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キャリアの二刀流。「公認会計士×英語」大人気「There is no Magic!!」運営者の柴崎亮氏が語るキャリアの両立の魅力。

HUPRO 編集部
キャリアの二刀流。「公認会計士×英語」大人気「There is no Magic!!」運営者の柴崎亮氏が語るキャリアの両立の魅力。

大学卒業後に公認会計士合格者として、大手監査法人に勤務。公認会計士としてのキャリアの最中、留学準備中に日本の英語学習に課題を感じ、自身で英語学習のメディア運営と「TANZAM」という英単語アプリの開発に携わる。公認会計士と留学・英語の両軸のキャリアを実践している柴崎氏にHUPRO編集部がお話を伺いました。

2010年 在学中に公認会計士試験合格
2011年 EY新日本監査法人に入社
2012年 株式会社gumiに入社、経理財務マネージャーとしてIPO達成。その後投資部署へ。留学のため退職。
2017年 バブソン大学MBAへ留学
2019年 卒業後、NJの監査法人へ勤務
2020年 USCPA合格
2020年夏 VISA切れでコロナ禍で帰国
2020年冬 IPOの夢を達成するためスタートアップに就職し、約半年で退職
2021年春 フリーランスとして働く。フリーランスとして働いていた支援先へJOIN。社長室室長としてIPO、財務周りを担当。

【柴崎 亮氏のキャリアグラフ】

公認会計士として様々なスタートアップと巡り会えた

―公認会計士を目指したきっかけを教えてください。

20代の前半は将来何をしたいのかもわかりませんでした。そんな中公認会計士を目指している仲間が周りに多かったことで、公認会計士について調べる機会が増えました。よくよく調べると収入も魅力的で、様々な会社に訪問できることから経営の観点で学べることが多いのではと思いました。

また、高校から大学が附属でしたので大学受験がなく、大きな試練を乗り越える経験を積んでみたいという気持ちもありました。そのため大学1年生のときに簿記2級、2年生のときには簿記1級はすでに取得していました。大学3年生から本格的に公認会計士の勉強をスタートして、4年生で試験に合格しました。

―新卒でEY新日本監査法人を選んだ理由を教えてください。

当時は就職氷河期で資格を持っていても2,3,割の人は大手監査法人への就職が難しかった時代なのですが、私は運良く受かりました。EY新日本監査法人は当時まじめな雰囲気の会社でしたので、法人のカラーが私には合っていたのだと思います。

―就職してモチベーションが上がっていますが、EY新日本監査法人ではどのような仕事をされましたか?

私が配属されたのは公開業務部という珍しい部署でした。IPO準備会社を対象に、スタートアップを含む上場準備会社の監査をメインで担当していました。志願してこの部署に配属されたのですが、自分も将来事業を作りたいと考えていたため、スタートアップの方と仕事できたことはとても良い経験になりました。

その後、クラインアントの監査先で声を掛けていただき、株式会社gumiに転職しました。何の経験もない私にマネジメントをさせていただけるということで、すごくいいチャンスだと思いました。

スタートアップで上場経験。そして20代最後の挑戦留学へ

―経理財務としてどのように上場にコミットされたのでしょうか?

月次決算や四半期決算の締めを始め、開示書類の作成や海外子会社も増えてきておりましたので連結決算の締め、管理会計などをしていました。海外子会社の連結決算の経験はありませんでしたが、一から勉強しました。東証一部に直接上場したので、マザーズと違って仕事量が多くなります。

具体的に言いますと上場前からJ-SOX対応も完璧にしなければなりませんでした。そこも大変負担になりましたが、私にとって20代の集大成となり、いい経験になったと思います。

入社から上場まではたった2年半の期間でしたが、10年程の密度で価値があった経験だと思います。その後、業務の幅を広げるために投資の部署への異動を志願して、スタートアップへの投資や事業の売却を担当させてもらいました。

―その後、留学に至ったのはどのような経緯があったのでしょう?

株式会社gumiがグローバル化をする中で英語の重要性を感じていました。実務上も連結決算をするときには海外子会社とコミュニケーションをとることがあります。

海外子会社とやりとりしてくれるスタッフはいましたが、自分で直接やり取り出来ないことで時間がかかってしまい悔しい思いをすることもありました。

20代のうちに英語をどうにかしたいと思い、4年半務めた株式会社gumiを退職し留学しました。

―準備期間には収入もない中で不安はありましたか?

もちろんありました。6月に退職して10月には合格することが理想でしたが、なかなかスコアが伸びず翌年3月に合格が出て8月に留学しました。

スコアが伸びない中で日本式の英語の学習方法が間違っていることに気づきました。英語塾に通っていたのですが、そこでは音読を何回もする方法等をおすすめされ、その通りに1日10時間以上勉強してもスコアが伸びませんでした。

その後自分なりに勉強法を見直してからは徐々にスコアが上がっていきました。この時の経験が今の自分の英語の情報発信の取り組みに繋がっています。

―留学はいかがでしたか?

