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“人に伝えること”こそがやりがい。講師としての経験を糧にIBC岩下典裕税理士事務所にて税理士として勤める岩下尚義氏のキャリアとやりがい

HUPRO 編集部
“人に伝えること”こそがやりがい。講師としての経験を糧にIBC岩下典裕税理士事務所にて税理士として勤める岩下尚義氏のキャリアとやりがい

講師としての経験を糧に、現在はIBC岩下典裕税理士事務所で税理士兼FPとして働かれる岩下尚義氏。
今回は、岩下氏が歩んできたキャリアや講師という職を通して学んだこと、さらには仕事をするうえでのやりがいについてHUPRO編集部が詳しくお話を伺いました。

2007年 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業
2008年 資格の学校TAC税理士講座 講師(6年間)
2009年 現税理士事務所 入所
2009年 ㈲岩下ビジネスセンター 入社
2016年 有坂中央学園 中央情報経理専門学校 非常勤講師(3年間)

講師になった原点は、“プレイヤーよりもサポーターでありたい”という思い

ー税理士を目指したきっかけはなんですか?
祖父から家業が会計事務所だったというのが一番大きいです。「将来は税理士になる!」と祖父や父に話すと喜んでくれるのが嬉しくて、どんな仕事なのか詳しく理解はしていませんでしたが、税理士になると幼心に決めていました。高校生になり、本当に自分がやりたい仕事は何だろう?と考えた時に、学校の先生になりたいという気持ちが湧いてきました。税理士になりたいという気持ちは持ちつつも、それ以外のキャリアも考え始めた頃でした。そこで大学は幅広い知識を学べる経済学部に進学しました。

ー早稲田大学政治経済学部をご卒業後はどのようなキャリアを歩まれましたか?
大学を卒業後は、1年間受験に専念するために勉強をしていた時期がありました。その時期に奇跡的なことに「講師にならないか」とお声かけをいただき、税理士を目指す人たちに勉強を教える大手資格予備校にて講師になりました。教師という職業に憧れていた私にとっては、とてもありがたいお誘いでしたね。IBC岩下典裕税理士事務所で並行して働きながら、講師としては6年間ほど勤務していました。

ー声をかけられて講師になったと伺いましたが、実際に講師として働いてみていかがでしたか?

学校の先生になりたかったというのもあって、人に勉強を教えるという楽しさに夢中でした。言い過ぎかも知れませんが、今思えば講師という職業は自分にとっての天職だったのではないでしょうか。

私はもともと部活などにおいても、プレイヤーとして活動をするよりも、人の手助けをするサポーターのほうが向いている性格でした。先輩と一緒にいる時間よりも後輩と過ごす時間のほうが長いタイプで、自分の成績よりも自分が面倒を見ていた後輩が活躍することが何よりの喜びだったのです。
“プレイヤーよりもサポーターでありたい”という思いは、講師という仕事においても、税理士という仕事においても、今の原点になっているように思いますね。

ー講師として得たものは何ですか?

よく生徒さんに言っていたのは、セルフティーチングをすることでした。自分が講師役と生徒役になり、教え、教えられを繰り返すことで、物事の本質を理解しつつ学びを進めていくことができます。客観視もでき、これはどんな勉強においても大切だと考えています。今は講師としての仕事は辞めていますが、教えていた頃の科目の理論などは、いまだにスラスラと言えます。繰り返し何度もセルフティーチングを行うこと、これは講師として伝えたい勉強法の一つです。

ー講師という職業を通して、今にも生きていることがあれば教えてください。

講師としては、小学生から定年を迎えた方まで幅広く授業を行ってきましたが、PowerPointやWordなどの使いこなしはもちろん、目上の方に対する立ち振る舞い、授業や教室を行う際の対象別に応じた掴み方など、講師という職を通して多くのことを学びました。それらの経験や学んだ知識は、すべて今になってもとても役に立っています。

今は、小学生から大学生、さらには専門学生に向けて年に数回ほど租税教室を開催することがありますが、最初の掴みなどは経験が生かせるようになってきていると思います。それでも、やはり人に話を聞いてもらうのはとても難しい。特に、中学生に対して教室を開催するときには、今でもとても苦戦しています笑。中学生に対する掴みは、もっと頑張らなくてはいけないな~と感じているポイントですね。

“喜んでほしい” その思いから取り組む全面的なサポート

ー現在は、税理士として働かれていますが、主にどのようなことをされていますか?

