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追徴課税が支払えない場合はどうなるの?

岡山 由佳
追徴課税が支払えない場合はどうなるの?

期限内に納付すべき金額を納めなかった場合に、発生をする追徴課税。追徴課税の発生が税務署から指摘を受けて発覚をした場合には、その納付を免れることは出来ません。
追徴課税が発生しないこと、発生したら速やかに一括納付をすることが先決ですが、支払えない場合はどうなるのでしょうか?詳しくご紹介致します。

追徴課税とは

申告納付をした税額が本来納めるべき税額より少なかった場合等には、納税者が自ら修正申告や期限後申告を行う、又は税務署から更正処分を受けることにより、本来納めるべき税額との差額を納める必要があります。

本来納めるべき税額との差額である本税の他に、本来納めるべき税額を期限内に正しく納めることをしなかったことへのペナルティとして延滞税や加算税等の附帯税を納める必要がある場合があります。
このように後日納めるべきことが判明した本税と、附帯税を合わせて追徴課税といいます。

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追徴課税の納付方法

追徴課税の発生があった場合には、下記のように応じる必要があります。

追徴課税は直ぐに納付をする必要がある

通常の法人税や所得税等は、その課税期間から数カ月後が納付期限となっています。
一方で追徴課税は、本来の納付期限を既に過ぎているものであることから、その追徴課税の発生に気が付いた場合には速やかに納付をしなくてはなりません。
また追徴課税に法人税等のように時効は無いため、納付を免れることは出来ません。

追徴課税は原則として一括納付

通常の住民税や固定資産税等は、原則として分割納付であり、一括納付も選択することが出来ます。
一方で追徴課税は、原則として一括納付をする必要があります。

追徴課税が支払えなかった場合は?

上記のように、追徴課税は速やかに一括で納付すべき税金です。本来納めるべき税金と比較をして少なく納付してしまっていることに追徴課税の発生が起因をしていることから、当然のことともいえます。
しかし、何らかの事情により追徴課税が支払えないことも考えられます。追徴課税が支払えないと、どのような措置がとられるのでしょうか。

追徴課税の未納は差押えの対象

追徴課税の支払いが出来ない場合には、税務署により財産の差し押さえが執行されることがあります。

差押えとは

追徴課税の滞納処分による差押えとは、滞納者の財産について、法律上又は事実上の処分を禁止し、それを換価できる状態におく強制的な処分をいいます。
通常の場合の差押えの要件は、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、その督促に係る国税を完納しない場合です。

差押えの対象となる財産

下記に挙げる財産が、差押えの対象となります。

国税徴収法施行地内にある財産

徴収法は国内の行政権の及ぶ地域にのみに、その効力が及びます。
よって、滞納者が外国において所有している財産は差押えの対象になりません。

滞納者に帰属している財産

財産が滞納者に帰属していれば、名義又は所持者が誰であるかは問いません。
滞納者に帰属する財産であるかどうかは、一般的には、下記により判断を行います。

動産、有価証券
滞納者が所持しているもの
不動産、電話加入権等
滞納者名義で登記されているもの
債権
借用証書、預金通帳、売掛帳、取引関係帳簿書類及び第三債務者の調査により、滞納者に帰属すると認められるもの

金銭的価値を有する財産

差押えの対象となる財産は、これを差し押さえて換価し、その代金をもって国税に充てることとなるため、金銭的価値を有するものである必要があります。
よって、金銭又は物の給付を目的としない行為を目的とする債権は、金銭的価値を有しないため差押えの対象になりません。

譲渡又は取立てが出来る財産

滞納処分による差押財産の換価方法は、売却することと取立てをすることの2つであるから、差押えの対象となる財産は、譲渡又は取立てが出来るものである必要があります。
よって、 相続権や扶養請求権等、一身専属的に帰属する権利は譲渡をすることが出来ないため差押えの対象になりません

差押禁止財産ではない財産

差押えの対象となる財産は、徴収法のほか、各法律で差押えを禁止している財産以外のものである必要があります。
差押禁止財産には、給与のうちの最低生活費程度に相当する金額や、社会保険制度に基づいて支給される年金や退職一時金等があります。

追徴課税が支払えない場合に出来ること

上記のように、追徴課税の支払いが出来ない場合には、税務署により財産の差し押えが執行されることがあります。
差押えが執行をされると、保有財産を失うこととなり、生活に多大な影響を及ぼす可能性があります。
よって差押えを受ける前に、何らかの策をとる必要があるといえます。

融資を受けて追徴課税を支払う

追徴課税が発生した場合に、手元の資金では納付が難しい場合には、融資を受けてでも追徴課税を支払った方が、差押えが執行されるよりも良いです。

税務署に相談を行い猶予を受ける

追徴課税は原則として速やかに一括で納付をするべきですが、税務署に相談を行い認められることで、納付期限の延長や分割払いに応じて貰えることがあります。

まとめ

上記のように、追徴課税はその納付義務を免れることは出来ず、税務署への相談無しにそれを滞納し続けると、その行為は差押えの対象となります。
差押えを受けると生活に多大な影響を及ぼす可能性があるため、そもそも追徴課税が発生しないように努める、追徴課税が発生した場合には何らかの方策で対応をしていくべきです。

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この記事を書いたライター

大学在学中より会計業界に携わり10年超の会計事務所、税理士法人での実務経験を経て独立。各業種の会計業務に関するフォローのみならず、ライターとして税務、労務、経理の話題を中心に、書籍やWebサイトに数多くの寄稿を行う等の様々な活躍をしている。
カテゴリ:コラム・学び

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