投資を始めてみようというという投資初心者の方。「社債と株式の違いがわからない」などとお困りではないでしょうか。
社債と株式は、お金を払って有価証券を購入する、という面では一見同じようにも思えます。
しかし、社債と株式は投資家がどう利益を得るかや得られる権利、そして支払ったお金が戻ってくるかなど違いがあります。
今回はこういった社債や株式の違いや「社債って何?」「株式って何?」と言う初歩的な内容について詳しく説明します。
社債とは、中長期的な資金調達のために行われる一般企業が発行した債権券のことをいいます。
社債の取引は下記のような流れになります。
1会社が投資家からお金を借りる
2満期まで、会社は投資家に利息を支払う
3満期に会社は投資家に額面金額を返済する
社債を取得した投資家側の貸借対照表には有価証券として資産に、社債を発行した企業は貸借対照表では社債を負債として会計処理します。
企業が投資家に借金をするようなイメージをもっていただきとわかりやすいでしょう。
社債の種類には下記のようなものがあります。
普通社債は固定金利付きの社債のことをいいます。投資家は返済期限までの間利息を受け取り、満期になれば額面金額を返済されます。
英語表記は「Straight Bond」といい、略称はSBです。
転換社債型新株予約権付社債は決められた条件で株式に転換することができる社債のことをいい、転換社債とも呼ばれています。
株式と社債を交換するイメージをもっていただくとよいでしょう。
株価が社債の転換価格より値上がりしていれば、社債を株に転換して利益を得ることができます。
株価があがらなかった場合は、そのまま社債を所有して利息を受け取り、元本の返済を受けることも可能です。
英語表記は「Convertible Bond」といい、略称はCBです。
新株引受権付社債は、社債を購入する際に、株式を一定の価格で購入する権利も同時に取得する社債のことです。ワラント債とも呼ばれています。
転換社債は株式と社債の転換、ワラント債は一定価格で株を購入する権利(ワラント)を取得する、という点で異なるため、しっかりと分けて覚えましょう。
社債とワラントは分離でき、社債をそのまま保有しながら、ワラントで新株を購入することができます。株を購入する際は、追加で購入資金が必要です。
ワラントを行使して株を購入する際に、株価が行使価格と追加購入資金より値上がりしていれば利益を得ることができます。
劣後債は、企業が倒産した際、他の一般債権よりも弁済順位が低い債券のことです。
一般債権者の元本と利息の支払いが終わった後に、劣後債保有者に弁済されます。
企業が倒産した場合は元本が戻ってこない可能性があるためリスクがありますが、利回りは高めに設定されているためリターンも見込めるでしょう。
債券と株式の両方の性格を併せもっているため、ハイブリッド証券とも呼ばれます。
「電気事業法」に基づいて電力会社が発行した一般担保付社債のことです。他の債権者よりも優先されて弁済を受けることができる債券です。信用力があるため、低金利という特徴があります。
社債には、下記のようなメリットがあります。
・元本を回収できる
・利息が預金利息より高い
・株よりもリスクが少ない
社債には、下記のようなデメリットがあります。
・会社が倒産した場合は返済が保証されない
・まとまった元手が必要
・銘柄が少ない
株とは、企業が資金を調達するために投資家に発行する証券です。
株式の取引は下記のような流れになります。
1会社は投資家からお金を調達する
2投資家は配当や株主優待を受けることができる
3投資家は株主総会に出席して、会社の経営に参加することができる
4投資家は株式を売却することにより利益や損失を出すことができる
社債を取得した側は有価証券として資産に、株式を発行した企業は資本金として会計処理されます。
株には、下記のようなメリットがあります。
・売却益
・配当金
・株主優待
株には、下記のようなデメリットがあります。
・売却損
・まとまった元手が必要
社債を購入する場合は、利息でもうける。株式の場合は配当か、売却益でもうける。と考えましょう。
安全性だけでいえば、社債を購入すれば、その会社が倒産しない限りは必ず額面金額がもどってくるので社債がおすすめです。
しかし、倒産リスクもないとは言えないため、目論見書の信用格付は必ずチェックしておきましょう。
株式は配当や株主優待などの魅力の他に、市場の流れを読めば利益をあげることが可能です。
しかし、市場の動き次第では購入した価格より安く売ることになるため、売却損が発生することもあります。
少額で試してみたり、株の勉強をしたり、などしたあとに、本格的に購入してみることをおすすめします。
いかがでしたでしょうか?
社債と株の違いは、発行した企業に返済義務の有無があるか、という違いがあります。
社債は満期になれば社債の額面で投資家に返還されるとともに、その利息を受け取ることができるため、企業側からみると借金のような性質をもっています。
株式は社債のように、発行した企業が振り込まれたお金を返還する必要はありません。投資家は株式を売ることで利益をあげたり、配当金や株主優待を受け取ったりすることができます。
社債をもっていれば債権者、株式をもっていれば会社の経営に参加する権利をもった経営参加者という認識をもっておきましょう。