IBC岩下典裕税理士事務所のポリシーでもある“企業の町医者”として、法人や事業をやっている方に向けたトータルサポートを行っています。わかりやすく言うと、相続やM&Aなどの専門分野に特化するのではなく、税務を中心に我々にできることは基本的に何でも対応するというイメージですね。特に、新型コロナウイルスが流行してからは、相談内容が大きく変わりました。今までは、コンサルティングや経営の相談が大きな割合を占めていましたが、社員の精神的な部分の相談なども受けるようになっています。

ー法人や事業をやっている方のトータルサポートを行っているとのことですが、全面的にサポートを行うには多くの知識や経験が必要なのではないかと思います。今の仕事に就いてから、どのようなことを勉強しましたか?

税務の知識以外にも保険や金融の知識も役に立つということで、まずファイナンシャルプランナーの資格を取りました。あとは、私の場合は、分野を問わずにさまざまなことを学ぶようにしました。税務関係や経営学などの本はもちろんのこと、新型コロナウイルスの影響で心理学についても学ぶ必要が出てきたため、メンタルヘルスマネジメントという資格をとったり、心理学にまつわる本なども積極的に読むようにしています。

ー現在のお仕事を通して感じているやりがいを教えてください。

仕事を通してのやりがいは、やはりお客さまが成長されていたり、成功を収めたりして、喜んでいるところを見たときです。先ほどもお伝えしたように、自分がプレイヤーであることよりもサポーターであることにやりがいを感じる性格なので、やはりお客さまの喜んでいる姿はとても大きなやりがいになっていますね。

税理士という枠に囚われず、自分らしさを追求した働き方を

ー5年後、さらには10年後のキャリア像はありますか?

やはり、これからも経験を生かして“人に伝える”という仕事は積極的に行っていきたいですね。たくさんの出会いがあれば、それだけ多くの情報を得ることができる。そして、その得た情報は自分のお客さまや生徒に伝えることができる。つまり、そこには相乗効果があります。
もちろん、今ある仕事や目の前の仕事を疎かにするわけにはいきません。そこは、お客さまを大切にしながらたくさんの人と接する機会を作り、得た知識をたくさんの人に伝えていきたいと思いますね。

ー講師としてのキャリア、そして税理士としてのキャリアもお持ちですが、キャリアを積む中で軸にしていたことはありますか?税理士や会計士を目指す方へ向けたメッセージをお願いします。

私が軸にしていることは、「税理士だからこうあるべき」という概念を捨てること。そうすることで、経験を武器にして自分らしく仕事をすることができます。
税理士は独占業務ですが、皆さんが思っている以上に税理士だからこそできる仕事がたくさんあります。私の場合には、そのできることの1つが租税教室だったわけですが、“伝えることが好きだ”という自分の思いや今までの経験を生かして、いちばん自分らしいと思える働き方をしています。

最終的に自分はどのような税理士になりたいかということですね。自分の得意なことを専門にするのもよいですし、私のように学校の先生に憧れるような人は伝える仕事を選ぶのもよいでしょう。
ぜひ、「税理士だからこうでなくてはいけない」「会計士だからこうあるべき」といった概念は捨てて、自分らしい働き方を探してほしいと思います。

―本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

岩下尚義氏が税理士を務める
有限会社岩下ビジネスセンター/岩下典裕税理士事務所のHPはこちら!

この記事を書いたライター

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