“社会の役に立ちたい”という思いで、金融DXサービスを提供する株式会社インフキュリオンの執行役員を務める長迫 亮氏。
今回は長迫氏のキャリアや仕事への思いをHUPRO編集部が詳しくお話を伺いました。
【キャリアグラフ】
学生時代にはどのようなことを学ばれていましたか?
私が大学に入学した頃は、人の遺伝情報であるゲノムの解析ができるようになった時代。生命理工学を専攻し、それらに対する応用を学んでいました。「いずれは人工臓器などができるようになるのかな、作りたいな」という思いから生命理工学を専攻し大学院まで進みましたが、よくよく考えればとても長期的な研究になります。あれだけ繊細な臓器を、細胞で0から作り上げるというのは容易いことではない。実際に、自分で研究をしてみて、それらを技術化することがどれだけ大変なことなのかがよくわかりました。
ゲノム解析を専攻されていたとのことですが、今のお仕事との関連性は低いように感じました。学生の頃から投資やお金に対する興味はあったのですか?
最初から金融系の仕事に就こうと思っていたわけではありません。ただ、当時は某金融系の小説が流行っていて、それを読んで「投資する側に回るという選択肢もあるんだ」と金融系の仕事に興味を持ちました。また、私の通っていた大学では、ベンチャーキャピタルの方がいらして講演をしてくださる機会が何度かあり、その方々の話を聞いてベンチャー企業というものにも関心を向けるようになりました。
大学院を卒業後、金融系の企業に入社されていますが、そこの会社ではどのような業務を担当されていましたか?
会社としてはベンチャー企業に対して投資を行っていました。私個人としては、ファンドを作るチームにいたこともあれば、投資先を探すチームにいたことまで、幅広くさまざまな業務を担当していましたね。また、実際に投資した先に対して、ベンチャーキャピタルとして投資後の会社に貢献していくといった活動もしていました。
グラフを拝見する限りでは、モチベーションが下がっているように見受けられます。モチベーションが下がってしまった原因はどのようなものでしたか?
私がこの金融系の企業に入社したのは2011年。当時はリーマンショックの影響もあり、就職氷河期と言われていた時代でした。リーマンショックの影響は就職活動だけでなく、日本の株価やマーケット、経済状況にまで及び、行き詰まっている方や企業が多くあったように思います。そうなれば、当然ながら自分たちの生活を維持することで大変なわけですから、他人や他所の会社に投資をしている状況ではない方が増えるわけですし、投資をしてもらってもうまく活用できない会社も増えてきます。そのうまく回らない状況に、「自分はなんでこんな仕事をしているんだろう」と疑問を抱いてしまいました。これが、モチベーションが下がり始める誘因だったのかもしれません。そこからはどんどんとモチベーションが下がってしまったこともあり、転職に踏み切りました。
ベンチャーキャピタルの会社を退社後、同じプライベートエクイティファンドの会社へ転職されていますが、転職後に担当されていた業務を教えてください。
2社目の会社では、主にバイアウト投資といって会社を買収して事業の再生を図るような業務を行っていました。買収をするので、投資する数は少ないものの、しっかり投資をやりきることができましたね。
この会社に入社されてからモチベーションが上がっていますが、モチベーションが上がるきっかけになった出来事はありますか?
当時は社会人3、4年目くらいの時だったように思いますが、いきなり買収した会社にコミットしていくような業務でした。経営面でうまくいっていなければ経営陣の方々と話し合いをしますし、人件費の問題が明るみになれば自分たちで雇用関係の解消を申し出ることもありました。特に、雇用関係の解消を申し出るのは心苦しいことではありましたが、社会人歴の浅い時期にそれだけのことを経験できるのはとても価値のあることだったと感じていますし、それらの経験は今にも生きていますね。また、モチベーションの向上にもつながっていたように感じます。大変なこともありましたが、やりがいを持ちながら働くことができていました。
2014年から3社で取締役をご経験されてキャリアアップにつながっていることもあるように思いますが、思い出に残っているエピソードやキャリアの特徴を教えてください。
2014年以降は、それぞれ東北の方や名古屋、静岡など、さまざまな場所で仕事をしていました。
特に思い出に残っているのは眼鏡屋さんのチェーン店を持っている会社でしたが、常駐して案件の発掘から売却まで一貫して一人で担当していました。ここではすぐに黒字化を達成できたことで自信がつき、自分自身のキャリアが変わるきっかけになったと思います。
地方の会社での取締役経験ののち、このタイミングでご結婚されましたがキャリアに変化はありましたか?
やっぱり支えるべきもの、守るべきものがあるというのは大きくモチベーションに影響しましたね。一方で、大変な面もありますね。仕事自体には満足していたんですけれど、地方にばかりいて、双子の子供がいて、という状況は難しいなと思い、転職を決意しました。
インフキュリオンを選ばれた理由を教えてください。
知人から面白い企業があると誘いを受けたことがきっかけです。
そこから弊社代表の丸山と面談をして、入社に至りました。丸山のプレゼンを聞いて今までにはなかったような、社会を前向きに変えていけるような明るいビジョンを描くことができたのです。今までの仕事も社会の役に立つことをしようという意識でやってきましたが、インフキュリオンに入社すれば、社会のインフラになって、みんながより過ごしやすくなるのではないか、今まで以上に社会の役に立つことができる!!と強く確信を持って入社することができました。
インフキュリオンでは、どのような業務を担当されていますか?
インフキュリオンでは、コーポレート本部の副本部長として、バックオフィス周りの統括と資金調達周りの業務を担当しています。以前の会社と変わりない業務内容ですが、アプローチが少し違うように感じます。今までは、無駄を削ることが多かったのですが、インフキュリオンは成長企業で、成長に向けては余力も必要で、拡大しながら適正化していくといった形ですね。
仕事のやりがいを教えてください。
一番直近の話で言うと、サービスの普及ですね。
弊社のビジネスモデルでいうと決済や送金、国際ブランドカード発行など金融サービスを機能単位で提供するプラットフォーム等を手掛けており、直接一般の方に向けてサービスを展開しているわけではないので若干わかりにくい部分もありますが、利用実績が広がって、ユーザー数が伸びていると聞いたときにはとてもやりがいを感じます。
長迫さんが将来的に思い描いているキャリアやビジョンを教えてください。
やはり“BaaS”(Banking as a Service)関連の話題にはなってしまいますが、私個人としては将来的に決済という概念がどのようにかわっていくのか、とても注目しています。すでに、現金払いがキャッシュレス時代に変わりつつあり、これからはレジに並んだり会計待ちをしたりすることもなくなるんだろうと思っています。小売業や通信、サービス、IT企業が既存サービスに金融サービスを組み込んで提供する「Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)」が注目を集め、決済という概念が変わりゆく中で、その概念が変わっていく過程も見ていきたいですし、その変化に対応して便利な世の中を作り出せるようにインフキュリオンと共に成長していきたいですね。
転職活動をされている方に対してメッセージをお願いします。
私の中で転職というのは、自身のキャリアを振り返り、さらには今後のキャリアを改めて考えるきっかけであると考えています。その中で自分が本当にやりたいこと、そしてやるべきことを明確にして、そこにつなげることができる場所を探してほしいなと思います。そのために、自分自身と向き合う時間を作ることもよいでしょう。
ぜひ、自分自身と向き合ったうえで、弊社の方針と一致する方がいれば一緒に働けることを願っています。
今回お話を伺った長迫氏が執行役員を務める株式会社インフキュリオンのホームページはこちら