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大切なのは自分で選択し、自らの意思決定への納得感を持つこと。ユニファ株式会社取締役CFO星直人氏が語るプロフェッショナルとしての仕事との向き合い方とは

HUPRO 編集部
大切なのは自分で選択し、自らの意思決定への納得感を持つこと。ユニファ株式会社取締役CFO星直人氏が語るプロフェッショナルとしての仕事との向き合い方とは

「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」をパーパス(存在意義)として掲げるユニファ株式会社で取締役CFOを務める星直人氏。仕事におけるプロフェッショナルとしての在り方についてHUPRO編集部がお話を伺いました。

【略歴】

​​2005年3月 ◆早稲田大学政治経済学部卒業
2007年3月 ◆同大学大学院卒業
2007年4月 ◆モルガン・スタンレー証券株式会社
(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)入社
2015年3月 ◆Morgan Stanley
ニューヨーク本社 出向
2017年1月 ◆三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
エグゼクティブ・ディレクター
2019年6月 ◆ユニファ株式会社
CFO就任

【キャリアグラフ】

キャリアについて考え尽くした学生時代

-ご自身のキャリアを意識し始めたのはいつ頃ですか?

将来自分がどのようなキャリアを形成したいかということは、大学在学中からずっと考え続けていました。それでも、明確な答えは見つからなくて。当時は3年生になると就職活動が始まるのですが、そのタイミングでも決まっていなかったので、就職活動をしないという選択をしました。

就職活動の時期が始まったから就職先を時間切れ的に決定するのではなく、自分が十分に納得する意思決定をしなくてはいけないと考えたからです。それでバックパッカーとして東南アジアやヨーロッパを1人で放浪しながら、自分がどんな人生、どんなキャリアを歩みたいのかをひたすら考えました。その流れで、大学院に進学して一種のモラトリアム期間を延長しました。

-その答えはどのように見つけたのですか?

結局悩み続けて、4年生の卒業旅行に1人でインドのガンジス川へ行き、沐浴をしながら意思決定をしました。中高生の時に、遠藤周作の『深い河』や、安藤忠雄の『建築を語る』という本を読んで、私も何かに迷ったらインドに行って腹決めをしようと思っていたのがきっかけですね。そこでも本当に色々悩んだのですが、最終的には「答えはない」という結論に至りました。

-「答えはない」という結論に至ったのですね。

はい。 考えるだけではなく、実際にやってみないと分からない。だったら、と思って自分のファーストキャリア選択において重要視することを2つ決めました。1つは自分の価値観の軸を大切にすること。もう1つは将来の選択肢を狭めないキャリアにすることです。

前者は、仕事は人生において1番時間を費やす事柄なので、自分が楽しく働けて興味を持てる分野にしたいと考えたからです。

後者ですが、私は新卒でいきなり自分の天職を見つけられる確率は一般論として高いとはいえないと思っています。幸運にもファーストキャリアで天職に出会える人もいらっしゃるとは思うのですが、少なくとも全員がそうではない。そのため、自分の好きなことを仕事にしつつも、将来のキャリアの選択肢を狭めない、むしろ広がるような仕事に就こうと考えたのです。

そこで外資系投資銀行やヘッジファンド、戦略コンサルティングファームなどで複数社インターンシップを経験し、実際に働いてみて楽しいかどうか、自分で立てた仮説の解像度を上げていきました。その結果、外資系投資銀行のIBDが自分にとって1番興味深く、キャリアの発展性がある仕事であり、加えて、会社のカルチャーが一番合っていたという理由から、モルガン・スタンレーに入社しました。

常に考え行動する、プロフェッショナルとしての在り方

-モルガン・スタンレーに入社されてからキャリアグラフは常に安定されていますね。

これには2つ理由があって、1つはプロフェッショナルというキャリアを歩んでいるので、精神的なブレがあってはいけないと思っていること。もう1つは自分が好きで選択しているので、モチベーションの波がないということですね。

前者でいうと、私が考えるプロフェッショナルとは、お客様に報酬額を上回る高い付加価値を与え続けなければいけない職業だと思っているので、そこに個人的なモチベーションのブレが生じ、パフォーマンスに影響を与えたらプロフェッショナルとは言えないと思っております。一貫して高いモチベーションを安定的に保ち続けることが当然であり、ある種の職業倫理観に近いものがあると考えています。

後者に関しては、結局職業を選ぶのは自分ですから。外資系投資銀行は、ハードワークでプレッシャーも非常に大きかったですが、それを選んだのは、私自身です。そういう仕事と理解して選んだのだから大変なことがあって当たり前ですので、それでモチベーションが低下することはありませんでした。

-プロフェッショナルとしての考えは入社当時から持たれていたのですか?

