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税務調査はどこまで調べるの?年数や調査内容をご紹介!

岡山 由佳
税務調査はどこまで調べるの?年数や調査内容をご紹介!

税務調査をがいつ行われるかを予測することは難しいものです。よって日頃正しい経理処理を行うことが肝要であると共に、あらかじめ税務調査はどこまで調べるのか等の、知識を持っておくことが、いざというときに役に立ちます。
今回は、税務調査はどこまで調べるのか、年数や調査内容等について詳しくご紹介致します。

税務調査とは

税務調査とは、法人や個人に対して、正しく納税が行われているかを確認するために行われる調査です。

国税通則法によると、税務調査とは、国税に関する法律の規定に基づき、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為とされています。
更正決定等を目的とする一連の行為のほか、再調査決定や申請等の審査のために行う一連の行為も含まれます。

出典:国税通則法第7章の2(国税の調査)

税務調査の基礎知識については、下記コラムをご参照ください。

税務調査の調査対象は3年

調査対象の年数

税務調査では、基本的に過去3年の申告内容が対象となります。必要に応じて5年、更に悪質な法律違反が疑われる場合には、7年の申告内容が対象となります。

国税の期間制限

上記のように、調査対象が3年、5年、7年となっているのは、国税の期間制限に起因をします。

国税の法律関係において、国の行使し得る権利をいつまでも無制限に認めていては、納税者の法的安定が得られないばかりでなく、国税の画一的執行も期し難くなるので、これに対処するため、賦課権及び徴収権などに関する期間制限が設けられています。

国税の期間制限には、賦課権の除斥期間と徴収権及び還付金等の還付請求権の消滅時効があります。

賦課権の除斥期間

賦課権は、税務署長が国税債権を確定させる処分、つまり、更正、決定及び賦課決定を行うことができる権利です。

この権利は、課税標準申告書の提出を要する国税で申告書の提出があったものに係る賦課決定の除斥期間は3年、更正、決定及び賦課決定の除斥期間は5年、偽りその他不正の行為により、税額の全部若しくは一部を免れ若しくは還付を受けた国税についての更正決定等又は偽りその他不正の行為により、その課税期間において生じた純損失等の金額が過大である納税申告書を提出していた場合における当該純損失等の金額についての更正の除斥期間は7年とされています。

徴収権及び還付金等の還付請求権の消滅時効

徴収権及び還付金等の還付請求権の消滅時効は5年とされています。

期間制限については下記コラムをご参照ください。

調査対象の内容

調査対象の内容は、税務調査開始前に調査の範囲について調査官から通知があることが一般的です。

税務調査では、書類の保管先である事務所が基本的な調査範囲であり、事務所で帳簿調査を行い、情報が足りない場合は必要に応じて現場確認調査が行われます。現場確認調査では、事務所の金庫や机、倉庫等くまなく調査される他、現場確認調査でも更に情報が足りない場合は銀行や取引先にも照会が行われます。

書類の保存年数は原則7年間

税務調査で帳簿調査が行われることに備え、各種の書類は保存をすべき年数が定められています。

法人の場合

法人は、帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。

帳簿には、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳等があり、また、書類には、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書等が該当をします。

法人の帳簿の保存期間については、下記コラムをご参照ください。

個人の場合

個人は、青色申告者か白色申告者によって、保存すべき書類やその年数が異なります。

青色申告者

青色申告者は、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳等の帳簿は7年間、損益計算書、貸借対照表、棚卸表等の決算関係書類は7年間、領収証、小切手控、預金通帳、借用証等の現金預金取引等関係書類は7年間、取引に関して作成し、又は受領した上記以外の請求書、見積書、契約書、納品書、送り状等のその他の書類は5年間保存しなければなりません。

白色申告者

白色申告者は、法定帳簿である収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年間、任意帳簿である業務に関して作成した上記以外の帳簿は5年間、決算に関して作成した棚卸表その他の書類、業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書等の書類は5年間保存しなければなりません。

青色申告については、下記コラムをご参照ください。

まとめ

上記のように、税務調査の対象年数は基本的に3年、必要に応じて最大7年までが対象となります。
言い換えると、7年より過去の申告内容に対して調査が行われることはありません

税務調査がいつ行われるかを予測することは難しいものです。よって税務調査によって不都合が生じないよう日頃から正しい経理処理を心掛けると共に、税務調査が行われた場合に対応が出来るよう、帳簿の保存期間は正しく認識し、違法に書類を破棄しないようにすることが大切です。

この記事を書いたライター

大学在学中より会計業界に携わり10年超の会計事務所、税理士法人での実務経験を経て独立。各業種の会計業務に関するフォローのみならず、ライターとして税務、労務、経理の話題を中心に、書籍やWebサイトに数多くの寄稿を行う等の様々な活躍をしている。
カテゴリ:コラム・学び

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