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バンドマンから税理士へ。高木誠税理士事務所にて代表税理士を務める高木氏の税理士を目指したきっかけと将来像

HUPRO 編集部
バンドマンから税理士へ。高木誠税理士事務所にて代表税理士を務める高木氏の税理士を目指したきっかけと将来像

東日本大震災がきっかけで税理士を目指し、現在は高木誠税理士事務所にて税理士として勤められる高木 誠氏。
今回は、高木氏が税理士を目指したきっかけや仕事のやりがい、さらには将来像についてHUPRO編集部が詳しくお話を伺いました。

2003年 高校卒業後、上京しフリーターをしながらバンド活動
2011年 税理士試験の勉強開始
2013年 税理士事務所の就職
2015年 税理士試験合格
2020年 熊本市で税理士事務所を開業
2021年 熊本県天草市に事務所移転

“お金への興味”と“自分への無力感”が税理士を目指したきっかけに

ー税理士を目指したきっかけを教えてください。
税理士を目指したきっかけは、通っていた簿記の専門学校で先生に声をかけられたことです。声をかけていただいたと言っても、税理士試験を受けるための試験にたまたま合格したからでした。「お金について勉強したい」という気持ちで通い始めた専門学校ですが、先生にお声かけいただいたことがきっかけでいつしか税理士を目指すようになっていました。

ー「お金について勉強したい」と思うようになったきっかけはありますか?

私が「お金について勉強したい」と思うようになったのには、東日本大震災が大きく関係しています。当時26歳だった私は、バンドマンとして全国各地をツアーで巡っていたのですが、仙台はたまたま東日本大震災が発生する数日前に訪れた街。「被災地のために何かしてあげたい……」という気持ちはあるものの、当時の私は恋愛や日常の些細なことを表現しているバンドマンに過ぎず、おそらく社会から見れば無力でしかない。そのような自分のことを社会と接点がない、とても無力な人間に思えたのです。そこから、私は「なにか社会に通ずることを勉強したい!」と思い、まず始めたのが興味のあったお金の勉強でした。
私の税理士としての人生は、“お金への興味”と“自分への無力感”から始まったのかもしれません。

ー税理士を目指すまではバンドマンとして活動をされていたようですが、税理士を目指すことへの抵抗感はありましたか?
アートの世界観で生きていた私には、お金や法律周りの勉強は新鮮さもあり、同時に抵抗や不安もありました。私の場合には税理士を目指すべき動機が恐らく強かったので、その熱量で乗り切っていましたね。

「税理士になりたい!」という強い熱量があれば、どこまででも頑張れる

ー税理士試験の勉強をするにあたり苦労したことや辛いと思ったことはありますか?
税理士試験に挑戦すると決めてから結果的に4年かかったのですが、最初はバンドを続けていくつもりだったので、勉強とバンド活動を両立するのに苦労しました。ツアーで遠征することもあり、授業に参加できないことも多々ありました。「税理士を目指すのならこのままでは無理だ」と覚悟を決めて、勉強を始めて2年目の途中でバンドを辞め、税理士試験に集中することにしました。

その後、2年目は勉強だけに専念し、3~4年目は税理士事務所に勤めながら勉強続けて、4年で税理士試験を終えました。毎年3科目ずつ試験を受けていたのもあり、とにかく時間の確保に苦労しましたが、この4年間ひたすらに頑張った経験は人生において大きな財産となりました。

ー仕事と勉強の両立は難しいという声をよく聞きますが、それらを両立するために工夫したことを教えてください。
私の場合には、バンドと勉強、仕事と勉強との両立の中で、時間を確保するのを工夫しました。通勤時間の電車の中でも、駅から自宅、駅から職場に向かう道でも、お昼休みも食事中も、ただただひたすらやり続けました。同期にはコンビニの会計待ちで並んでいるときでさえ勉強している人もいました。税理士試験は本当に目標を達成したいという動機や気持ちと、それをやり続ける根性と習慣があれば、どこまででも頑張れるもの。たまに弱音を吐くこともありましたが、それでも1日1日前に進めた気がします。
今でも仕事と家事や育児との両立に悩むこともありますが、その時の経験は活かされているように思います。