モルガン・スタンレーに入社して最初の成果給を含むフィードバックを頂いた時に「社会人になりたての私に本当にこんな価値があるのか」と衝撃を受けました。当時の私にその価値があるかというと、私は正直自信を持てませんでした。外部からの期待値と自分の価値の差を少しでも埋められるようにしなくてはいけない、プロフェッショナルとしての高い期待に応えようという強い思いはそこから持ち続けていましたね。

-他にも働きながら意識していたことはありますか?

「誠実さ」です。モルガン・スタンレーのような外資系投資部門のビジネスは、案件が成立しないと基本的に報酬が入りません。そのため、案件を成立させるインセンティブが働きがちです。しかし私はその中でも、誠実にお客様と向き合って、お客様の企業価値最大化に資するかどうかを熟慮すること、逆に言えば、案件を止めるべき時はきちんと止められることが重要だと思っていました。お客様だから、年上だからと変に忖度するのではなく、プロフェッショナルとして自信を持って自分の考えをレコメンデーションし続けることはかなり意識しましたね。

一見、案件を止めることは、会社の短期的な利益と相反するように見えるかもしれませんが、モルガン・スタンレーでは、中・長期的なお客様との信頼関係を重視していたので、案件が成立しなくてもお客様から評価されていれば、「Do the right thing」という観点から、会社内でもきちんと評価してもらえるようなカルチャーがありました。

-どのようにして、お客様に自信を持って提案できるようになったのですか?

当然、最初からできていたわけではありません。愚直に誰よりも働いて、モルガン・スタンレーのスタンダードを身に付けたという自負が自信に繋がったと思っています。

まず重要なのは「何をもってグローバルスタンダード若しくはファーストクラスのサービスとするのか」という仕事のクオリティを理解することだと考えたので、それを日本でもグローバルでも非常に優秀な先輩方から学びました。そのクオリティの期待値をしっかり意識して仕事をすれば、お客様に受け入れてもらえることが数年かけて実感できるようになったので、ここまで自分が考えて詰めていけば絶対的な自信を持って提案ができるという段階まで昇華できたのだと思います。

あとは、先輩や上司の話を聞きつつ「自分だったらどうするか?」を徹底的に考えました。例えば自分が所属するプロジェクトのリーダーがいて、リーダーはAという選択をしたけど自分ならBを選択したかもしれない、なぜこの差分が生まれたのだろうと考えたとします。そのような場合は、直接リーダーに「私はこういう理由でBだと考えたのですが、どうしてあなたはAを実行したのですか?」と毎回のように確認しに行きました。このようなことを何度も繰り返し、優秀な方々の思考回路と自分との考えの差分を本当の意味で理解しようと努力し続けました。

-仕事のやりがいはどのようなところで感じていましたか?

外的な評価と内的な評価で感じていました。

外的な評価とはお客様からの評価とモルガン・スタンレーのチームからの評価です。お客様は皆様フェアな方なので、クオリティの高いサービスを提供したら、その分高い評価をくださいました。ですからお客様からの評価は常に気にしていましたし、それがすごく喜びでもありました。モルガンの社内チームからの評価は、非常に優秀なメンバーや上司に囲まれている中で、「次の案件も星と一緒に担当したい」と言ってもらえたのが大きなやりがいに繋がりました。

また、内的な評価として、自分が仕事を通して成長している実感があるかどうかというのは重要だと思っています。新しいことができるようになる、それにより自信を深め、さらに良い提案ができるようになる。成長を実感できることは、自分に対する納得感にとって大きな要素だと思います。

この2つの評価は相互作用だと思っていて、自分の自信を深めるためには外的な評価が必要だけれども、それだけではうまく回らない。内的に自分を評価してきちんと納得感を持つことによって、さらに良い方向に循環するのだと思います。

-モルガン・スタンレーにおいて、ご自身がステップアップできた理由をどのように考えていますか?

高い付加価値を出すために、時間の使い方を考えながら、一定のインプット量を確保するように愚直に努力し続けたからですかね。人のアウトプットというのは、大まかな因数分解をすると「基礎能力×投入時間×生産性」の3つの要素に分解可能かと思っております。基礎能力は所与のものなので変えられないし、私は市井の人ですので、生まれつきの天才にはかなわない。一方で、投下する時間と生産性は、戦略と効率を考えれば自分の努力次第でコントロール可能な部分なので、私はこの2つを常に意識していました。

-プライベートと仕事のバランスはどうでしたか?

