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他人がやらないことの中にこそチャンスがある。ココナラを日本の重要インフラに。株式会社ココナラCFO-中川修平氏のキャリア遍歴とこれから

HUPRO 編集部
他人がやらないことの中にこそチャンスがある。ココナラを日本の重要インフラに。株式会社ココナラCFO-中川修平氏のキャリア遍歴とこれから

幼少期から「他人がやらないことの中にこそチャンスがある」と考え、その実現に向けてキャリアを選んできた中川氏。2018年に株式会社ココナラに入社以降は、2019年に総額12億円の大規模資金調達、2021年に新規上場(IPO)という会社としてチャレンジングな時期をCFOとして支えています。

「普通の人なら心が折れるかもしれない。そんな逆境が楽しい」とおっしゃる中川氏はどんなキャリアを選択され、何を信念とされているのか。HUPRO編集部がお話を伺いました!

【中川氏の経歴】

2003年 慶應義塾大学大学院 修了
同年 株式会社三井住友銀行 入行
2007年 みずほ証券株式会社 入社
2012年 Mizuho Securities USA Inc.出向
2018年 株式会社ココナラ 入社

明確なビジョンを胸に秘めた新入社員時代

-新卒時は銀行へご入行されているのですね。

そうですね。大学院では理工学部の中でも電気系の学科で学んでいました。金融を専門に扱う学科ではありませんでしたが、金融工学の勉強をして論文を書く機会があり、金融への興味が湧いてきて三井住友銀行へ入行することにしました。

-理系ご出身だと、かなり珍しい進路選択ではありませんでしたか?

学生時代から、常に人がやっていないことに取り組み、その中で成果を出す人間になりたいと思っていました。

学校の勉強一つをとっても同じで、先生の指示に従ってやるだけでなく、自分はこの科目をこういう風に勉強したい、ということを考えながら書籍などを選び、自分独自のやり方で取り組んでいました。

他人がやっていないことにチャレンジする。世の中とは違う角度で金融に関われるのは面白そう。そういう考えでの進路選択でした。

大企業のファイナンス業務に没頭したみずほ証券時代

-みずほ証券に転職されたのも、チャレンジされたいことがあったからなのでしょうか。

そうですね。自分がやりたい業務内容がみずほ証券の中にあり、チャレンジしたいと思い転職しました。チャレンジしたかったことは大企業のファイナンス。

新たな工夫や仕組みを駆使しながら、企業と投資家を結びつけて資金調達をする仕事です。ソフトバンク社など、さまざまな企業の戦略を、ファイナンスを駆使しながらサポートしました。

-実際に働いてみていかがでしたか?

休む間もなく働いているような環境でしたが、常にやりがいを持って取り組んでいました。世界最高峰の経営者がチャレンジしたいと思っていることを自分がサポートする、そんなチャレンジングな環境にワクワクし、モチベーションは非常に高かったです。

経営者の方には喜ばれ、会社の中でも顧客への貢献・成果に対して表彰される機会が何度かありました。自分のサラリーマン人生の中で最も楽しみながらやってきた時代です。

-成果を出すために意識していたことはありますか。

「天邪鬼的な発想」ですかね。人がやっていることと同じことはしない。人がやっていない中で世の中や他人のために役立てることは何があるのか、を常に考えています。

サッカーなど球技を例にあげるとわかりやすいと思います。ボールにばかり集まっていても仕方がない。人がいないところにポジショニングを取るからこそ、タイミングがきたときに活躍しやすく、チャンスがあったらゴールできますよね。

そのため既に流行っているものに飛びつくことはあまりないですね。他人が既にやっていることですから。常に他人がやらないことにアンテナを張る意識をしています。

自分の努力では好転しない状況下で、新たなステージを目指す

-米国赴任では、具体的にどんな経験をされましたか?

米国赴任の当初はチャレンジングな機会もあり、非常に良い貢献をお客様にも自社にもすることができましたし、実際には表彰されるような成果をあげることができて良かったと思っていたのですが、その後、自分が拡大すべきと考えていた事業には追加投資をせずに現状維持という決定が下されました。

なんとか状況を打破しようとしたのですが大きな組織を動かすには力及ばず、チャレンジングな機会がないままルーティーン的な業務を繰り返すことになり、駐在員として私生活的には楽しいけれど仕事は充実していなかった、駐在員時代の後半はそんな時代でした。正直に言うと仕事のモチベーションは高まらなかったです。

ーチャレンジングな機会がない状況下だったのですね。その後はどうなりましたか?

その後には、東京オリンピックが決まった後のタイミングでゼネコンを担当するバンカーになりました。ただ、当時のゼネコンは再開発の好景気にどこも業績が好調で、資金調達や業界再編などの必要がありませんでした。

借りているお金も全部返し続けるので、どんなに提案してもディールは減る一方で、正直この時は自分の無力さを感じました。もっと粘り強くこの業界でやる選択肢もあったと思いますが、ソフトバンク社などの成長企業と関与したころからの思いがあり、成長企業をファイナンスの側面で支える業務を企業内部から関わっていきたいと考えてスタートアップへの道を志向しました。

創業者の人柄と目指す世界観に惹かれてココナラへ

-そんな中転職して、ココナラに入られたのですね!理由はなんでしょうか?

