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公認会計士に導いたのは“人の夢を応援したい”という想い。面白法人カヤックにて執行役員を務める吉田恒徳氏のキャリア遍歴

HUPRO 編集部
公認会計士に導いたのは“人の夢を応援したい”という想い。面白法人カヤックにて執行役員を務める吉田恒徳氏のキャリア遍歴

“人の夢を応援したい”という真っ直ぐな思いから公認会計士を目指した、面白法人カヤックの執行役員である吉田恒徳氏。今回は吉田氏が公認会計士を目指したきっかけや企業の魅力、さらには将来的なキャリアプランについてHUPRO編集部が詳しくお話を伺いました。

2004年 慶應義塾大学経済学部 卒業
2007年 有限責任監査法人 トーマツ 入社
2011年 面白法人カヤック 入社
2014年 面白法人カヤック 東証マザーズへ 上場

公認会計士に導いたのは“人の夢を応援したい”という想い

ー吉田さんが公認会計士を目指したきっかけを教えてください。

恥ずかしながら、大学生時代の私は遊びに夢中で、本来考えるべき将来についてあまり興味がありませんでした。父から「公認会計士という仕事がある」と話を聞いて、知ってはいたものの、最初は興味が湧きませんでした。

私には「絶対にラーメン屋さんになりたい!」「車が好きだから、絶対に車関係の仕事に就職する!」というような特定のものに対する熱い気持ちはなく、就職活動もあまり深く考えずに動いていました。

高校生や自分より若い学生を見かけると、「あの子たちは将来があっていいな……」という思いを抱き、熱い気持で精力的に就職活動をする友人を見ていて、羨ましいと感じることが多かったです。

そんな時に「このままではいけない」という気持ちとともに、父からの話を思い出しました。「公認会計士ってどんな仕事なのだろうか……?」公認会計士という職について改めて調べてみると、夢を持つ人を応援する仕事であることがわかりました。

自分に明確な夢がない中で、他の人の夢を応援することに強く惹かれました。その当時、就職先は決まっていたのですが、公認会計士になるため就職を辞めて、大学4年生の夏から勉強を始めました。

ー大学4年生から公認会計士試験の勉強を始めたとのことですが、実際に勉強を始めてみていかがでしたか?

ストレートで受かる気でいたのですが、簡単なものではありませんでした。
父に公認会計士を目指すと言ったときには、「今まで遊んできたのに本当にできるのか」と厳しいことを言われましたし、実際に短答式試験は合格することができても、論文式試験に受かることができませんでした。

最終的には、監査法人で働きながら勉強をして、晴れて3回目で公認会計士試験に合格することができましたが、決して簡単な道のりではなかったです。

仲間に恵まれて過ごした監査法人時代

ー実際に監査法人の会社で働いてみて感じたことを教えてください。

私は、試験に合格していない状況で入社したので、仕事よりもまず試験に集中しろという会社の意向がありました。今思えばありがたいことですが、「もっと仕事をしたい」という気持ちで悶々としていた時期はありました。

論文式に合格後、仕事を任せてもらえるようになり、中小企業中心に関わることが多かったのですが、「会社を大きくしたい」「IPOを達成したい」という夢を持っているお客様が多く、真摯に何事にも取り組む姿を見て、夢を応援したいと思っている私にとっては非常にやりがいがあるなと感じました。監査法人の仕事はそういった意味でとても有意義な時間でした。

1つの会社にフルコミットするために決意した転職

ーやりがいを感じていた監査法人を転職されたのはなぜですか?

転職の理由としては、会社の成長にフルコミットしたいという思いが大きくなったためです。夢を持って頑張っている方を、次は自分が当事者意識を持ってサポートしたいという気持ちが強くなってきました。

監査法人ではどうしても、担当を複数持ち関わる密度も分散されてしまいます。より密に関わるには、自分が事業会社の中で働く必要があると考えました。

そんな矢先に監査を担当していた当社の管理部門の方から、「一緒に働きませんか?」と誘いを受けました。忘れもしませんが誘われたその日がエイプリルフールで。(笑)最初は冗談かと思ったのですが、本気で誘ってくれていたみたいで心躍りました。

監査をしていたため社内のことも何となくは知っていて、すごく夢が溢れている空間であると感じていました。クリエイターの方々が楽しそうに働いている姿を見て、皆さんの夢を応援したいと思い、経理部長として参画することを決めました。

“上場”はゴールではなく、1つの通過点

ー転職後、当事者意識を持ちながら働けていますか?

まだまだ道半ばではありますが、事業会社に入り、当事者意識を持ってコミットできていると感じます。そう感じた大きな経験は、面白法人として上場できた経験から来ていると思います。苦労したこともありましたが。。

ー具体的にどんなことに苦労しましたか?