お客さまの喜びが自分のやりがい

ー現在の業務内容を教えてください。
現在は、法人や個人事業主の税務顧問や相続税の申告を中心に、経営改善やM&Aの支援なども行っています。少し変わったことだと、税理士のセカンドオピニオンも行っています。税務に関わる業務を現在は一人で全部行っています。育児と仕事の両立は大変ですが、自分のペースで仕事ができるのは税理士としての魅力の一つです。妻と協力しつつ、育児も仕事も全力で頑張っています。開業のタイミングも子供が生まれたタイミングだったので、育児を通して様々な考え方が変わったなと思います。

ー3つの税理士事務所で経験を経て、今は個人事務所として活動をされていると伺いました。税理士という仕事のやりがいはどのようなところにあると思いますか?
税理士は、お客さまとコニュニケーションを密に取っていく職業です。そのため、お客さまの会社の業績が伸びていることが目に見えたり、「ありがとう」というお言葉をいただけたりしたときにとてもやりがいを感じますね。

生まれ育った街で、地域の方々と支え合いながら生きる未来を夢見て

ー地元である天草市に戻られて個人事務所を開業されていますが、思い描く将来像はありますか?
生まれ育った天草市に帰ってきたので、地域の方々と支え合って生きていきたいと思っています。特に、この地域は、今後さらに高齢化が加速していく街であると言われているので、島だからこそのハングリー精神を大切にしながら地域の方々のお役に立てるように尽力していきたいです。また、天草市は海の綺麗な街でもあるので、海の見える事務所を建てることも1つの夢になっています。

ー高木さんの考える“島だからこそのハングリー精神”とはどのようなものか教えてください。
わかりやすく言うのなら、“支え合いの精神”みたいなものでしょうか。島なので、どうしても“快適”という言葉や“便利”という言葉からはかけ離れた生活になってしまいます。だからこそ、人同士が支え合って生活しているのが天草市です。そういうところをこれからも受け継いでいきたいですね。

自由な働き方が選択できる反面、動じないメンタルが大きな鍵になる

ー税理士事務所に勤められた経験とご自身で開業された経験がありますが、開業のメリット・デメリットはどのようなところにあると思いますか?
開業のメリット・デメリットは、良くも悪くも自分次第であることではないでしょうか。時間もお金も、さらには責任だって自分次第。いい言い方をすれば“自由な働き方”として、悪い言い方をすれば“負担”として、全てが自分に乗っかってきます。税理士事務所の一社員として働いていたころは、就業時間や給与がある程度決まっていたり、人間関係に対する煩わしさだったりすることへの悩みが大きかったのですが、やはり開業してみると抱える悩みは大きく変わりますね。

ー最後に、税理士を目指している方、さらには税理士としてキャリアアップしていきたいと思っている方に向けてメッセージをお願いします。
これは税理士の業界にとどまらず、どの業界の方も感じているはずですが、キャリア面においても経済面においても、先行きに不安を感じている方は多いと思います。しかし、そのような時代だからこそ、どんなことにも動じないようなメンタルを身につけることがとても重要なポイントであると感じています。そのためには、日頃からキャリア面、さらには経済面のどちらにおいても、人生設計を立てておくことが将来的に役立つときがくるかもしれません。私自身もまだこれから学ぶことも多くあると思いますが、ぜひ人生設計をきちんと立てて、起こりうる事態に備えてほしいと思います。

ー本日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。

本日お話を伺った高木誠氏が代表税理士を務める
高木誠税理士事務所のHPはこちら!高木誠氏のTwitterはこちら!

この記事を書いたライター

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