一つ目の理由はココナラ創業者の南のオープンな人柄、経営者としての人格に共鳴したことです。南は基本的に会社の目指している方向などのいいことばかりではなく、今どういうことが課題で何に困っているか、ネガティブなこともストレートに話してくれる経営者。なんて風通しの良い会社だと思いました。

ココナラに入る前に一度別の事業会社に転職しているのですが、入社した直後に大きなトラブルがあり、会社を清算していかざるを得ない状況になってしまいました。従業員のリストラ、株主との清算のための合意などを自分が主導せざるを得なかったのですが、他人の人生や財産を託されている立場で、非情なことを推進する辛さや怖さもありました。

そんな前職での経験は入社時には知り得なかったことが背景でもありましたので、情報を積極的に開示してくれる南の人柄、経営者としての思想や思考に惹かれ、信頼関係を築くことができると思えたのが大きな決定打になりました。

二つ目の理由はココナラが目指す世界観、「個人をエンパワーメントしていく」というビジョン、ミッションに共感しました。

同じような会社はたくさんありますが、ココナラは門戸が広くて誰でも受け入れる、清濁併せ呑むところがあるプラットフォームです。世の中のキラキラした綺麗なところだけに目を向けるのでなく、負の面にもしっかり目を向ける。

既に活躍されてる人だけでなく、苦しくて困っていたりコンプレックスがあったり、もしかすると心の中に負の側面がある個人のことも支え、前向きに生きていけるようにできる。一流の大企業で働く人だけでなく、弱者になりかねない中小・零細企業で働く人や個人事業主、そういう人が活躍していく場所を提供できる。それを実現しているプラットフォームであると確信しています。

         

ココナラの出品サービスはココナラが完全に規定しているわけでは無く、法律違反や公序良俗など一定の社会的な倫理道徳に反さなければ、出品者が自由に決めることができます。これってすごいことだと思いませんか。

社会を現実のままに受け入れながら社会インフラになっていく度量のある可能性を秘めたプラットフォームで、きっと遠くない未来にそんな時代はくる。そんな未来の実現を予感させるココナラは面白いと心の底から思います。

大規模資金調達、IPO準備と立て続けにチャレンジングな事業に挑む

-入社翌年にはフィデリティ・インターナショナル(FIL)からの12億の資金調達を実施。非常に大きな案件ですね。

海外の機関投資家から未上場の段階で大規模な資金調達をするという事例は日本で初めてのことでした。

この先のベンチャー企業界隈に大きくプラスになる意義のある案件であったし、最近の海外機関によるクロスオーバー投資の潮流を作る一翼になったと思っています。

資金調達というのは、事前に資料作りをして、投資家を回って勧誘して、実際に興味を持つ人が出てきたらバリエーションのどこで合意するのかについて調整したり、契約書を準備して契約条件を調整していく等やることが多岐に渡ります。そして普段のルーティンに無いことで、人的リソースも含めて社内にはノウハウが確立されていませんでした。

またこの資金調達は前もって決めていたわけではなく、新規プロジェクトと一緒に考え始めていたことで、プロジェクトにお金を払うタイミングと資金調達ができるタイミングがギリギリでした。実務も納期もいっぱいいっぱいで、かつ、人手が少なく他の人は他のことで手一杯なので全部自分でやらなければいけない。常に追い込まれながらやっていました。

-非常に忙しい状況ですね。その中でも大事にされていた事などはありますか?

ココナラとしては、お金がいつ入るかだけではなく、どういった属性の投資家から資金調達をするかということを資本政策の中で重視していました。長期的なココナラの成長を信じ、事業やビジョン、経営者の資質を理解した上で投資をしてくれる。そんな投資家を探し、無事に希望の投資を受けられたことは、会社の成長にとって非常によかったです。

-「組織運営、IPOに向けた課題」こちら具体的にどんな課題があったのですか?

IPO準備していく中でうまくできていない部分が見つかり、内部統制のシステムや意思決定プロセスのオペレーションフローの改善など、急遽大型のプロジェクトでテコ入れをする必要性がありました。

この課題の大きさもすごかったのですが、何より孤軍奮闘した資金調達の時とは異なり、チームメンバーとみんなで解決に向けて取り組む必要がありました。管理部門のスタッフだけでなく事業サイドもみんなで一丸となり課題に取り組むというのがこの時期でした。

信念に支えられた折れない心でIPOを実現

-そしてついに今年の3月19日にIPO実現。モチベーションもMAXですね。

管理部門のスタッフだけでなく事業サイドの人たちも含めて、IPO実現を目指して困難な状況の中頑張ってきたので、上手くいったことがより一層嬉しかったですね。

ファイナンスの側面でも、従来の仕組みの中では許容されていなかった海外機関投資家のアロケーション比率を打破することや、機関投資家による親引け、日本版コーナーストーン投資を実現することができました。