苦労したことは「業績」ですね。自分たちが出した業績予想に対して、会社を経営できる力があるか?達成できるか否か?会社の本質的な成長スピードを妨げないようにしながら、上場準備会社として業績管理をしていく難しさはすごく感じました。

弊社は、ゲーム事業の割合が大きく開発費を全て費用計上しています。当然開発したゲームがリリースして売れるまでは売上0となります。

そして何よりゲーム自体当たるか否かは、最終的にリリースしてみないとわからないボラティリティーの高い事業です。ヒットするように工夫して、制作はするものの、それが当たるかどうかは本当に不明確で、コントロールができません。

そのためまずはスケジュール通りにゲームがリリースされるのかが、上場するうえで1つ重要になっていました。リリースのスケジュールが少し遅延するだけで、業績予想は大きく変わります。一方で、納得のできるクオリティのゲームを開発しないとヒットしないので会社の本質的な成長を考えるとスケジュールだけを重視することは出来ません。スケジュール管理と事業ポートフォリオ全体としての予算の管理には常に気を張っていました。経営そのものでもあると思うのですが、ある意味正解のない未来に対する決断と証券会社様等とのコミュニケーションも大切にしていました。

ー上場達成後のお気持ちはいかがでしたか?

私が上場を達成したときに感じたのは、「悔しさ」でした。
なぜなら、公募価格は決して低くはなかったものの、自分の考えるバリュエーション(企業価値評価)の数字に届かなかったためです。
やれるだけのことはしたつもりでしたが、自分の力不足を痛感せざるを得ない経験でした。

もちろん上場は嬉しかったですが、そちらの悔しさの方が勝っていました。上場は1つの通過点で、まだまだ成長していく必要があると強く感じました。

ー上場するために何が一番大切だと感じましたか?

一番大切なことは、「上場してほしい」と周囲から思われる会社になることが一番大切なことであると感じています。東証の方や、証券会社の方との関係構築やそれに至るまでの議論、コミュニケーションを私自身一番大切にしていました。

「カヤックって面白いし、良い会社だよね」関係者の方々にそう思っていただくために、必要なことは全力で取り組んでいました。

やりたいことができること、そして仲が良いことこそが面白法人カヤックの魅力

ー面白法人カヤックの管理部門の魅力を教えてください!

「ギブ&ギ部」とも呼んでいる弊社の管理本部は、クリエイターの方々が働きやすい環境を整える役割を担っています。無償の精神という言葉が近く、クリエイターの方々が働きやすい環境を与え続けるということを重要にしています。

クリエイターの方々も管理本部の思いを汲み取ってくれているので、お互い尊重し合った組織になっています。管理本部と事業サイドの関係は、どの会社にも負けない自信があり魅力であると言えます。

ー吉田さんが感じている仕事のやりがいとは、どのようなものなのでしょうか?

私の仕事のやりがいは、やはり公認会計士を目指したきっかけでもある「人の夢を応援したい」「みんなの夢を叶えたい」という思いにリンクする部分です。

自分の起こしたアクションでみんなが喜んでくれる。そして、会社も成長することができる。そのようなときに、やりがいを感じますね。

“人の夢を応援したい”という思いを持ち続けて挑むこれからのキャリア

ー5年後、さらには10年後に吉田さんが思い描くキャリアを教えてください。

これからも面白法人カヤックに関わる皆が、夢を持てる会社であるように尽力していくことです。働くみんなが楽しいと思うことをやっていたら利益がついてくるような状態を作り出していきたいと考えています。

売上高や利益を今以上に増やしていくことで、世の中から面白法人カヤックという会社を認めてもらえるきっかけになるはずですし、面白法人であっても会社として世の中に貢献できるということをお見せすることができると思っています。なので、成長を続けていける会社であれるよう、これからも精進していきたいです。

ー最後に、HUPROMAGAZINEの読者に対してメッセージをお願いします。

一言皆さんに伝えたいのは、「願い続ける夢は叶う」ということ。言い換えれば、先々に起こりうるリスクを怖がり過ぎずに、やりたいことを続けてほしいです。どこまでも夢を追いかける、自分のことを信じて進んで行って欲しいです。

もちろん、「そんなことを言われたって怖いものは怖い」と思う方もいるでしょう。ただ、見えないものが怖いのは当たり前のことです。山登りも登り始めないと、その先の景色は見えませんし、頂には辿り着けません。人生も同じで、その時々は怖いなと感じていても、その先に自分の求めるものがあると信じて先に進み続けてほしいです。歩み続ける先には、夢が叶うと信じて強い心で向かって行ってみてください!

本日はお話いただき誠にありがとうございます。
今回お話をいただきました執行役員の吉田氏が務める面白法人カヤックのHPはこちら!

この記事を書いたライター

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