留学してからも最初は英語が聞き取れず苦労しました。グループワークが多かったのですが、ディスカッションは相手の言っていることが分からず、自分もうまく英語で返答が出来ませんでした。

海外は意見のあっている、間違っているということよりも、自分の意見が発信できるかどうかが重要になってきます。そういう意味では、発言できていない自分は非常にまずい状況でした。

そこで、自分なりにそんな状況でもディスカッションに貢献できる方法を見つけました。具体的には事前に自分のアイディアをパワーポイントにまとめおくことです。

事前準備と練習をしっかりしておくことで、自分の意見を発信するというステップは乗り越えました。他にも色々苦労はしましたが、その都度工夫してこの留学期間を充実させました。

日本の英語学習方法を変えたい。英語を軸とした新しいキャリア

―留学中は留学経験を発信したりされたのですね。

留学前にThere is no Magic!!というサイトを開設して、英語学習に関する発信をする場を設けていました。留学前にスコアがなかなか伸びなかった経験がきっかけで、自分と同じように悩んでいる方に向け、正しい学習方法を普及させようと思いました。

日本で行われている勉強方法は、多くの場合優秀な方がいくら勉強しても伸びないやり方になっていると考えられます。

そのため正しい勉強法が実践されれば、英語試験の点数は出ると思いますので、勉強法を言語化して記事にして発信しています。留学界隈では現在このサイトが支持され、目標点達成や志望校合格のご報告を数多くいただけるようになりました。

その他にもTOEFL、GMATクラスをクラスメートとともに開発しました。日本より勉強方法が普及している中国やインドの講師に、日本人向けにプロダクトを開発してもらいました。

GMATについてはインド人や中国人のスコアはかなり高いです。そのような効果的な勉強法を日本に持っていきたいと思いました。バブソン大学は起業に特化している大学で、アメリカの起業分野で1位の大学でした。

授業を使ってマーケティング方法について周りから意見をもらうなど、事業創出について非常にためになる経験でした。

―帰国後はまさに二刀流「公認会計士×英語」でキャリア展開をされたみたいですね。

そうですね。まさに私の中に軸は2つあって公認会計士としてのキャリアと、英語学習の発信の両軸です。情報発信はフルタイムでやるものではないので、1日2~3時間や週末だけ時間を使って、あとは妻や業務委託の方に任せる働き方をしています。

―日本で再スタートをするときにモチベーションが下がっていますが、どうしてでしょうか?

以前より上位の職位でIPOに関わるためにスタートアップの会社にフルタイムで転職したのですが、自分と合うようなマネジメントスタイルではありませんでした。そのため辞職してフリーランスとして働く道に進みました。

ーーフリーランスとして働かれたあとはモチベーションも上がっていますね。

そうですね。フリーランスとして始めることは企業側にも自分にもメリットが大きいと思っています。実際のところ一緒に働いてみないと自分と企業が合っているかどうか分からないことがあると考えています。お互いのカルチャーマッチを図るためにも、このすり合わせの期間として、フリーランスはよかったですね。

そしてこの働き方を実際にできたのは、自分が両軸でビジネスを展開していたからだと考えています。仮に公認会計士のキャリアで時間がかかっても、英語の領域があれば大丈夫という安心感はあります。

自分と企業との相性が良い会社に出会い、現在はフルタイムでjoinさせていただいています。

―英語の軸では英単語アプリ「TANZAM」をローンチされたのですね。

1年ほど前から留学仲間と一緒に作りました。英語から日本語に訳した単語帳で覚える方が多いと思うのですが、見ていてつまらない上にすぐ忘れてしまうので、イラストを使って効果的に覚えることが出来るアプリを作りたいと思ったのがきっかけです。

「単語侍」の略でTANZAMです。国際的に活躍できる侍を増やしていこうと思ってこのアプリを作りました。英語勉強に悩んでいる多くの方に届けたいと考えています。

公認会計士・英語二つの軸を持って実現したいこれからの展望

―将来のキャリア展望はありますか?

会計の軸としては、スタートアップでIPOを達成して、5年後10年後にはIPO後の事業成長も担っていく働き方をしたいです。

英語の軸では、今年法人化して1年になったので、さらに拡大させて、留学・英語学習分野で1位のメディアになりたいと思っています。両方の軸を並走して確実に結果を出して行きたいです。

―HUPROmagazineの読者へメッセージをお願いします!

リスクを恐れることなく様々なことにチャレンジしてほしいです。新しいことを始めるときには、周りに反対されることもあると思いますが、自分のやりたいことを優先して保守的にならないでください。

事前にすべてを計画するのは不可能なので、まずは目の前の一歩踏み出すことが大切です。公認会計士など資格があれば多少失敗しても軌道修正は出来るので、是非チャレンジしてみてください。

――本日はお時間いただきありがとうございます!
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この記事を書いたライター

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