当初は関与する全ての証券会社から無理だと言われていたのですが、証券会社を説得し、弁護士を巻き込んで関東財務局・金融庁、日本証券業協会など当局を説得しながら新たに枠組みを作りあげることができました。通例に沿った資本政策を行うよりも良い形にすることができ、今後に続くベンチャーのプラスになる仕組みになりました。

全社が苦労してきた長年の思いを形にすることができたという達成感、背負っていたものがようやく実現できたという安堵感は、自分だけではなく管理部門にいた全員が感じていたことです。

-まさに他の人がやっていなかったことを実現したのですね。辛い瞬間などありましたか?

普通の人ならここで心が折れるだろうな、という時はありましたが、私はそういう状況が好きなのであまり辛いと感じませんでした。(笑)
ココナラの目指す世界観と根本的には通じるものがあると思っているのですが、誰もが大丈夫だと思っていることの中にそんなに素晴らしいことは存在しないと考えています。

誰もがこれって難しいのではないかと思っていることを、やり遂げた時に世の中にとって本当に意味のあることが実現できると考えています。
その信念があるからこそ、今回のことも逃げ出したいと思う気持ちは微塵もなく、前例に括ることなく、常に乗り越えたいな、と思って実行することができます。

-そんな中川様の周りで働く、ココナラの管理部門の方々はどんな方が多いですか?

色々なチャレンジに対して前向きな人たちが多いです。普通バックオフィスというと会社を経営していくために必要なオペレーションをこなしていく色合いが濃いですが、そうではないイレギュラーな壁を前向きに乗り越えられる人たちが揃っています。だからこそ短期間でこれだけのことを達成できました。

ココナラという会社を管理するというよりは、ひとつの新しい世界を作っていくためにチャレンジしているチーム。その一員としてやっているからこそ、高い意識が芽生え、みんなで成長している組織です。

ココナラ、そして自身の未来

-これから5年先、10年先の目指す姿のビジョンはありますか。

ココナラに関していえば、引き続き世の中にないものを作っていくために、それを支える資本政策や、管理部門において必要なことを模索・実現していきたいです。
管理部門については、5年先を見据えても、普通の管理部門とは違う形で組織や人のいる価値観ができあがっていくと思っています。ただ、それをどういう風に作っていくのか、一緒に作っていける人を集めていけるかが課題になります。

10年後にココナラは社会のインフラにしていきたい。何か困ったらまずココナラで検索をして解決策を探し、清濁併せ呑みながら誰もが活躍し誰もが困っていることを解決できるプラットフォームになることが我々の目指したいゴールです。

ただ、そこに至るまでの道のりで乗り越えていかなければいけない壁は高いです。万人が活躍できる、万人が困ったことを解決できるようにするには、それを受け入れる環境整備が欠かせません。プロダクトがどんどん複雑化すれば、経理処理の仕方やそれにまつわる法律関係などにも幅広い論点が必要です。

最初に説明したそれを一緒に乗り越えてココナラの世界観を作っていくことは、簡単ではないですがそれだけ面白いはずで、今言ったことを一緒に作り上げたいと思っている方はココナラに合っていると思いますしこれからともに働いていきたいと考えています。

管理部門で長期的なキャリアを築くために

-管理部門でキャリアを形成したい、将来的にCFOを目指したいマガジン読者さん一言いただけますか

管理部門の仕事は今後、従来通りに行なっているだけでは、自動化の波に完全に飲み込まれて職を失ってしまうと思います。どれだけハイスペックなスキルがあっても、一定の枠の中で行う業務のAI化は避けられません。

生き残るためには、クリエイティブであり、人がやっていない新しい発見をするといった能力が不可欠です。自分なりに工夫してやっていかないと、CFOになるかどうか以前に、長期的なキャリア形成が大変になります。

AIの開発で実現したいのは効率化とコスト削減。高いスキルが必要な分野でも、コストが高い仕事に関してはAIの開発がより一層加速すると考えていいでしょう。数年前に米国の投資銀行がトレーダーのほとんど全部をAIに置き換えたニュースに業界が震撼しましたが、非常に納得いく内容であると思います。

ただ、AIを司るのは人間です。AIのエンジニアは必要ですが、その業界や分野に一定のノウハウを持つ人間がガイドラインを作成してAIをコントロールしていくことも不可欠です。管理系の分野において、そのポジションは管理系出身の人間しかできない。

できない付加価値を作る努力をすることが大事です。第一次情報、自分の目の前に起きていることへのリアルな気づきや想いを大事にしながら現場を理解する。それを踏まえて世の中を理解する、という工夫・努力を積み重ねていってほしいと思います。

-本日はお時間いただき誠にありがとうございます!
今回お話をいただいた中川様が働く株式会社ココナラのHPはこちら!

株式会社ココナラHP

この記事を書いたライター

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