗号資産の経済圏を広げていくことを目的として事業の方向性を決めています。常に今まで経験したことのない仕事なので、とてもやりがいがあります。
―受け身ではなく自ら事業を動かしていくというお話を聞いて、CFOのイメージが変わりました。
WEB3.0というまだまだ成長産業で変化の多い業界ですので、一般的なCFOとは少し違う点もあるかも知れませんが、CFOの魅力の一つとして、自分の裁量で会社の意思決定を行うことできる点が挙げられます。ベンチャー企業の経営において事業資金は当然必要ですが、独自暗号資産を発行して世界中の市場を相手に事業を進めていく上で、適格に産業変化を検知し、市場ニーズを経営に反映させていく事が必要です。CFOという肩書を頂いている分、求められるレベルも高いので、経営者の1人として自覚を持ち、常に必要な情報を自分発信で共有するようにしています。特に悪い影響がある情報ほど、早く伝達することがポリシーです。
―ジャスミーに入社されてから、特に大変だったことは何ですか。
上場申請に関するカウンターパート業務を一人でやっていた時は大変でした。去年にはメンバーが入ってきてくれたので現在は分担していますが、入社当初はこの領域に精通している人が自分以外にいなかったため、ドキュメント作成だけ分担し、上場申請や質疑の対応など全て一人で担当していました。その分、各種法規制や暗号資産取引所の留意すべき点は基本的に頭に入りましたし、取引先の方々と直接コミュニケーションを取っていたことで誠実に対応する姿勢を示す事が出来たのではないかと思います。監査法人時代に培われたコミュニケーション力や偉い人を説得する方法が活きていると嬉しいですね。
―原田さんが思う、CFOの魅力を教えてください。
繰り返しになりますが、経営陣の1人として与えられる裁量が大きいことが1つ大きな魅力です。自分の意見で経営方針が変わっていきますし、会社の方向性に関与できるようになったことで、自分の言葉で会社の事業や経営方針を説明できるようになりました。その分責任も増えますが、それがやりがいに繋がると思います。
ジャスミーのCFOとしての魅力を挙げるとしたら、日本が世界のトップであった時代の、まさに最先端を走ってきた経営者のもとで自分の力を発揮できることです。ジャスミーには元々ソニーの経営陣等、要職に就いていたメンバーばかりなので、常に緊張感を持って働くことができています。ソニーの文化を上手く吸収しながら、自分のバリューを出すにはどうすれば良いか、日々勤めています。
―原田さんご自身が5年後10年後どうなっていたいか、ビジョンはありますか。
好奇心が旺盛な性格なので、実は色々とやりたいことがあります。今はWeb3.0の領域に注力し、暗号資産の上場や利活用という分野を専門にできるように特化していますが、会計士としてできる仕事の範囲はもっと広いので、自分自身を成長させる1つのツールとして携わっていきたいです。基本的には人の役に立つことが好きなので、求められるために必要な知識や経験を身に付けていきたいと考えています。
また、いま妻が公認会計士の勉強をしているので、将来は一緒に会計事務所が出来たらいいなとはぼんやりと思っています。コロナ禍で父親になったので、働いている姿を家族にきちんと見せられればいいかなと考えていますね。家族を大事にするからこそ、仕事を頑張れる、全ての基盤は家族にあります。
―ジャスミーのCFOとしては今後どうなっていきたいですか。
ジャスミーはIoT×ブロックチェーンを組み合わせて個人情報を安心して受渡しが可能なプラットフォームを構築しています。この背景には、GAFAをはじめとする巨大なプラットフォームが個人情報を使って莫大な利益を計上することに対して世界中で法規制が始まっており、安心して個人情報を受け渡すことが難しくなりつつある環境があります。この莫大な利益は本来個人に起因すべきであり、本来個人が受け取るべきものである、というのがジャスミーの掲げる「データの民主化」という考え方です。
おかげさまでこの考え方に共感頂ける企業は増えてきていますが、利用する個人ユーザー側は、具体的に自分のデータがいくらの価値を持つ、ということがまだ実感できる環境がありません。私たちのプラットフォームの経済圏の構築を通じて、個人情報を自由にやり取りできる利便性を体験してもらい、自分のデータがいくらの価値を生むのか実感できるように働きかけていきたいと思っています。
また、暗号資産の認知も広げていきたいです。日本ではわずか人口の5%程度しか暗号資産を持っていないと言われています。ポイント感覚で暗号資産を手軽に使えるような、分かりやすいアプリケーションを構築できるよう進めていきたいです。
―最後に、CFOを目指しているHupro Magazine読者へのアドバイスをお願いします。
私が考える魅力的な経営者としての一番の資質は、クリアで明確なビジョンを発信し続けている事です。ビジョンは語源がVisualですので、眼でよく見えるほどに明確であれば、組織が同じベクトルで進んでいく事ができます。経営者が持つビジョンを自分の中で理解した上で、1人の経営者の立場として外部の金融機関やステークホルダーなどと必要なコミュニケーションを取ることがCFOの重要な役割になります。そのためには、ビジョンが明確でブレない人の下で仕事をしましょう。自分を後押ししてくれるという一定の安心感の上で自信を持って仕事ができるというのは何にも変えられない貴重な経験になるはずです。
CFOとして相手の信頼を勝ち取るためには、自分自身の意思決定を積み上げていくことが大事です。ステークホルダーや取引先にとっては、CFOを単なる窓口と考えている人は少なくありません。金融・会計・税務といった、いわゆるお金のプロフェッショナルであっても、会社としての意思決定が出来なければ単なるアドバイザーの立場になってしまいます。
経営陣でのコミュニケーションを絶えず行い、自分の上司ならこういうジャッジをするだろうという正しい判断、適時な情報共有を行った上で適切なフィードバックを受けることによって、自分自身の意思決定を行うことができるようになります。
はじめのうちは、小さな意思決定が良いですね。社内はもちろん、取引先などの外部からの信頼を勝ち取り、関係を築き上げていくことで大きな仕事ができるようになると思います。
―本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
本日お話をお伺いした原田 浩志がCFOを務める、ジャスミー株式会社のHPはこちら! /原田浩志氏のTwitterはこちら!