当時の自分にとって、プライベートと仕事の境目はなかったですね。好きなことを仕事にしていたのでそれ自体が楽しくて。
あとは、人生のどのフェーズで努力をするのが重要かを考えた部分もあるかもしれません。キャリアの序盤でしっかりベースとなる筋力を作れば、その後の人生においてワークライフバランスが徐々に取れるようになる可能性が高まるとは思っておりました。

それに将来家族ができたら、子どもと過ごす時間をしっかり作りたいと考えていました。そうすると、その時間を確保できるだけのスキルや筋力を早期に身に付けていないといけない。子どもが生まれてからでは自分一人の時間を確保するハードルも上がると思っていたので、その前から考えて行動していましたね。

ユニファで実現する「子どもに誇れる仕事」

-転職されたきっかけは何ですか?

娘が生まれたことです。それまでは「私の人生=仕事」という感覚だったのですが、娘が生まれたことによって考え方が全く変わって、仕事も当然大切だけど、やっぱり1番は家族だと思うようになりました。今までは、自分の興味など、「自分」を軸に仕事をしてきましたが、娘や最近生まれた息子に誇れる仕事をしたいと考えるようになったことがきっかけです。

-現在お勤めのユニファに入社した理由もそこからですか?

そうですね。自分がプレイヤー側に立てるという点と、事業の社会貢献性の高さに魅力を感じてユニファに入社を決めました。
外資系投資銀行での私の立ち位置はアドバイザーでした。アドバイザーも非常に素敵な仕事ではありますが、最終的なリスクを選択し、決定権を持つのはお客様です。自分がプレイヤーになってよりダイレクトに社会に貢献することで、より子どもに誇れる仕事になるのではないか、と感じたのが理由の1つとしてあります。

また同様の理由から、事業の領域として、社会貢献性が高い事業を選びました。私は仕事を通して「ジェンダーフリーな社会を創出し、キャリアと家族を両立させる」という、サステナブルな状況を日本で形成したいと考えています。先日娘から「パパは、とても良い仕事してるよね」と実際に言われて、これは非常に嬉しい出来事でした。

詳細まで理解しているかは分からないですが、社会課題に取り組むユニファの事業内容に、幼いながらに興味を示してくれたのです。子どもにも分かりやすい社会貢献性というのは、自分にとってユニファに入社した大きな理由でしたね。

-ユニファとして、個人としての今後の展望をお聞かせください。

会社としての目標は、社会課題解決型スタートアップとして一定の成果をあげることです。例えば、今スタートアップが非常に注目を集めていますが、その理由の1つとしてメルカリさんの存在が非常に大きいと私は考えています。メルカリさんの大成功があるからこそ、他のスタートアップも彼らの背中を目指すという良いエコシステムが生まれています。

同様に我々は、社会性と経済性の両立という観点から事業を展開していき、この社会課題解決型スタートアップという観点からユニファが成長して注目を集めることで、次世代の社会起業家が勇気づけられる事例を創りたいと思っております。未来の社会がより良い方向に向かうために、一つの先行事例として、ユニファとして新たな道を作っていくことが、私の今後のキャリア展望でもあります。

-それでは、最後に管理部門を目指しているHUPRO MAGAZINEの読者へアドバイスをお願いします。

私が大切にしている言葉の1つにGEのCEOであったジャック・ウェルチさんの「Control your own destiny or someone else will.」という言葉があります。要約すると「人生は自分でコントロールしないと、誰かにコントロールされてしまう」という意味合いなのですが、この言葉からも分かるように、自分の人生において何が重要なのかを自分の価値観で徹底的に考えて、それに従って動かれるのが1番良いと思います。

管理部門バックグラウンドの方には、リスクを取ることに抵抗感がある方も多いと思いますが、同時に「リスクを取らないリスク」を意識することが重要だと思います。目の前のリスクを取ることによって、他のリスクを回避できることもありますから。これを頭に入れつつ、ご自身の今後のキャリアを考えた方がより良い答えが見つかるのではないでしょうか。時間は全員に等しく流れているので、何にどのくらい時間を投じるかということを常に考え、自分の納得感を一番大事にしつつ、思考及び行動することが大切だと思います。

-本日はお話を聞かせて頂き誠にありがとうございました。

今回お話を伺った星氏が取締役CFOを務めるユニファ株式会社のホームページはこちら!

ユニファ株式会社HP

この記事を書いたライター

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