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広告宣伝費と交際費の違いはどう区別?損金に算入するケースとは?

HUPRO 編集部
広告宣伝費と交際費の違いはどう区別?損金に算入するケースとは?

商品などを宣伝するための費用である広告宣伝費と、得意先などの接待などにかかる交際費とは、違いが曖昧になってしまうことがあります。会計処理をするうえで、気をつけて区別しなければいけないのですが、難しいケースもあるでしょう。今回は、広告宣伝費と交際費の違いについて解説していきます。

広告宣伝費と交際費の区別のポイントとは?

広告宣伝費と交際費のように、ときに区別が難しい支出をどのように計上するのかについては、実は多くの経営者が悩んでいます。なぜなら、制度として明文化されていないので、判断ができないためです。このようにどのように計上すればいいかわからない場合は、とりあえず国税庁の「タックスアンサー」を参考にすることをおすすめします。ここでは、細かなケースについて、どのように支出を取り扱えば良いのかを答えてくれているからです。

もちろん、広告宣伝費と交際費の違いについての問い合わせも、タックスアンサーに載っています。タックスアンサーの記載によると、広告宣伝費は「カレンダーや手帳などを贈与するための費用で、不特定多数の人に対しての宣伝的な効果を得るための費用」となっています。また、交際費としては「得意先や仕入先などの事業に関係する人に対しての接待や贈答といった行為で支出した費用」だとされています。

つまり、ある特定の人に向けて贈られたプレゼントの場合は交際費になりますが、同じプレゼントでも不特定多数の人の手元に渡る可能性があるケースでは広告宣伝費になるということです。広告宣伝費か交際費かの判断基準は、特定の人を指して贈られるのか、不特定の多数の人なのか、という点がポイントです。

広告宣伝費として計上すべきケース

タックスアンサーでは、具体的にどのようなものが広告宣伝費なのかを示しています。次の例にあるように、広く一般消費者を対象とするようなケースが当てはまります。

・製造業者または販売業者が、ある商品を購入する一般消費者に旅行や観劇などへ招待することを前もって広告宣伝しておき、その商品を購入した人を実際に招待するための費用
・一般の工場見学者などに対して、製品の試食や試飲を提供するための費用
・小売業者が、商品を購入した一般消費者に景品を渡すための費用
・製造業者または卸売業者が、金品引換券付き販売をするに伴い、一般消費者に金品を配るための費用

このように、ただ不特定多数の人を対象にしてさえいれば広告宣伝費となるわけではなく広く一般消費者を対象としている必要があるのです。ちなみにここで表現されている一般消費者とは、最終消費者のことを指しており、製品を原材料などとして購入するような事業者は含まれていません。

また、タックスアンサーでは、次の例にあるように、特定の業を営んでいる人たちを対象とするケースは、一般消費者を対象としているとはいえないと示しています。

・建築材料の製造業者または販売業者が、大工や左官といった建築業者を対象にしているケース
・化粧品の製造業者または販売業者が、美容業者や理容業者などを対象にしているケース
・医薬品の製造業者または販売業者が、病院や医師を対象にしているケース

広告宣伝費として計上すべきケース

広告宣伝費と交際費はどうして区別する必要がある?

区別が難しい広告宣伝費と交際費ですが、ではなぜ、ここまで厳密に区別しなければいけないのでしょうか。それは、これらふたつの損金の扱い方が大きく違うためです。つまり、広告宣伝費なのか交際費なのかによって、法人税額が大きく変わることになる可能性があります。広告宣伝費であれば、全額を損金算入することができます。ところが、交際費の場合、原則は損金不算入となっており、次元的な措置として制限をかけることで損金算入が認められるようなかたちになっているのです。

また、交際費の損金算入には制限があり、大企業と資本金が1億円以下の中小企業との間でも違います。中小企業であれば2つの計算方法を選ぶことが可能です。1つは、交際費としての支出の800万円までが損金算入として認められるというものです。この場合、800万円を超える支出があったとしても、その超過分は損金としては扱うことができません。そしてもう1つの方法としては、社内の飲食費を除いた飲食費に関して、その支出の50%を損金に算入できるという方法です。ただし、この方法をとる場合には、帳簿上で接待飲食費として仕訳されていることが必要となります。

まとめ

広告宣伝費と交際費は、時には区別が難しいケースも出てきます。しかし、広告宣伝費なのか交際費なのか、どちらなのかをしっかりと調べて判断をしなければ、損金に算入することができるかどうかが変わってきますので、非常に重要なところです。正しく税金の知識を得て適切に節税をできるように、自社の広告宣伝費や交際費について今一度、見直してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

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